ep.113 『第1の封印』
天気は晴れ。それも雲1つないピーカンだ。
昨日はこの山の策略に物の見事にハマってしまった。もしかしたらこの山は知性を持ち合わせているのかも知れないな。でなければ、あそこまでスムーズに俺が流されるわけない。そうだ、そうに違いない。
おのれアザレ霊山め。だがしかし、今日は昨日の俺とはひと味違う。今日の俺にはみんながいるからな。
「というわけで、昨日の調査の結果、この先に第一の封印があるっぽいんだ」
「うふふ、アウル様にしてはふわっとした情報ですね」
「イナギが言っていますが、この先に何かを感じるそうです。ですので、なにかしらはあるのは間違いないみたいです」
「ふむ、アウルが呼ぶから来てみれば、アザレ霊山ではないか」
今日の俺の心強い味方は、ルナとヨミはもちろん、赤龍帝であるグラさんに来てもらった。ミレイちゃんはまだレベルが足りないために、村に残ってもらっている。ミレイちゃんも来たがっていたから、近いうちに迷宮にレベリングしに行くとしよう。もしかしたら良い感じの宝物とかあるかもだしね。
グラさんがいるからかなり心強い。ご飯をエサにお願いしてみたけど、思ったよりも簡単に釣れた。というか他にも理由はありそうだが。レティアは今身ごもっているため、来ることができない。今頃王都でティアラと一緒にムーランに魔法を教えている。そのせいでグラさんは相手にされていないのだと推測している。
ムーランはそろそろ化け物級の魔法使いになっていそうだな……。
アルフも呼ぼうと思っていたんだけど、今はエルフの里に行っている。エゼルミアさんが一向に来ないから様子を見に行ったのだ。もし何かがあって来れなくなっている可能性もあるからね。
「今日は検証も兼ねて頂上まで行ってみようと思うけど、危険な魔物も多そうだからみんな気をつけてね!」
「「かしこまりました」」
「まぁ、何かあったら我に任せておけ」
グラさんという点以外は頼もしい限りだ。
昨日みつけた獣道を注意しながら慎重に進む。先に進むにつれて傾斜が厳しくなっており、歩きにくくはなってきたけど、身体強化が使える俺たちにはそこまで苦ではない。
山道を進んでいくと、成人男性くらいの猿型の魔物が出てきた。確か名前はドレッドモンキー。髪型がドレッドヘアーなのが特徴で、群れでの狩りを得意とするCランクの魔物だったはず。最大の特徴は、群れには必ず統率するボスがいるのだ。
名を、ドレッドコング。その図体は3mにも及び、個体だけでも強さはAランクなのに、群れを考慮した場合はSランクにも及ぶという。ここはまだ山の3~4合目だというのに、凶悪な魔物がデフォルトで出てくるあたり、さすがというべきか。
木の棍棒や錆びた鉄剣を装備しているのが厄介だな……。しかし、俺が動く前にルナとヨミが動いた。ガルさんに作ってもらった武器を手に暴れている。魔法を使えばもっと早く終わるのだが、このあと主と闘うことを考えると魔力は温存しておきたい。となると、必然的に近接戦闘になる。
「久しぶりにルナとヨミの戦闘を見たけど、かなり洗練されてるな」
「見事よな。あの猿どもも決して弱い魔物ではないのに、2人で30近い猿を相手に立ち回っているのだから」
ヨミは流水のように流麗に魔物を屠り、ルナは迸る雷のような怒濤の攻めを見せている。ヨミは双剣の特性を活かした戦い方をしているし、ルナも重量級の大剣を軽々と扱っている。2人はいつの間にかこんなにも強くなっていたんだな。俺も鍛錬は欠かさずにしていたけど、本気の2人と闘ったら負けるかもな。
「ご主人様!ボスがそっちへ行きました!」
部下を討伐され、怒り狂ったドレッドコングが俺に向かってきた。この中で一番弱いと思われたのだろうか。それはそれで腹が立つな。俺だって、この2年間遊んでいたわけではないんだから。
「拡音爆発」
相手めがけて手と手を大きく合わせ、発生した音を無属性の魔力で増幅させた技だ。
ガァァァァァァァ!
