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37結ばれる


 レオルカは優しくエルディを抱き上げた。

 ウエディングドレス姿のままベッドのそばに下ろされる。

 明かりはロウソクの炎ではっきり顔が見て取れた。

 そんな中で口づけを交わす。何度も上唇をなぞられ下唇を吸い上げられ最後にそっと触れるだけのキスを落とされた。

 「ドレス脱がせるよ」レオルカの声はかすれている。

 エルディはそっと頷くだけで精いっぱいだ。

 「かわいい」

 そんなつぶやきが聞こえて「ごめんなさい。嫌じゃないの。ただ…」

 「いいんだ。信じて欲しい。君を愛したい。エルディ君と一つになりたいんだ」

 「ああ、わたしも」

 「えるでぃ…あまり煽るな」

 レオルカの指が震えている。

 「エルディ、すごくきれいだ。俺はほんとに幸せ者だな。愛してる」

 「れお…るか」

 レオルカがばたばたとロウソクの灯りを落とした。

 完全には消えていないロウソクは仄暗い色でふたりの姿をあいまいに映し出した。

 「えるでぃ、おいで」

 抱かれてベッドに寝かされた。

 「愛してる。エルディ。俺の…」そんな甘い言葉をずっとささやかれる。

 自分でも信じられないほどそのまま彼にゆだねた。

 

 「ああ…エルディやっと俺達一つになれたね」

 「愛してる。レオルカ」

 「俺の方こそ愛してる。もう離さないから…ああ~エルディ俺のエルディ」

 レオルカが顔をほころばせた。

 「愛してるずっと一緒だ。ずっと死ぬまで」

 「ええ、命の尽きるまでよ。ふふっ…」

 この夜、ふたりの心と身体は深く繋がった。

 互いに溢れるほどのいや、恐ろしいほどの至福を味わった。

 エルディは心の底から幸せを感じた。

 

 

 翌朝ふたりは裸のまま抱き合っていた。

 目が覚めるとレオルカが先に起きて身支度をすると朝食を運んでくれた。

 エルディはベッドの中で朝食を食べ昼前に部屋から出た。

 昼食の席でアンリエッタと顔を合わせるのが恥ずかしかったが、それは彼女も同じだったらしくふたりで笑いあった。

 そうして参列者はその日のうちに帰って行った。

 レオルカとエルディも王都に戻るため支度をして翌日にはクワイエス領を出発した。

 アンリエッタ達も子爵領に出向いてみると屋敷を後にした。


 そして1週間が過ぎ、エルディ達は王都の新居ですっかり新婚を満喫していた。

 エルディは朝レオルカと一緒に騎士団に向かう。レオルカは小隊の部屋に向かいエルディは騎士団の事務員として仕事をこなす。

 レオルカがいるときは一緒に昼ご飯を食べ帰りも一緒に帰る幸せな日々が続いていた。


 そんな時、近衛兵のブルーノが辞めたと噂になる。どうやらクワイエス騎士隊に入るらしいと言う。

 レオルカは団長から詳しい状況を知らされた。 

 どうやらブルーノは、キャサリンを助けたいらしいのだと。

 レオルカは思った。あいつなかなかやるじゃないか!と。


 エルディのいる事務所に行ってその事を話すと大層喜んだ。

 「だって、キャサリンにも幸せになってもらいたいじゃない」

 「あんな事したのにか?」

 「キャサリンだけが悪いんじゃないでしょう?私達ばかり幸せになるなんて申し訳ないもの。彼女とブルーノがうまく行くといいのに」

 「ああ、そうだな。エルディって性格まで可愛いよな。まっ、そんなとこ大好きだけど」

 「レオルカったら、ここは職場よ」

 「俺達は夫婦だ。遠慮はいらんだろ」

 そう言ってレオルカは愛妻に抱きついてキスをした。











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