地獄の6日間・夜間行軍から水泳編
ドカチーニさんに引き摺られて行った先は当然のように裏庭だった。
彼がそこで俺に宣言をする。
「これから契約制限一杯まで、冒険に使う装備を全て所持しての行軍訓練と槍の訓練を行う。夜間行軍、日中行軍、槍の訓練をひたすら繰り返す。質問を許す何かあるか?」
「昼飯すら食べてないので空腹であります。」
「よし、ベルガーに言って、最後の食事を取らせよう。その後は冒険に持っていくと最初に所持した飲食物のみを取って良い事とする。一刻与える。全ての支度を整えろ。五日間それだけで過ごせる荷物を支度しろ。日没と共に最初の行軍を開始する。」
「イエス・サー!」
「いえす。さぁ。意味は知らんが良い響きの言葉だな。これから返事は全てそれでしろ!」
「イエス・サー!」
「よし。準備に掛かれ!」
「イエス・サー!」
猶予は約2時間しかない。
やれる事を考えろユークリット!
水と食料だけは忘れるな。
忘れたら5日間、絶食する事になりかねんぞ?
あの鬼ならば、やると言った事は必ずやる。
まずはベルガーさんに最後の夕食と保存食・水5日分を依頼だ。
次にネモが嫁達とたわむれている姿を見たくは無いが、自室に向かおう。
ドカチーニさんからもらった『黒の貫頭衣』に着替えて、残りの投げ槍と小刀を取ってこないとな。
本当はブーツが欲しいが、今は草履しかない。
草履もまだ行けるな?
途中で壊れても、きっと履き替える事は許されないぞ。
銀色の月の満月の夜に持っていった冒険セットはこれで全てだよな?
銀色の月満月の夜の装備では何かが足りない気がする………
そうだ!左腕の鎧だ!
かなりの重量だがこいつは装備から外せない。
実際前回接近戦をやった時、こいつが無かったら一撃目で腕を切り落とされていた。
それに俺はこれ以外にまともな防具を持っていない。
左腕だけとは言え、この鎧が有ると無いとでは、俺の生死を確実に分けるはずだ。
やるべき事が決まれば行動に移すのみ。
地下室に居るベルガーさんに保存食と水の事を頼む。
彼は、自分の大事な休憩中にも関わらず、俺の頼みを快諾してくれた。
ありがとう。
港町の熊さん。
やっぱり、あんたは最高だぜ!!
自室に戻ると当たらなくても良い予感が当たる。
本当に見たくも無かった光景が俺の目に入ってきたが無視して行軍の装備を整える。
アニメ化も漫画化も文章化する事すら拒まれる姿を晒したネモが俺に対して文句を言う。
「ノックは社会人のマナーだろうが!」
「人の部屋で何てことしてやがる。てめえの汚い汁を部屋に一滴も飛ばすんじゃねぇぞ!」
「莫迦か?全て嫁に注ぎ込むに決まっているだろうが。オレの嫁達は一滴もこぼさねえよ。加えてオレ以外は一切受け入れないぞ!」
くそ。
この変態が。
リアルの女子(初見)にあれだけ囲まれる『才能』を神に与えられておきながら、人形にしか興味が無いだと!?
憎しみでヒトが殺せたら!
いやいや、ただ殺しても俺に旨味が無いな?
他の異世界無双のように殺した相手の『才能』を手に入れる事が出来たら!!
俺の下らぬ妄想よりも今の姿をベスとアンに見せようものなら、嫁共々必ず始末してやる。
「しばらく出掛ける。部屋は好きに使っていて良いが、絶対にベスとアンへ手を出すなよ?」
「了解だ。そこは紳士淑女協定を守ろう。」
奴から『紳士淑女協定』が出てきた以上、ベスとアンは確実に安全だ。
念を押して、2人をシーリンさんの部屋でしばらく預かってもらおう。
俺は銀色の月満月の夜に使った装備を持って、廊下を歩くベスとアンに声を掛ける。
すでに俺の姿はどこから見ても下っ端冒険者に見えるだろう。
「すまん。まだ夕飯には少し早いのだが最後の食事に付き合ってくれ。」
「どこに行く気ですか?街の外ですか?」
俺の装備と言葉にベスの瞳に激しい炎が宿る。
アンの青い瞳も真剣な目付きだ。
俺は例え怒りの目付きでも2人に無視されるよりはマシだと思ってしまう。
しっかりと俺へと反応を示してくれた。
だが今日は元から機嫌が悪い事もあるせいか、2人共いつもより迫力がある瞳だぞ?