耳から血を噴き出してふらつくドレッドコング。増幅した音で三半規管を強制的に揺さぶり、鼓膜を吹き飛ばす技だ。ダメージとしては大きくなくても、一時的に行動阻害をすることは可能だ。獣型の魔物だと効きにくいが、人型の魔物だとそれなりに有効な技となる上に、使用する魔力も少なくて済むので、最近のお気に入りの技である。音に指向性をもたせるのには苦労したが、魔力制御がある程度できれば誰にでもできる技だ。
剛毛なドレッドコングは、並の刃ははじき返す上に魔法への耐性も高い。アザレ霊山で生き残るだけはあるということか。
ふらついているドレッドコングに狙いを定め、2年間育て上げた自慢の黒武器である杖を構える。
《杖術 槍の型 瞬華》
素早く懐に入り込み、心臓めがけて強烈な突きを繰り出す。踏み込みのスピードを突きに乗せることで、破壊力を生むのだ。
多少の抵抗感はあったものの、無事に貫くことができた。魔纏も無しにここまでできるようになったのは、毎日の鍛錬の賜だ。それに杖のレベルも上がったお陰でもある。
「ご主人様さすがです!」
「……2人とも、わざと俺の方に来るように仕向けたでしょ」
「うふふ、バレてしまいましたか?」
まったくもう。舌をペロッと出しておどけてみせるのは可愛いけど、それとこれとは別だ。可愛いけど。
とりあえずドレッドコングたちを収納し、頂上へと歩を進める。アースリザードが何回も襲ってくるが、流れ作業で仕留めていく。
そして9合目あたりまで上ったとき、明らかに人の手が入っているであろう洞窟を見つけた。
「なんとなくだけど、ここの奥にいると思うのは俺だけかな?」
「いえ、私もそう思います。……イナギもここの奥から何かを感じているそうです」
やっぱりか……。じゃあ、俺の仮説は間違っていないということでもある。
「アウル、気をつけろ。この奥になにかいるぞ。手伝ってやりたいところだが、我はこの奥の空間には入れそうにない」
「え、なんで?」
「結界だ。それもかなり強力なものだ。無理矢理突破することも可能だが、その場合になにが起こるか想像がつかん」
結界?それって俺たちも入れないのかな?
「それってグラさんだけが入れないってこと?」
「そういうことだ。ここには龍種除けの結界が張られているようなのだ。しかし……。こんな結界を張れる者など限られているのだが――」
無理矢理付いてきてもらっても、なにかあってからでは遅いからな。仕方ない。
「――それに、どうやらここを守る必要がありそうだ。この役目は我が担おう」
洞窟の入り口とは逆、今上ってきた道のほうを見ると、そこにはおぞましいほどのアースリザードがいるのだ。他にもジャイアントワーム、アーマーグリズリーなど、凶悪な魔物も散見される。こいつらが洞窟内に入ってこないようにしなければならないということか。
「悪いけど頼むよグラさん。できれば素材も回収したいから、綺麗に倒してくれると助かるな」
「ふん、我を誰だと思っている。今となっては二児の父だ。そんなこと造作もないわ」
いや、関係ないと思うけど。とは言わないでおこう。せっかくやる気を出してくれているみたいだしね。それに、レティアと上手くいって第二子を身籠もっているとなると、今が一番楽しい時期だろう。まぁ、当のレティアはあまり相手にしていないみたいだけど。
きっと素直になれないだけなんだろうな。本当に不器用な夫婦だ。
「じゃあ、ルナとイナギは中に入ったら封印を目指して。俺とヨミで主をなんとかする」
「かしこまりました」
「ふふ。アウル様との共同作業ですね。腕が鳴ります!」
ルナが羨ましそうに頬を膨らませているが、こればっかりはしょうがない。なにかの形で埋め合わせをしてあげなければ。
