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10.覚醒という名の混乱

今日は定時帰りしてやると意気込んでいたものの


結局、いつもと同じ時間帯になってしまった。



全てはあいつ(クソニート)のせいだ。



家に到着する頃には、思い出し怒りがピークに達し、思い切りドアを開けた。



玄関には、、、ニート君が待っていてくれた。




出迎えてくれた!!!



『にーーーーーーっ!!!』



ニート君が俺に向かってダイブする。



『にぃーーーーーーーんっ!!にーーーーー!にーーーーーー!』



ニート君を抱きしめる。




良かった。本当によかった。




俺とニート君の絆は、揺るぐ事などなかったのだ。




あの悪人(妹)にタラシこまれてるんじゃないかと今日一日気が気じゃなかったのだ。



選択肢を間違えた。母ちゃんにしておけば良かったと、何度後悔したか。




「おうおう、おかえりー。」



妹はというと、予想外というか、


一日ニート君を満喫したことで昨日まで纏っていたダークオーラが無くなっており、


さわやかというか晴れやかな感じで、出迎えてきた。



ふてぶてしさは変わらないが、付き物が落ちた、という感じだ。



ニート君を抱っこしながら着替えをし、


妹から今日一日のニート君動向の報告を聞いた。



この2日、日中はポカリだけだったが、やはりメシも必要だという事が分かった。。


昼、妹が海鮮焼きそばを作ってやったところ、ものすごい喜び様だったらしい。


夜あんなに食欲が旺盛だったのは腹が減っていたのか、、、、だよな。。。。



昼食後、近場の公園に遊びに行き、帰ってポカリバケツの中で昼寝していたらしい。



ちなみに公園では、遊びに来ていた園児達に大人気だったらしく、明日も行く約束をして帰ってきたそうだ。



「それでさ、ニート君が、、」


「・・・お前さ。」


「は?」


「何年ニートやってんの?」


「は?」


「お前、専門中退してからずっとニートやってんじゃん。もう3年になるだろ?」


「はぁ?まじムカつくんだけど、たまにバイトしてるんだけど?!」


「いや、お前、そろそろ働くべきだと思う。マジで。」


「・・・・・意味分かんないんだけど。。むかつく。」


「お前が働いて、俺がニート君の世話をするわ。」


「・・・・・」


「・・・・・」


「・・・・・気持ちは分かるけど、それはムリじゃね?仮に私が働いたとしても、それはムリじゃね?」


「・・・・・」


「・・・今日、いろはすとさきいかはまだあげてないからさ。。」


「・・・・・いろはす、やるか。」


「・・・正気にかえったか?」


「・・・・まぁ。多分。・・・コップ取ってくる。」



ニート君はいろはす(なし味)もいける口だった。



妹が作ってくれた、ニート君の為のカレー(甘口)を食し、



食後のさきいかを抱っこしながらちまちまと食べさせていると



「明日は、いろはす(みかん味)を買っとくから、、」



と妹が言った。

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