「大丈夫だ。街の外には出ない。5日間裏庭で冒険を想定した訓練をするだけだぞ。」
「本当ですね?」
「ああ。心配ならば毎日、裏庭に居るから確認すれば良い。」
「分かりました。毎日確認します。嘘を付いた時は覚悟して下さいね?」
ベスさん。
ベスさん。
あなたは可愛らしく首を傾けているつもりかも知れませんが私にとってはトラウマです。
目を細めて不気味さは3割増しに加えて、首を傾げて恐怖まで3割増しになりましたよ?
あなたは、金色の月満月の夜に指切りをして以降、アンと協力して本気で「嘘付いたら針千本のーます」をやりかねない雰囲気を出していますよ?
それでも2人に無視をされるよりも何倍もマシだ。
最後の食事と言っても、いつもとメニューは変わらない。
ベスとアンには消化の良さそうなスープ。
俺にはいつもの焼き魚定食(但しパン)だ。
休憩を早目に終えて夕食の用意をしてくれてありがとう。
港町の熊さん。
机の上に置かれた、5日分の食料が入った布袋と水が入った革製の水袋が5つ。
これからの訓練で使う冒険食にとベルガーさんが用意してくれたものだ。
正直、自分が想像していたよりも大荷物だった。
槍12本をどうやって持とうか?
今まで通りでは全てを背中に背負う事は出来そうに無い。
銀色の月満月の夜で俺は食料を持っていなかった。
ベスが不安そうに再びたずねてくる。
「本当に街の外に行かないのですよね?」
「本当に裏庭で行軍訓練と槍の訓練だよ。さてこの荷物をどうしようか?」
「水袋はこの前私に預けた革袋が付いた革紐に縛り付けたらどうでしょうか?」
「ベス。ナイスアドバイス!」
「ないすあどばいす??」
「ああ。実に良い案だって事。それ採用するよ。」
そうだ。
ベルトポーチがあった。
冒険に使った事が無かったので、記憶から抜けていたが、あれほど役に立ちそうな物を俺は所持していない。
早速、自分の部屋へとベルトポーチを取りに席を立とうとする。
「食事中に席を立つのは行儀が悪いですよ?」
ベスに怒られた。
アンも首を縦に振ってプンプンしている。
「失礼。まずはゆっくり食べようか。次に一緒に食べるのは5日後だからな!」
少し寂し気な顔をした2人に悪いとは思ったが、その表情に俺は嬉しさを感じていた。
最後の食事を終えて、自室にベルトポーチを取りに行く。
ネモの文章化すら拒まれる狂乱はまだ続いていた。
俺の入室にすら気付かない。
奴は今、クライマックスを迎えようとしているのだろう。
気付かれても面倒なので、俺は静かに目的を果たした。
ベルトポーチの中身である、ばらになった100枚ほどの銭はシーリンさんに預かってもらい、ベスとアンが必要になった時に使ってもらうように頼んだ。
ついでにベスとアンの事もしばらく泊めてもらうようにお願いする。
土下座の覚悟もしていたのだが、彼女は意外とすんなり承諾してくれた。
俺は冒険の準備を粛々(しゅくしゅく)と進める。
ベルトポーチの中に小分けした食料を行動食として入れ、水袋を5つぶら下げて、小刀を後ろ腰に差す。
これだけで10キログラムは超えるだろう。
かなりの重さだ。
左腕の鎧もほぼ同じ重さがあるように感じる。
右肩を守る為にも投げ槍12本は左肩へとかつぐとかなり重量バランスが悪い。
肩に縄が食い込む事への対応もこの先に考えないといけないな。
槍も石突を地面へ突いて杖がわりにする為、普段は左手で持とう。
実際に体験してみないと分からない事が多いな。
今回は間に合わないが次回は改善しないとな。
左手で槍を杖替わりにするのは、荷物を支える事に加えてもう1つの利点がある。
いざ戦闘と言う時に構えるまでのスピードがわずかに早い……と思う。
最後に右手で食料が入った布袋を持つ事で、多少は左右の重量バランスも良くなった。
長期行動をする時に重量バランスが悪いのは余計な力が常に必要となるからな。
少しでも楽に移動する為にも重量バランスの事を後で考えないといけないな。
足元を確認して革のブーツを買う事も忘れないようにともう一度心に刻む。
銀色の月の満月の夜にボロボロになって軟膏を塗った足を思い出せ。
また蛭に噛まれまくりたいか?