「光源×3」
洞窟内は真っ暗だったので、ライトを出しながら進む。道はそれなりに広く、長い間誰も入っていないせいかかなり埃っぽい。空間把握でもわかるように道は一本道。
300mくらい進むとそこにはかなり広い空間が広がっているみたいだ。おそらくそこに封印と主がいるということだろう。
「2人とも、この先にかなり広い空間がある。きっとそこに封印と主がいるだろう。準備はいい?」
「もちろんです。すぐに欠片を抽出して、加勢致します」
「あら、私とアウル様で倒すからルナとイナギはゆっくり作業してもいいわよ?」
「……ヨミにしては面白い冗談ですね」
「ふふ、冗談に聞こえたかしら?」
ええ? なんでこのタイミングでにこやかに言い争ってんの? ちょっと見ていたい気もするけど、さすがに今はやめてくれよ。まぁ、仲が良い故の冗談なんだろうけど。
「ほら、お遊びはそこまでだよ」
「わかりました。――決着はあとでね」
「うふふ、望むところよ」
全く分かって無さそうだが。
2人を連れて奥へと進むと、かなり馬鹿でかい扉があった。そこにはよく分からない文字で文章が刻まれていた。ひとまずそれを一通りメモして扉を開けた。
中に入るとさっきまでの洞窟とは打って変わって、かなり明るい。昼下がりくらいの明るさは余裕であるほどだ。ドーム状の空間の中央にはフルサイズのグラさんよりも大きい何かが横たわっている。
その奥には何か祠のようなものが見えているのだが、如何せん遠くてそれ以上のことがわからない。
空間に入った瞬間から目の前の何かがこちらを見ていた。その大きい目には意志が感じられず、機械的な何かを感じざるを得なかった。
『……ここはお主らの来るところではない。早々に立ち去れ』
「ここの奥にある封印に用があるんだ」
『! そうか、全てを知った上での行動ならば何も言うまい。我はそなたらを殲滅するのみだ』
のそのそと動き出したそれは、大きな目に大きな牙、ごつごつした前足に爪、翼は無いがそれを補ってあまりある迫力と巨大な尻尾。間違いない、こいつがアースリザードの親玉だ。ただ、今までに見たことのない魔物だ。特性などは全く分からないが、アースリザードの親玉って考えるなら、単純にパワーアップしたと考えるべきか。
「ルナ、俺とヨミがあいつの気を引くからその間に封印のところへ行け」
「かしこまりました」
「いくぞ!!」
「「はい!」」
ルナが封印目がけて走り出した。
『む……封印へは近寄らせぬ』
「お前の相手は私たちよ、トカゲ野郎。――出でよ水槍、貫け!」
ヨミの背後から何本もの水槍が発生し、一斉に発射された。昔のヨミの水槍とは比べるべくもないほど精緻な見た目をしている。本物の槍と見紛うほどの緻密さだ。
硬い外皮を狙ってもダメージは見込めないことはヨミも理解しているのか、水槍が向かっていた先は親玉の目だ。
『ぬうぅ……! 先にお前らを片付けてやる!』
目にクリーンヒットするも、気を逸らす程度のダメージしか与えられていない。しかし、逆に言えば無視できない程度の脅威と認識されたと言うことでもある。
俺も負けてはいられないな。
「氷欠泉!」
アースリザードと同様に腹側からの攻撃を仕掛けた。これで勝てれば良いのだが……
『ふむ、封印の地に来るだけのことはあるようだが、その程度だ』
腹側へヒットしたしのは間違いない。ないのだが……
「全く効いてないな」
「参りましたね。まさかこれほどとは思いませんでした」
主が大きく口を開けてこちらに向けている。それと同時に大きな魔力が主の体から発せられたのだ。
「! ヨミ、こっちにこい!ブレスが来る!」
障壁展開×20!
