風邪を引いちゃうし、仕方ないよね
「……美葉、またね」
「うん。またね」
学校が終わって、帰り道、そう言いながら手を振って、私は夏希と別れた。朝からずっと、いつも以上に眠そうだったし、遊びにも誘わずに。誘ってても、どうせ断られたと思うから。
そして、夏希と別れたところで、私はポケット入れていたチョコを取り出して、口の中に運んだ。
学校で食べて、もし先生に見つかったら、怒られちゃうし、今ならちょうどいいと思って。
甘い。美味しい。
ただ、そんなチョコはすぐに口の中で消えていった。
私はチョコの後味を楽しむように、歩いていると、雨が降ってきた。
……最悪。……天気予報、雨降るって言ってなかったのに。
そう思いながら、私は歩く速度を上げて、濡れた状態のまま、家に着いた。
「ただいまー」
返事が返ってこないが分かりながら、私はそう言って、靴を脱いで、あんまり、床を濡らさないようにしながら、お風呂場に向かった。
……お風呂に入らないと、風邪を引いちゃうし、今日くらいは、一人で入ってもいいよね。
そう自分に言い聞かせて、私は濡れた服を脱いでいった。
そして、全部脱ぎ終わったところで、足を軽く拭いて、さっき歩いてきた所をタオルで拭きに向かった。
ちょっと寒いけど、濡れたままじゃまずいと思うから。
そして、拭き終わったから、私は今度こそ、お風呂場に入って、シャワーでお湯を出した。
「んっ……」
冷えた体に、お湯をかけるのが熱いけど、気持ちよくて、そんな声が漏れ出てしまった。
まぁ、お姉ちゃんもいないから、全然恥ずかしくないんだけど。
暖かい。
お湯の温度に慣れてきて、私はそう思った。
そしてそのまま、シャンプーで髪を洗ってから、ボディソープで体も洗った私は、お風呂場を出た。
自分で頭拭くの、久しぶりだなぁ。
そして、そう思いながら、私はタオルを取って、頭と体を拭いた。
ドライヤー……はいいかな。……やっておいた方がいいんだろうけど、疲れちゃって、めんどくさいや。……多分、いつもお姉ちゃんにやってもらってるから、こんなこと思うんだろうな。……いつか、ちゃんと自立しないと。
お姉ちゃんだって、いつか私を諦めてくれるだろうし、私も、誰かと、結婚とか、すると思うし。
……今は特に誰も、好きな人とか居ないけど。
そんなことを考えながら、体を拭き終えた私は、服を着て、ソファに座った。