草で切り傷だらけになりたいか?
俺はもう二度とごめんだね。
日没は近い。
忘れ物が無いかをもう一度チェックしよう。
俺は再度のチェックを済ませて、最後にベスとアンに「行ってくる」と挨拶をする。
今度は可愛らしく2人が手を振って見送ってくれる。
俺は食堂から意気揚々と裏庭へと出ていく……いや、出発する。
食堂の高い天井では問題無かったが、厨房へ入る時に槍を鴨居に引っ掛けた。
ベスとアンに笑われた事は言うまでもない……
ベスの笑い声も嬉しいが、わずかに聞こえるかすれたアンの笑い声が本当に嬉しかった。
日没間近、俺が裏庭に着くとドカチーニさんも準備万端だった。
いつも使う安楽椅子にひざ掛けの毛布。
俺だけ徹夜で行軍させる気が満々だ。
安楽椅子に座ったまま大きな声で指示を出す。
いきなりの大きな声に花に水をやっていたマリーが驚いてこちらを見ている。
「準備に不備は無いな?」
「イエス・サー!」
「これから日が昇るまでひたすら歩くぞ。覚悟は良いか?」
「イエス・サー!」
「お前が魔力補給を他人から受ける事。それを俺は許さない。自分の魔力を高めろ。それにはぎりぎりまで魔力を使い切る事を繰り返す事が一番だ。少しでも自分の魔力を高め続けろ。」
「イエス・サー!」
「よし。行軍始め!」
裏庭をひたすらぐるぐると回るだけの行軍が始まる。
正直言うと装備が重い。
変わらない景色が単調過ぎてつまらない。
全装備重量30キログラムは確実に超えている。
まさに苦行。
俺に魔力が無い事を言ってしまおうか?
そうすれば楽になれる……かもしれない。
だが、俺には何物にも代えがたい無言の応援がある。
ベスとアンがシーリンさんの部屋の窓から、俺の行軍の様子を見ているのだ。
お互い言葉は交わさないが、1周する毎に3人で視線を絡ませる。
ネモが来てから先、2人に無視をされていた時間を思えば天国だ。
こうなれば2人にみっともない姿を見せる訳にはいかない。
力の限りに歩くと心に決めた。
夜いつまでも寝ようとしないベスとアンに対して「シーリンさんの迷惑になるから木戸を閉めて寝なさい」と行軍を始めてから初めて2人に声を掛ける。
木戸を閉める為に顔を合わせたシーリンさんにも「2人を頼みます。おやすみなさい」と挨拶をすると「安心して下さい。おやすみなさい」と笑顔で返事が返ってくる。
俺は安心して行軍を再開した。
これから就寝なので彼女の髪を下ろした姿を拝めると期待したが、王女編みのままだった。
いつかは彼女の髪を下ろした姿も見たいものだ。
ベスとアンが寝てからもひたすら歩く。
朝まで歩く事を考えたら、これからの時間の方がはるかに長い。
小も大もしたくなったら裏庭にある桟橋の先端に行って直接海にする。
庭には揉むとトイレットペーパーの代わりになる草がいくらでも生えている。
葉を揉むとウェットティッシュのように湿り気を帯びる。
しかも湿り気に殺菌作用まであると言うのだから完璧だ。
俺が日本で使っていた安物のトイレットペーパーよりも高性能だ。
夜も深くなってくると眠気が襲ってくる。
ベルトポーチに入れた干し肉をかじりながら、眠気を覚ます。
ネモが洗濯場の溜池から桶で水を汲み何かを丁寧に洗っている。
俺は奴が何をしているのかを確認する気力も起きない。
