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15.色々終了











「襲撃だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」



フラグたてちゃったみたいで、なんかすいません。心の中でとりあえず謝っておく。


さて、襲撃者は全身黒ずくめの変な奴らで、数は10人以上いる。しかし、護衛についていた人達は特に苦戦することなく戦っている。



「本当に襲撃みたいですけど、護衛の人達がいるから安心ですね」


「……あぁ、そうだな」



ホッと安心したように息を吐くユノ。


俺は返事をしつつも、状況を観察していく。護衛の人達は苦戦はしていないが、襲撃者を倒すことも出来ていない。襲撃者達は、二人以上で行動し、ヒットアンドアウェイで戦っており、決して危険をおかそうとはしない。その上、護衛の人達が反撃しようとすると、王族を攻撃して牽制している。



「あぁ! だ、大丈夫でしょうか?」



さっきは安心したユノも、今の状況にはハラハラしている。それにしても、何かおかしい気がする。もしかしたら、陽動か何かか? その可能性も考えたほうが良さそうだな。


俺なら誰にも気付かれずになんとかできるだろうが、今はユノがいるしなぁ………って、このままここにいたら流れ弾飛んで来る可能性あるな。先ずは、ユノの安全を確保しよう。



「ユノ、ここから離れるぞ」


「え? キャッ」



ユノを再びお姫様抱っこして、屋根の上を走って跳んで安全な場所を探す。安全な場所………あ、ギルドでいいんじゃないか? というか、ギルドが一番安全だな。


ギルド目指して跳んで行く。そして、ギルドを見つけた。ギルドの前では、職員や冒険者が慌ただしくしており、何故か昨日ユノに絡んでいた男達が、ライン達にこき使われている。なんでだ。



「それじゃ、行くぞ」


「え? もしかしてこのま━━━」



ギルド前に向かって飛び降りる。耳元で悲鳴が上がって耳が痛い。地面に着地するときに、地面の情報を硬いから柔らかいにし、膝を曲げて衝撃をゼロにした。


周りの人が驚いているが、まぁ別にいいだろう。



「し、心臓が止まるかと思いました」


「それは……すまない」



俺の首に抱きついたユノが、頬を紅潮させている。悪いことをしたな、壁を蹴ってゆっくり降りれば良かった。もうね、まどろっこしかったんだよ。


ユノを降ろすと、ギルドの制服を着た少女が駆け寄ってきた。赤い癖のある毛をした美少女だ。



「ユノ!」


「クレアちゃん!」



どうやら、ユノの知り合いだったようだ。そして、何故か睨まれている。



「で、あんた誰よ」


「く、クレアちゃん、この人は悪い人じゃなくて………」



なんか勘違いされてるみたいだな。まぁ、これでユノの方は大丈夫だろう。



「ユノ、解決するまでギルドにいるんだ」


「レツさんは?」


「ちょっと行ってくる」



俺はユノに笑いかけると、そのまま走り出す。後ろから制止の声が上がるが、気にせず走る。後で叱られるから、今はこのまま進ませてほしい。


路地裏に入ると、午前と同じように気配と姿を消して行動することにする。さて、敵の目的を確かめるために、襲撃中の場所にやって来た。



「そんじゃ、目的見せてもらいますね」



俺の前では、秘密作戦なんて意味をなさない。それどころか、個人情報やらも10秒もかからず分かる。あ、勿論個人情報は見ませんよ? 多分


そんなこんなで敵の作戦が分かったので、城に向かっている現在です。予想していた通りというか、パレード中の襲撃は陽動だったらしく、敵の狙いは城にいる第二王女らしい。



「着いたけども、第二王女は何処にいるかな?」



マップも利用して探す。


はい、ものの3秒で見つかりました。という訳で、裏庭にやって来た。そこでは、黒ずくめの男と白い服を着た女の子、そして剣を持った息も絶え絶えの少年がいた。


どうやら、ギリギリ間に合ったみたいだな。黒ずくめが少年に止めをさしそうなので、さっと行ってさっと終わらせようと思います。



「せめて一瞬で終わらせてやろう」



お前が終われ


後ろに回り込み、先ずは両腕の関節を外して、攻撃出来ないようにさせる。続いて、足の関節を外して立てなくさせる。仕上げに絞め落としましょう。



「ぐ、あ? 何が、ッ!?」



大抵絞め落とすのには数秒必要だが、爺さんから習った方法を使えば一瞬だ。向こうでは二、三回しかやったことがない。なんせ、加減を間違ったら殺してしまうらしいから。本当、爺さん何教えてんだよ。まぁ、使っちゃう俺も俺であれだけどね。


【柔術】のギフトの補正もあって、なんなく気絶させることが出来た。


ポカンとする二人を置いて、城から脱出する。



「そういや、襲撃のほうはどうなったかな?」



見に行ってみると、まだ襲撃中だった。やはり、王族を守りながらとなると、戦いにくいのかな? よし、協力してやるか。


ええっと、確か【無魔法】にいいのがあったハズ。



「“気絶弾の雨スタンショット・レイン”」



魔力の弾丸を雨あられのように放つ魔法を使う。黒ずくめにのみ当たるように放つと、高速で飛んでいく魔力弾が幾つも黒ずくめに当たった。バタバタと倒れる黒ずくめを確認し、俺はギルド近くの路地裏に入って誰もいないことを確認。能力をといて通りに出る。


相変わらずギルドの前は忙しそうだが、襲撃者は全員倒したしそのうち収まるだろう。



「ユノは━━━いた」



ギルドの前で不安そうな顔をしながら、クレアという名前の少女と一緒にいる。


ユノは此方を見つけたようで、駆け寄ってきた。



「レツさん! 大丈夫ですか!? 怪我はありませんか?」


「あぁ、大丈夫だ」



不安げな表情で見上げてくるユノに、そう言って笑いかけると安堵したようにホッと息を吐いた。


ユノに遅れてやって来たクレアが、話しかけてきた。



「レツだっけ? アタシはクレア。さっきは睨んじゃって、ごめんね」


「いや、気にしてないからいいよ」


「そう? 良かった。あ、後、ユノを助けてくれたんだって? ありがと」



無邪気に笑うクレア。見た目通り、明るくてサバサバした性格みたいだな。


暫くギルドの前で三人で話していると、襲撃者が全員捕縛されたという情報が入り、やっと緊張がとけ笑顔が戻り始めた。


今日は色々あったので、ユノとはここで別れることにした。



「まだ案内したい所があったんですけど……」


「じゃあ、また今度時間がある時に頼むよ」


「は、はい!」



ユノと約束をして、その日は別れた。とりあえず、今日は休んで明日に備えよう。一度森に帰らなきゃだしな。





















「それにしても以外」


「何が?」


「ユノはもっと優しそうな人が好みだと思ってた、レツって優しいみたいだけど見た目悪人じゃん?」


「あ、悪人は言い過ぎじゃないかな?」


「ま、脈なしって訳じゃないみたいだし、ガンガンアタックしなさいよ」


「う、うん。頑張ってみる」





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