アナザー・エール 地を駆る者たち 後編
本話をもって、4部は終了となります。
「ニャハハ……、全てはこのエレニアの作戦通りなのニャ!」
「おのれ、『道化士』め!
逃がしてなるものか!」
サリガシアの3分の1を支配していた『爪』、その本拠地であるコトロード。
その王であるエル家の本宮プランセル、さらにその中心に近い位置にある豪奢な部屋の中では、壮大な大捕物が繰り広げられていた。
「あ、エレニア、今ここには100人の兵が集まってるんだからね」
「ニャハハ、このエレニア様も随分なめられたものなのニャー。
……その程度の少兵でこの大、大、大冒険者、エレニアを捕まえられると?
桁が2つ3つ足りないのニャ!」
巨大なベッドの上で架空の「100人の兵」がいる位置を指し示す、ソリオン=エル=エリオット様。
今の舞台は『エレニアの大冒険6』の12ページの8行目、魔城フルムーンに忍びこんだところを『冒険王』ゼンタ率いる100人の兵に包囲されるシーン……。
それこそ100回を軽く超えて演じている台詞を、今更間違うわけがない。
どころか、今の私は外伝を含む『エレニアの大冒険』全54シリーズ、その全ページ全行における『道化士』の言動を一言一句、完全に記憶している。
9年前はそれなりに大きく、重厚だと思っていたソリオン様の勉強机。
今は足場としてはあまりに小さく、【軽装】を発動させてからでないと壊してしまいそうなくらいに華奢と感じるその上で、私は挿絵通りのポーズを決める。
実際にやってみるとどう頑張っても体バランスが崩壊するそれを完全再現するために、高位魔導【創重】を2ヶ所で発動。
体を限界まで反らせつつ、捻りつつ、片足で立って両手を広げるというエレニアの挑発ポーズも、もうお手のものだ。
「おのれ、おのれ、不遜な『道化士』め!
この余……あ、今のなし!
……この某の剣、躱せるものなら躱してみよ!」
対するソリオン様の演技力は……、……大変不敬ながら、都合13年の研鑽を積んだにしてはまだまだだと言わざるを得ない。
ゼンタの一人称は、「某」、ついでに言えば剣ではなく「魔剣」。
慌ててソリオン様が言い直すのを人体の可動域的には限界、重力的には不可能なポーズのまま待ちながら、私は台詞に移ろうとする。
「失礼いたします」
それを止めさせたのは、刃のような声……。
「もう、何だよジンジャー! 今からがいいところなのに!」
「申し訳ございません、ソリオン様。ですが、軍務ですので」
……ではなく、冷たいような熱いような、無感情とも思える声。
ジンジャー=シィ=ケット。
8つ上、もうすぐ30歳になる『爪』の陣営最強の戦支……というか、私の実兄。
先王エリオット陛下から『二爪』の名を贈られたその男は、声質そのまま、まるで金属棒を折り曲げたような礼で、ソリオン様……。
否、……現『爪の王』、ソリオン=エル=エリオット陛下のむくれっ面に対応する。
「ニアを連れに参りました。彼女にも、務めがあります」
「……ああ、そう。まぁ、仕方ないか」
「重ねて、申し訳ございません。終わり次第、戻らせますので」
15歳。
もう数ヶ月もしない内に成人する王族、……というか男子としてもあまりに幼い。
それこそ、エレニア以上に道化じみた、それがあまりに自然であるがゆえに不気味にも映る陛下の言行に接しても、兄上の鉄の表情は変わらない。
下げ続ける頭、まばたきもせず床を見つめるその瞳に何が浮かんでいるのかは、実の妹であるはずの私にもわからなかった。
「……まぁ、お務めなら仕方のないことニャー。
ではソリオン様、一旦ここまでということで。
また後で、お邪魔するニャー」
「しょうがないな。エレニア、絶対だからな!」
「はいはい、すまないニャ」
「……では、失礼いたします」
エレニア。
そう呼んだソリオン様に一礼し、私は机から飛び降りる。
感情のない兄上の声を後ろにしながら、やはり9年前と同じままの扉をくぐった。
「……」
違うのは、私を叱る声がないことくらいだろうか。
「「……」」
音もなく扉を閉め、私の隣に並んだ兄上も何も言わない。
9年。
それは人を癒やすことはできずとも、何かに慣れさせるには充分すぎる時間だった。
「まったく、手間をかけさせないでくれないかな?
