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【アニメ3期決定】転生貴族、鑑定スキルで成り上がる~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~  作者: 未来人A


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142/310

第142話 理由

もう少しで書籍版の発売日です。

早いところでは明日から書店に並ぶようなので、

見かけたらぜひ買ってみてください。

 私は、ブラッハムに仕官しない理由を尋ねた。


「何であなたはクラン様の仕官を断り、閉じ込められることを選んだんだ?」

「あ? 嫌だったからだ」

「なぜ?」

「嫌なものは嫌だからだ。あんなおっさんに仕えるのはごめんだ」


 年齢の問題で仕えられないのか? 

 中年の男に嫌悪感があるのだろうか。


「年取ったおっさんは頭の硬い奴が多い。ステファンのおっさんもそうだ。俺みてーな強いやつを冷遇してきやがったからな」


 強いのは確かだが、現時点のブラッハムは使い物になるか怪しいくらい知略が低い。妥当な判断だと思うが。


 要は仮にクランに仕えても、冷遇されるだろうと思っているから拒否しているわけか。


 確かにクランでも今のブラッハムを重用することはないだろう。


 しかし、この男はきちんと育成すれば、名将になれる可能性を秘めている。野心が高いので、扱い難そうではあるが……。


 一応説得をしてみよう。


「クラン様は実力のあるものを冷遇するようなお方じゃないぞ。仕えてみないか?」

「信じられん。そもそも俺は人に仕えるような器じゃないかもしれん。いずれ仲間を集めて、どっかの城を落として独立してやる」


 無謀としか言いようがない野望を語り出した。


「そんなこと出来ないだろう。そもそも仕えないとお前は殺されるぞ」

「こんな牢はすぐ抜け出すから、殺される心配などない」


 絶対に自分は死なないという自信が、ブラッハムの目には宿っていた。根拠があるのか分からないが、心の底から自分のことを信じているようだった。


「というかお前は誰だ。何でチビがこんな牢獄にいる」

「私はアルス・ローベントだ。まだ名前は知れていない小さな領地の領主である」

「ふーん。その年で領主なのか。お前がここにいるのはクランから説得を頼まれたからか? この俺を説得しろと」

「いや、才能あるものを見抜いてこいと命令されたからだ。私の特技なんだ」

「それで俺を見抜いたのか? その力、本物のようだな」


 さっきまで不機嫌な表情が一変し、嬉しそうな表情になる。単純なやつだ。


「実を言うと仕えられない理由はもう一つある」


 上機嫌になって口が軽くなったのか、自ら語り出した。


「俺がここに閉じ込められる原因となったあの一騎討ち。やつが卑怯な手を使ったせいで捕らえられた……負けて屈服させられたなら、俺も黙って従うが、あんな卑怯な方法でやられて、従う気にはなれん」


 卑怯な手で捕らえられた?

 まあ確かにこれだけの実力を持っているから、一騎討ちならそうそう負けないだろ。頭は弱いようだし、計略に引っかかる可能性は高そうである。


「あのマルカ人……許さん……」


 マルカ人? ってリーツの事か?

 ほかにマルカ人の兵は見覚えがないし、それ以外考えられないな。


 卑怯な方法をリーツが使ったのだろうか? ……ないとは言い切れないな。急いでいただろうし、まともに戦うより早いと考えれば、計略くらい使うだろう。


「あいつ……俺が奥義を使った後……槍が地面に刺さった隙に、俺の首に武器を突きつけやがった。普通待つだろ……あれだけの実力を持っているのになぜあんな卑怯な真似を……」


 ……卑怯というか自業自得だった。

 そんなに露骨に隙を作れば、やられるだろ。


 とにかくブラッハムは、負けたと思っていないのに、牢に入れられているのが、納得がいってないようだな。


 ならばもう一度リーツと戦わせて、リーツが勝ったら仕えるよう条件をつければいいのだろうか。


 お互い怪我をしないよう木剣でやればいいし、悪くないかもしれない。


 私は、リーツと再戦しないかブラッハムに持ちかけてみた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 能力あろうとこんな性格のヤツは斬るわ。呂蒙フラグなんだろうけど酷すぎる。
[一言] 言い訳内容からして有能だとは思えないなぁ…… 戦争での一騎討ちであって、交互に殴りあう我慢比べてのケンカじゃないのだしね。
[気になる点]  この主人公、他の部分は冷静で馬鹿ではないと思うんですが、相変わらず自分の目的とか特技とかはペラペラと馬鹿正直に話しますね!
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