第30話 ”桔梗乙女”新居
その日のうちに、最低限の修復を終わらせ、とりあえず”桔梗乙女”の居場所が出来た。
生命維持装置の修復、食料プラント復元、通信、他諸々のシステム全回復。
リーダーと精鋭部隊のあまりの手早さに、”晴天の稲妻”の男達は、驚嘆する。
必要資材も、思ったより随分少なかった。
いかに効率的に使ったか、計り知れない。
「有能過ぎんだろ……」
おやっさんは、乾いた笑いを浮かべた。
近場のよしみで、残りは”晴天の稲妻”が手掛ける事になった。
「すっかり世話になった。色々ありがとう。お礼がしたいけど……」
コーラル達には、今は何もない。
リーダーは、メモを差し出した。
「この資材と、鉱石が手に入ったら引き渡せ。貸しは、こいつで埋めて貰う」
コーラルが目を通すと、なかなか手に入らない、希少な名称ばかりが羅列してあった。
「……判った。必ず連絡するよ」
「心配しなくても、対価は払う」
「そんなの良いよ」
コーラルは笑顔で答えた。
「おっさん、あんたにも頼んでおく」
リーダーは、”晴天の稲妻”のおやっさんにも、メモを渡した。
「……なんに使うんだ? こんなに……」
「頼んだぜ」
おやっさんの質問には答えず、”人殺し集団”は、撤退して行った。
「良い奴なんだか、極悪人だか、よく判んない奴だな……」
コーラルとおやっさんは、並んで苦笑した。
今日はめっちゃ文字数少ないです……すみません。
次回はやたら多いので、ご容赦を。