意識が大分ぼんやりとしてきた。
眠い。
「眠りながら歩け。魔力を回復しながら歩く事と同義だ。訓練すれば出来るようになる。」
ドカチーニさんからは無理難題を押し付けられる。
右目だけつぶって歩いてみたり、左目だけつぶって歩いてみたりとした。
色々と試したが、何も考えず半眼で歩くのが一番楽だと気付いた。
何も考えない。
歩いている事すらも考えない。
ドカチーニさんが安楽椅子の上ですでに寝ている事も考えない。
そんな境地に達するように考えた。
そんな事を考えている時点で駄目な事に気付くのはもっと追い詰められてからだった。
朝一番の鳥の声が聞こえてくる。
ひたすら眠い。
もう歩いているのかいないのかすら良く分からなくなってきた。
まだ薄暗い中、裏庭にヒト影が現れる。
洗濯籠を持ったシーリンさんだ。
『洗濯をする時は俺達と同じ普通の貫頭衣なんだ。髪型は王女編みのままだ』と感じる。
頭がボーっとしている中、何周かしているうちに頭が急に覚醒する。
『いつもと比べれば圧倒的にシーリンさんの腋や首筋が甘い!』
少し歩く進路を変更して洗濯場の溜池に近づいたコースを取る。
今までは溜池への転落を恐れて、少し離れた所を歩いていた。
洗濯をするシーリンさんの貫頭衣の腋から、わずかな膨らみが見える。
シーリンさんの小麦色の肌は、日に焼けたのではなくどうやら地肌の色なのは確認できた。
だがその先!
大事な先端までは見えていない!!
漢ならば先端の色まで確認しなければなるまい!!!
こんなチャンスは二度と無いと思えユークリット!
次は少し角度を変えてもう一周だ!
『敵に気付かれるなユークリット。敵は優秀な索敵要員。わずかな動きで作戦を看破されるぞ!』と自分に言い聞かせて、急激な動きや進路変更は取らないように気を付けた。
次の周の洗濯場へのアプローチ。
今までとは、わずかにルートを変えている。
控えめなシーリンさんの膨らみならこのルートで絶対先端まで見えるはずだ。
貫頭衣の腋の隙間をズームアップ!
『見える!絶対見える!』と念じながら歩く。
興奮と共に、わずかばかり俺の鼻息が荒くなったのかも知れない。
突然目の前に現れたシーリンさんに、水を吸ったてぬぐいで顔と言うより目をはたかれた。
俺は『は?』と考える時間すら与えてもらえなかった。
「パシーン!!」と良い音が鳴り響く。
「目がぁぁぁ目がぁぁぁ!」
どこかの大佐と同じセリフを吐いて俺はのたうち回った。
濡れたてぬぐいは完全に鞭という名の武器だった。
身に着けた槍やら左腕の鎧やら硬い装備が更に俺を苦しめる。
地面をのたうち回る俺に、安楽椅子から降りたドカチーニさん。
彼が優しい顔をして優しい声で俺に語りかける。
彼の顔と声に俺は悪い予感しかしない。
「よし。とりあえず、食料と水を下して良いぞ。行軍は一時中断だ。」
その言葉に逆らえずに、俺はベルトポーチと食料が入った布袋を地面へと置いた。
ドカチーニさんの口角が人間と思えないほど上がる。
白目と黒目の位置間違ってませんか?
人間やめていませんか?
鬼の顔になっていますよ?
「次は水泳の時間だ!泳げるようにならんと海に落ちた時に死ぬだけだぞ?」
ドカチーニさんはそういうと俺を海へと投げ込んだ。
その力、本当に人間やめてますよね?