『去ね、人の子よ』
全長20m近い巨体の口から、激しい土石流が放たれたのだ。その勢いは本物の土石流を越えるほどの迫力がある。前世では動画でしか見たことが無いが、比べるべくもない。
展開した障壁は真正面から受け止めるのでは無く、流線型に配置することで極力受け流す形にした。何枚もの障壁が破られていくが、すんでのところで凌ぐことができた。
だが――
「退路が断たれたか……」
――背後に視線を向けると、進んできた洞窟が土石流によって塞がれてしまったのだ。これで撤退という選択肢が無くなったわけだ。主は攻撃という意味の他に、退路を塞ぐという意味も持たせてきた。たまたまの産物なのかもしれないが、知能が高いと仮定するのが最善だろう。
奥にいるルナに視線を向けると、祠に向かって祈っているように見える。抽出にはまだまだ時間がかかりそうだ。
『あれを凌ぐか……』
「ヨミ、アレをやるよ」
「ふふ、2人の共同作業ですね。いきます!――双水竜招来!」
「氷の棺!」
俺が凍らせたのは主ではなく、ヨミの水竜だ。双氷竜へと姿を変えたあの技は俺とヨミの合成技で、2つの魔法の魔力を有しているため、威力は強化されている。だが、この技の凄いところはそれだけじゃない。
主は飛んでくる双氷竜を大きな右前足でたたき落とすが、ぶつかったところからどんどん凍り始め、今では右前足が見えないほどに凍り付いた。
『……ぬぅ、奇妙な技を!』
主は凍った氷を剥がそうと、左前足で氷を削ろうとしている。
「敵から目を離すとか、余裕見せすぎだよ」
主の腹に近づき、そっと両手をあてる。
「アルフレッド直伝――浸透双掌!」
アルフに教えてもらった技で、相手の体内に直接魔力による衝撃を送り込む体内破壊技だ。しかも、送り込む魔力によって弱点属性への対応も可能なのだ。今は右手に火属性・左手に雷属性を練り込んでおり、
どちらも相手の内臓破壊に長けた属性である。
『ぐあぁぁぁぁぁぁ!』
効果ありだ!
「うおっ!」
尻尾によるなぎ払い。すんでのところで躱せたが、大きく避けないといけないために次への攻撃に移りにくい。体格差のある相手というのは本当に厄介だと痛感させられるな。
「アウル様!おのれトカゲ、調子に乗るな!――水刃乱舞!」
幾重もの水刃が主を襲う。そのどれもが先ほど凍らせた右手をとは逆の左手を狙っていた。
「そういうことか――氷の棺!」
主の左手を凍らせる。水刃のおかげで濡れていたために容易に凍らせることができた。
ヨミとの視線が交差する。
『嘗めるなよ、人間ごときが!』
「きゃあ!」
「ヨミ!」
なぎ払いを避け損なったヨミが、自動展開された障壁ごと弾き飛ばされて壁に打ち付けられてしまった。外傷は無さそうだが、衝撃を緩和しきれたとは思いにくい。
あまり洞窟内では使いたくなかったけど、仕方ないな。それに、もう大丈夫そうだしな。
ルーティーンのように雷属性の魔力を展開し、磁界を発生させる。両手で鉄貨を包み込むように魔力を通して、それを磁界の中で構える。魔力を圧縮し続けて、威力を上昇させていく。
『む……』
俺の技の威力に気がついたのか、主も大きく口を開けてブレスの体勢に入った。あのブレスと超電磁砲がぶつかった場合、確実に力負けするのは目に見えていた。だが、もう止まれない。
「いけ!――超電磁砲!」
2年間の特訓で鍛えた魔力のおかげで今までの超電磁砲よりも、数段強くなっている。それでもあの土石流には敵わないかも知れない。だが――
『これで終わり……がふぃ?!』
欠片の抽出を終えたルナが大剣を力の限り叩きつけることで、開いている大きな口を強制的に閉じたのだ。これでは土石流を放つこともできないだろう。
「――あいにく俺は、1人じゃない」
眉間目がけて飛んでいく硬貨は硬い皮膚を貫通し、この空間の壁へとめり込んで止まった。
『ぐおぉぉぉ……』
こうして主は沈黙したのだ。即座にヨミへと近寄るが、既に自分で回復を始めていた。命に別状は無さそうだが、念のために回復はした方が良いだろう。
「エクストラヒール」
「ありがとうございます。無事に勝てたようですね」
