冗談を言ってる様には見えないけど……
「美葉、そろそろ、夜ご飯、作ってくるわね」
「ぁ」
そう言って、お姉ちゃんは私を抱きしめるのをやめて、私から離れていった。
私はいきなり、お姉ちゃんの肌の温かさが離れていったことで、気がついたら、消え入るような声を上げてしまっていた。
私はお姉ちゃんに聞こえてませんように、と祈りながら、お姉ちゃんの顔を見ると、お姉ちゃんは嬉しそうに、微笑んでいたから、私は聞こえていたんだと思って、一気に恥ずかしくなってきた。
「ふふっ、また、後でね?」
「し、しないから」
咄嗟にそう言ったけど、どうせ、一緒に寝る時に、また抱きしめられるのは分かってたから、私はそんなに強くは否定しなかった。
すると、どう思ったのか、お姉ちゃんはそのまま、私の部屋を出ていった。
私は、お姉ちゃんが出ていった後、なんとなく、枕を手に取って、太ももに挟むようにして、枕を抱きしめながら、お姉ちゃんが夜ご飯を作ってくれるのを待った。
「美葉、ご飯出来たわよー」
そして、しばらく時間が経ったところで、お姉ちゃんのそんな声が聞こえてきた。
「分かったー」
そう返しながら、私はリビングに向かった。
「いただきます」
そして、テーブルの前にお姉ちゃんと一緒に座って、私はそう言った。
「美葉、ケーキもあるから、食べすぎないようにね」
「うん。分かってるよ」
お姉ちゃんにそう忠告された私は、素直に頷いた。
そもそも、お姉ちゃんに言われる前から、私は楽しみにしてたし、食べすぎて、ケーキが食べられなくなるなんて、ありえないから。……せっかくお姉ちゃんが私のために買ってきてくれたケーキを無駄になんて、したくないし。
「美味しいよ。お姉ちゃん」
そう思いながら、お姉ちゃんが作ってくれた料理を食べた私は、お姉ちゃんにそう言った。
「ふふっ、良かったわ」
すると、いつも通り、お姉ちゃんは嬉しそうに、そう言ってくれた。
「いつも、ありがとね。お姉ちゃん」
「ふふっ、いつか体で返してもらうから、大丈夫よ」
「な、何言ってるの」
「ふふっ、冗談よ」
冗談と言うお姉ちゃんの感じは、全然冗談を言ってる様には見えなかったけど、私は気が付かないフリをして、お姉ちゃんが作ってくれた料理を食べ進めた。




