人肌が好きになっちゃってるんだ
「美葉、お風呂入ってくるわね」
お姉ちゃんに頭を撫でられていると、突然、お姉ちゃんはそう言って、頭を撫でるのをやめてきた。
「……うん。分かった」
別に止める理由もないから、そうやって私が頷くと、お姉ちゃんは私を抱きしめるのをやめて、お風呂場に向かっていった。
「部屋、戻ってようかな」
お姉ちゃんがお風呂場に向かっていくのを見た私は、そう呟いて、ソファから立ち上がった。
そして、そのままリビングを出ると、シャワーの音が聞こえてきた。
……別に、お姉ちゃんの裸とか、お風呂で何回も見たことあるし、何も、変なことを考える必要なんてないんだけど、何故か、お姉ちゃんのそういう姿が頭の中に思い浮かんでしまった。
私は直ぐに頭を横に振って、自分の部屋に向かった。
そして、部屋で適当に過ごしていると、お風呂場の方からドライヤーの音が聞こえてきた。
ん……お姉ちゃん、もうお風呂上がったんだ。
リビング、戻ろうかな。……いや、まだいいや。どうせ、リビングに戻ったって、お姉ちゃんは夜ご飯を作り出すから、近くにいられないし。
……あれ、なんで私、近くにいられないって残念がってるの? ……あれだ。あれ、あれ……だよ。お姉ちゃんがいつもくっついてくるから、人肌が好きになっちゃってるんだ。うん。そうだよ。
「あ、お、お姉ちゃん、ど、どうし――」
そう考えてると、お姉ちゃんが私の部屋の扉をノックしてきて、急に部屋に入ってきたと思ったら、私のことをギュッ、としてきた。
「い、いきなり、な、なに」
「今日は美葉とお風呂に入れなかったから、寂しかったのよ」
そう言いながら、お姉ちゃんは私のことを話さないとばかりに、ギュッと抱きしめてくる。
……寂しいって、この前だって、一人で入ったこと、あったじゃん。……あの時は、こんなこと、してこなかったくせに。
それに――
「……どうせ、明日は一緒に入るでしょ」
「ふふっ、そうね」
そう思って、そう言うと、お姉ちゃんは頷いてくれたのに、離してくれる気配がなかった。
もう、なんなの。……でも、まぁ、ちょっとくらいなら、いいや。……お風呂に入ってきた影響で、お姉ちゃんの体が程よく温かくて、気持ちいいから。私はそう思って、抵抗するのをやめた。