「やっぱりヨミは私がいないと駄目ですね!」
「ふん、今回はたまたまよ。――ふふ、ありがとうルナ」
「いえいえ、こちらこそ」
これで一件落着だな。無事に欠片は抽出できたみたいだし、あとで詳しく聞いてみよう。
『我も耄碌したものだ……。まさか人の子に負けるとは』
「驚いた。まだ生きていたとは」
『これでも長生きしているからな。だが、もう長くない。1つ忠告しておくぞ。この世界を支配しようとしているなら、やめて…お……け……』
息絶えたか。言われなくてもそんな気は無い。むしろのんびりと暮らしたいと思っているくらいだし。それに、封印を強めつつ欠片を回収するだけだから、邪神を復活させるつもりなどない。ここに来るやつらはきっと、邪神の力を手に入れてのし上がろうと考えている奴だろうからな。
巨体の主を収納し、ルナのほうへと向き直る。
「それでイナギ、回収した欠片はどうだったの?」
『うむ、あの封印を解いていたならば邪悪な欠片との勝負だっただろうが、封印は解かずに欠片のみを抽出したからな。特にこれと言った問題はなかった。強いて言うならば、思ったよりも時間がかかってしまったということくらいだ。あの主を倒したことで封印は強固な物になっただろうし、邪神の邪悪な部分は祠の中だ。要領は掴めたし、次もこの調子でいきたいところだな』
こっちも順調ってわけね。これは重畳だな。
「残る問題はあと1つですね」
「ふふ、アウル様ならどうにかしてしまうのでは?」
期待されているところ悪いけど、特にまだ思いついていないんだよなぁ……。どうやってここから出ようか。退路は塞がれてしまったし。試しに壁に手を触れてみたけど、普通の壁とは違う。明らかに何かに保護されているような堅さだ。道を掘ろうにもこれでは無理だ。力任せにやってここが崩れでもしたら目も当てられないし。横が駄目となると……
「残るは上か」
ここは9合目だし、こんなに空間の天井が高いとすると、天井の厚さはほとんどないのではないだろうか? うん、それしかないな。試しに落ちている石ころを天井目がけてぶん投げた。もちろん、身体強化をフルで発動してさらに石にも魔力を纏わせた。まぁこんなんでぶち抜けるなら、世話はな――
ピシィ!
「「「え?」」」
「「「うわぁぁぁぁぁあああああ!」」」
ガラガラガラガラガラ…………!
「ご主人様……大丈夫ですか?」
「あ、あぁ。問題ないよ。2人とも大丈夫?」
「あははは、アウル様のやることはやっぱり斜め上をいきますね! 一緒にいて退屈しません」
ヨミは笑っているけど、1つ間違えば大惨事だぞ。咄嗟に障壁を張ったから大丈夫だったけど。あとは、ここから出るだけだ。収納からロープを出して、端に鉄片をくくりつけた。できた穴に投げて引っかける。引いてみてもがっちりしているし、大丈夫だろう。
・・・・・・
「わはははは、なんで上から降りてきたのかと思えばそんな理由だったのか! アウルは思ったよりも抜けているのだな!」
アルフやレティアに笑われるならまだ許せる。けど、グラさんに笑われるのだけは釈然としない。というか許せない!これはいずれ仕返しさせてもらおう。いや、しなければならない!
「それにしても、随分たくさん倒したんだね」
「次々出てくるものだから、途中からは遊戯感覚だったな」
アースリザードは全部で100匹近くいる。これを売れば一財産だな。注文通りもの凄く綺麗に倒しているし。というか、どうやって倒したんだ? 外傷が全くないんだけど、逆に怖くて聞けないよ。腐っても龍帝ってことかな。
「よし、みんなお疲れ様!今日は帰ったらパーティーをしよう!」
「お手伝いいたします!」
「ふふふ、ミレイも待っているだろうし早く帰りましょうか」
「我は肉と甘味を所望するぞ!」
帰りはグラさんの背中に乗って帰ることになり、俺が疲れすぎていて寝てしまうという一幕があったが、ご愛敬だ。決して気を失ったとかでは無い。
ゆっくりと更新していきます。
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