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俺の着ぐるみが超有能である  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第5話 一緒に毒婦りましゅ?


「あっ、あのあのっ!! これから、うちに来てくれませいえ冗談ですごめんなさいですぅぅぅぅ!!」


 ダンジョンから戻って来るや否や、ガバッと花子が頭を下げながら、お願いをしてきた。

 と言うか、お願いと同時に、謝罪をするという連係プレイまで披露していた。


 家に誘いたいのか、そうでないのか。

 ……どっち、なんだろうか?


「何? 新手のギャグ? ツッコミ待ちだったら、ツッコんであげるから待ってな?」

「ちっ、違いますよ!! えっとほら、祝勝会……みたいな? 私達、一回もそういうのをしていませんでしたし……」

「確かに、そうだな。色々とダンジョンに潜ったが、してなかったな」


 冒険者パーティーは、ダンジョン攻略を行った後に、祝勝会を行うパーティーが多い。

 ダンジョンという危険なモノを乗り越えた達成感だろうか、それとも大金を手に入れて気分が舞い上がったからだろうか。

 しかしながら、三言や花子とはあくまでもビジネスパートナー的な付き合いだったので、そういった祝勝会をしたりはしてなかったのにな。


「でっ、ですよね? なっ、なので、私達3人の祝勝会的なモノを開こうじゃないかと……。

 そそ、それで、いっ、いきなり店とかに押し寄せるのはどうかと思いまして----ここ、ここはっ!! 僭越ながらではありゃりますが、私の家へご招待させていたたただだだきますすするるる~~っ!!」

「……なにそれ、女の家に男を連れ込むなんてどこの毒婦よ? めちゃくちゃ毒婦ってるわよ?」

「どくふ??」


 「ともかく、うちはパスよ」と、三言は足早に去っていた。

 

「え、えとえっとえとえと……一緒に毒婦りましゅ?」

「それ、使い方、あってるの?」


 まぁ、その日は花子の家で食事をさせてもらって、楽しませてもらえることになったのであった。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



 一方、別のとある場所----Dランクダンジョン《虚無の封印遺跡》。

 このダンジョンは有賀刀祢達が攻略したDランクダンジョン《無限の封印遺跡》とは対になっているダンジョンである。

 ここに出てくる敵魔物----《歯車軍人(ギアソルジャー)》はそれぞれ一点物のオーダーメイドなのだ。


 《無限の封印遺跡》に出てくる《機械兵士(マシンソルジャー)》では強さこそ画一されて普通ながら、他の無事な《機械兵士》の部品(パーツ)を取り込んで復活する。

 このダンジョンで手に入る素材は、この手の機械系統の遺跡ダンジョンでは珍しくないが、ドロップ率----つまりは魔物を倒して素材が手に入る可能性が非常に高い。

 そしてこのダンジョン攻略で必要となってくるのは、力ではなく正確性----相手の頭や心臓を的確に壊せる正確性が求められる。


 一方で、《虚無の封印遺跡》に出てくる《歯車軍人》は部品(パーツ)を取り込んで復活するということはないが、1体1体が攻撃手段も違い、なおかつ普通に強い。

 このダンジョンで手に入る素材は全てが一点物でこのランクのダンジョンから出てくる素材にしてはレア物が多く、代わりにドロップ率は非常に低い。

 このダンジョン攻略で必要となってくるのは、圧倒的な力----相手がどんな手段で向かってこようが、それを捌ききる力こそが、このダンジョンに必要な物である。



 そして、そんな《虚無の封印遺跡》のボス魔物が確定で落とすとされている、《機械神の歯車》。

 現代ダンジョン世界となったこの世界において、エネルギー変換効率が一番良いとされているこの歯車を求め、今日も工場関係者が冒険者を護衛に連れて、素材回収に来ていた。


「うんうん! 今日の歯車も、実に良い歯車だ!」


 そう言うのは、今回、冒険者を護衛にしてこの歯車を回収に来ていた渡辺深雪(わたなべみゆき)なる研究者の台詞だ。

 白衣に身を包み、デザイン性の欠片もない眼鏡と、何日か家に帰ってないだろうボサボサヘアーの、およそ女性らしさよりも研究者らしさが目立つ彼女は、《機械神の歯車》を大切そうに触っていた。


「あぁ……やはり現地調達は(たぎ)るっ! 冒険者だと雑に持って帰ってくる場合があって、そのせいでこの貴&重な神歯車を壊す場合があるからついてきたんだけど、まさに正&解!!

 まさか、このダンジョンにこんなお宝が眠っているなんて、感無量! まさに、感&動!!」


 らんらんらん、と後ろのバックパックに、丁寧に素材を入れた彼女は、そのままダンジョンを後にしようとして----


 ----ザクッ!!


「うぇっ??」


 ----首を斬られてて、そのまま還らぬ人となってしまったのであった。

「毒婦」って言葉、最近、自分の中でのトレンドワード化してます

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