俺は空中に居る間になんとか返事を返した。
「イエス・サー!」
裏庭の海は深い。
なんせ小さいとはいえ帆船が寄港しているのだ。
足など当然付かない。
いつでも岸壁に備え付けられた裏庭から海へと降りる階段から登れるように、その場所へと移動を開始する。
金属製の左腕の鎧が重くて沈む。
背中から空に突き出した槍が重い。
服が体にへばりついて動きづらい。
溺れないように必死になった。
生きるために必死に考える。
そうだ!槍を寝かせよう。
少しは浮き替わりになるかも知れない。
結果として多少はましになった。
だが立ち泳ぎで上へ進む力を加えないと沈む。
一番重い左腕を槍の上に置いて何とかしのぐ。
必死に移動して俺は階段近くの岸壁まで戻った。
ドカチーニさんが鬼の形相で俺の必死の立ち泳ぎを見下ろしている。
シーリンさんが汚物を見る目で笑顔と言う恐ろしい顔で俺を見下ろしている。
だが俺はここがチャンスとばかりに懲りずにシーリンさんの股の下へズームアップ!
次の瞬間、物干し竿を器用に使う、シーリンさんに額を突かれて海の底へ沈められました。
岸壁に近づき過ぎたのが失敗だったようです。
どのように動いても物干し竿は私の額から離れません。
私は頭を海面の上に出させてもらう事が出来ません。
息継ぎをさせてもらえません。
それどころか、半端に上を向いた鼻から海水が次々と入ってきます!
お祖父ちゃん達、お祖母ちゃん達、最近良く会うね?
お互いで手を振りあいます。
体を動かす酸素が無くなり、1日の塩分摂取量をはるかに越える海水を鼻から飲み、体が海に沈み始めると、海の上へ出ている階段の最下段へと2人に海から引き上げてもらえました。
前回の洗濯場の溜池へ沈められた時と同じでシーリンさんは本当にギリギリを見極めて水へと俺を沈めます。
蘇生の為のマウストゥマウスなどさせてくれそうにありません。
鼻に入った水は真水も塩水も変わりなく痛い事を知りました。
こんなに大量の海水を飲むのも初体験です……しかも鼻から……
酸欠で海に半分浸かったまま伸びている俺にドカチーニさんが宣言します。
「よし。俺も鬼じゃないからな。太陽が昇るまでは休憩だ。」
いえ。先程の私に対する形相も所業も完全に鬼でしたよ?
半分以上はシーリンさんの所業でしたが。
「返事はどうした!?」
「イエス・サー!」
一番にやる事は腹に溜まった海水の塩分濃度を下げる事だ。
吐けるだけ海水を吐いた後に、出来るだけ多くの真水を摂取しよう。
勿論、食事も大事だ。
多少無理をしてでも食べないと体が持たない。
行軍中はベルトポーチからしか食事を取れない。
消費したベルトポーチへ行動食の補充も忘てはいけない。
昨夜は意外と水袋をベルトポーチから外したり付けたりするのは手間が掛かった。
次までに何らかの工夫が欲しいと思う。
ここで考えていても意味が無い。
とにかく陸(裏庭)へ上がろう。
何をするにしてもそれをしないと何も出来ない。
すでに東の空は大分明るくなり、星の光は見えにくくなっている。
間も無く朝日が昇る。
今やるべき事はやり終えた。
わずかな時間でも俺は寝る。
努力する必要も無く5秒と掛からずに寝落ちした。
「起きろ!魔力の回復は最低限で行く!歩きながら魔力を回復しろ!行軍の再開だ!!」
ドカチーニさんの声で目が覚める。
ここ最近の目覚ましの声としては最低で最悪だ。
この時の俺は本物の『地獄の行軍』がこれから始まる事を知らない『幸せ者』だった。
いつも私の拙い妄想を読んで下さりありがとうございます。
後書きでブックマークが増える度にお礼をする事をお許しください。
お礼をせずにいられない程、本当に嬉しいのです。
一人一人と更新を楽しみにしてくれる人が増えていると、一番実感出来るのがブックマークです。
勿論。
評価点やブックマークなど付けなくても、一日一回アクセスをして下さる読者様。
何日かに一回でも余暇に一気読みして下さる読者様。
名前とあらすじに釣られて試し読みして下さる方。
この作品にアクセスして下さる方が居るからこそ、毎日更新するエネルギーを頂けます。
色々と足りない未熟者ですが、今後も末永くお付き合いを頂ければ幸いです。
2018/10/12 何遊亭万年




