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【完結済】悪女にされた公爵令嬢、二度目の人生は“彼”が離してくれない  作者: ゆにみ
第一部

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20/109

17、気づいたらベッドの上でした

 ノエルのまぶたが、ゆっくりと持ち上がる。

 思わず息をのむ。



 ……もしかして、本当に記憶があるのかもしれない。

 そう考えると、彼と目を合わせるだけで胸がざわつく。



 どうしよう、何から話せば――


 ぐるぐると考えが渦巻いた、そのとき。



 すぅ、すぅ……。


 (え?)



 視線を下げると、ノエルは再び穏やかに眠っていた。

 ……もう。緊張を返してほしい。



 安堵と、肩すかしを食らったような残念さが胸に同時に広がる。



 (まあ……今は、休ませたほうがいいわね)



 とりあえず、彼をベッドに戻そうと腕を回す。

 ……重い。

 予想以上に重い。



 (なんでこういう時に限って、びくともしないのよ……!)



 ぐいっ……ずるっ……。

 必死に引きずり、なんとかベッドへ――最後は勢いで倒れ込ませる形になった。



 「……はぁ……っ、疲れた……」



 全身の力が抜け、腰も悲鳴を上げる。

 張り詰めていた糸がぷつんと切れ、意識もふっと遠のいていく。

 ああ、もう、このまま――




 ……おやすみ。




 ***




 まぶたの裏に、やわらかな光が差し込む。

 まどろみを押しのけ、ゆっくりと目を開けた。



 (……あれ?)



 ここ、私の部屋じゃない。

 ……というか、このベッド、やたら広いし……ふわふわ。



 昨夜の記憶をたぐる。

 ノエルをベッドに運んで、そのまま床で……寝落ちして……?




 (じゃあ、なんで私がベッドの中にいるの?)



 

 混乱していると、すぐ横から低くやさしい声が。



 「おはよう、セレナ」



 心臓が跳ねる。

 そっと顔を向けると、そこには――すぐ隣に座るノエル。

 私を覗き込むようにして、微笑んでいた。



 「……ノ、ノエル……?」




 ――どうやら今度は、私のほうが説明を求められる番らしい。

 ただ、その顔が近すぎて、説明どころじゃない。



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