22.和解
今朝は早めに出社することにした。
ニート君とのお別れは悲しいが、致し方ない。
職場の理解は得られたような気もするが、やるべき仕事はちゃんとやらないとな。
妹は既に起きることなど放棄している。
爆睡である。
だが、ニート君は違う。
俺と一緒に起床し、朝のポカリバケツに浸り(今日はアクエリアスだったんだけど)、
不安そうに俺にまとわりつき、そして締めのスーパー高い高いを満喫し、
恍惚となっているところをタオルでくるんで・・・
からの出社である!!!
俺が一時間早く起きようとも、ニート君は俺についてきてくれるんだ!
今日、おみやげ何買って帰ろうかな。
日中、妹がニート君と楽しく過ごしているかと思うと殺意がわくが、
今日は俺とニート君の2人だけで夜のドライブ(チャリ)に出かけてやるぜ。
会社につくと、誰もいないと思ってたのに浜野さんがいた。
「・・はよっす」
軽く挨拶。
「あら、山田君早いじゃない?大丈夫なのあの、クリオネ。」
「あ。はい、ちょっと早く帰らせてもらうのあれなんで朝仕事しようかと。」
「えぇ!いいのよそんなこと!みんな協力してくれるわよ!無理しないで、もうっ!」
いやあんたが文句言ってたの知ってるし。
とんでもないババァだ。
「いや、そんなに甘えられないですよ。でも本当にありがとうございます。」
「ふーん。まっじめねぇ、
・・・で?坂田部長から拾ったって聞いたわよ?
そうそう落ちてないじゃない?クリオネって。どうしたの?」
目がこええ。
「あぁ、簡単にいうと、夜に公園の池に落ちておぼれそうになったのを助けたんですよ。
そしたらなんか、なつかれちゃって・・・」
その日の昼休みまでの間に、
俺は、早帰りサボり野郎から救世主ま にまで昇格した。
会社ってこわい。




