16.ドロヌーバ
週末は、
妹を家に帰還させて
俺とニート君の2人でのんびり過ごす計画だった。
「めんどくせー・・・・」
「つーか、明日何時に家出る?」
「は?明日?」
「は?お母さんに明日行くっていってたじゃん。」
うわ。まじか。
「明日が・・・・・土曜か」
「まじか。重症だな。」
「お前の方が曜日間隔なくなるかと思うけど」
「テレビとかあるし。あと最近ニート君とスーパー行くから曜日くらい把握するわ。」
俺だって、週末を毎日のように待ち望んでいる。
今日は部長のアレがあったからだな。
すっかりわすれてたわ。
「ひゃっほう!週末だぜ!!!!ニート君!!!!!!」
ニート君を抱きしめ高速でぐるんぐるん回り、スーパー高い高いをする。
『にゅぅぅぅぅーーーーーーーーーーんっ♪♪♪♪♪』
今日はいつもより多めに回っってやるぜ!!!
「で、だから何時に家出るの?ってば!!」
「・・・夕方着。で、夜に帰る」
お前は置き去りにしていくぜ。
「あのさー、考えたんだけど、家の庭でビニールプールはったらニート君楽しくない?」
「・・・それはいいな。昼着くらいにしとくか。」
ビニールプールってどこに売ってるんだ?
さすがの Amazon でも間に合わない。
「色々買わないといけないから、朝出だね。」
「まじか。起きられる気がしねぇ」
「・・・・・・・社畜って平日しか起きられんのか。」
「お前には分からねぇよ。」
「社畜にだけはなるべきじゃないな。」
「とにかく、明日は起こしてくれ。」
目の回ったニート君を今度はお姫様だっこでゆりかごの様にゆらす。
そして、俺も寝ることにしよう。
「ちょっと!ニート君と今日一緒に寝る約束してるんだけど!」
当然、無視。
「まじで!ニート君は私と寝るの!!早く返せ!」
ニートが金曜の夜の社畜(の睡魔)に敵うと思っているのか。
「はよ寝ろ。そして朝起こしてくれ」
何か言っているようだがもうなにも聞こえない。
俺はニート君を抱きしめたまま、泥の様に眠りについた。