ボクはこれから、ベストラにも行かないといけないんだから」
9年前のあの日、プランセルはその一言と共に陥落した。
当時わずか6歳のエルダロン皇女、『声姫』フリーダ。
ハイアと共に空から襲来したその世界最強は、エリオット陛下、嫡子エンリケ殿下を含むエル家と。
そして、家族ぐるみの食事会ということで同席していたシィ家のケット一家に、一切の躊躇なくその強さを叩きつけた。
エル家第5王子、ソリオン=エル=エリオット殿下。
エンリケ殿下の側仕え、ジンジャー=シィ=ケット。
食事会を取り仕切っていた、コーリー=エマ=テンカ。
そして、母上に庇われたことで奇跡的に軽傷で済んだ、ジェシカ=シィ=ケット。
それだけを残して、『爪』のエル家と私の家族は全員が死んだ。
同時に『毒』のティアネストと『牙』のザイテンも襲撃したフリーダは、2千年に渡って競われたサリガシアの覇をわずか1日で制することに成功する。
『服従の日』。
後にそう称されるフリーダの暴挙は、だけどサリガシア以外では偉業として記録された。
その当の雪の大地の中で、私がまともに思考できるようになったのはその半年後くらいからだったと……想う。
フリーダと母上の声を最後に暗転していた記憶の続きは、葬儀どころか納骨まで済まされた母上の墓前から再開された。
これは今でも記憶できているけれど、あの瞬間に感じたのは悲しみではなく、戸惑いだ。
……この、母上の名前が彫られた冷たい石は……、……何なのだろう?
泣くこともできず、私はただ呆然とその前に立ち尽くしていた。
十数人がかりで自刃を止められた兄上が、未だ目を覚まさないソリオン殿下の側仕えとなり……、陛下たちと、父上と母上の墓をコーリーが毎日掃除し……。
ゆっくりと、だけど一瞬で流れていった時間の中で、それに答えてくれるはずの刃の声を私はひたすら待ち続けた。
もう2度と、その優しい声は聞こえないのだと。
そう理解しようとする感情を、必死で拒絶し続けた。
同時に、私は憎悪した。
ただ、それは『声姫』に対してではない。
あの『二重』の娘でありながら、その母上が破裂する様を黙って見ていることしかできなかった自分の弱さに対してだ。
王として将の、将として兵の、敵として敵の弱さを断ずるならば。
見捨てられ滅んだベオ家の弱さを、『爪』として断ずるならば。
ならば、私にフリーダの何を誹る権利があるだろうか。
フリーダが強かったのが、悪かったわけではない。
悪いのは、私が弱かったこと。
サリガシアが、獣人が弱かったこと。
傷が癒えて目を覚まし、だけど心が崩壊し幻想の住人となったソリオン殿下の相手をしながら。
私は、そんな弱い私のことがどんどん嫌いになっていった。
守るべきものを守れないときは、あなたたち自身が全てを失うとき……。
私は、王を守れなかった。
そんな弱将の名など、私に名乗る資格はない。
私は、家族も守れなかった。
そんな私に、エンジュの娘を名乗る資格はない。
ならば、せめて陛下は……、……いや『爪の王』であることすら失ったソリオン様だけは、守り通そう。
ただ、ただ殿下を慰めるだけの道化となろう。
恰好つけても失敗ばかりの、ポンコツでノロマな道化。
ゼンタの宿敵で親友の、愚かな道化。
私は、エレニア。
『道化士』エレニア。
エレニア=シィ=ケット。
変えようのない家名と父名を残して法的にも名前を変え、言動も行動もそれになっていく私を殿下は喜んで。
それ以外のプランセルの住人は、痛みをこらえる表情で受け入れた。
「ではニア、俺は戻る。処置はいつも通り、七番の者が」
「ご苦労様ニャ、ジン兄」
「……」
だけど、それから九年たった今も。
兄上だけは、決して私のことを「エレニア」とは呼ばなかった。
「……う゛」
頭痛、目眩、吐き気、信じられないような怠さ。
ベッドの上で目を覚ました私は、いつも通りの症状に瞼を痙攣させた。
立ち上がるどころか、頭を動かしただけでも失神しかねない。
足の下に挟まれたクッションを蹴る元気すらなく、ボンヤリと黒い天井を眺める。
「お疲れ様でした、エレニア様。……私の声が聞こえますか?」
「ニャ……」
少女の声。
七番の……、……今は思い出すのさえ怠い。
……まぁ、別に誰でもいいし。
「すぐにお食事を準備してきます。何かあれば、お呼びください」
「……」
パタパタと部屋を出て行く足音すら、どこか遠い。
私の務め、すなわち日々ギリギリまでの抜血。
【治癒】や【止月】、【増赤】など命属性魔導を併用しながら、さらには【精霊化】で強引に回復しながらとはいえ、毎回1リットル半近く、ショックを起こしかねないレベルまで血を抜けば、さすがの大精霊といえど貧血に陥る。
ましてや、2度の【精霊化】で魔力もほぼ使い果たした後の3回目……。
回想だったのか走馬灯なのかわからない記憶を混濁させながら、とりあえずまた目を閉じる。
あの血は酒で薄めて戦支に配られるらしいが、果たして味的にはどうなのか、実際に飲まれる方としては若干居心地が悪い気分……。
体調的にも最悪の気分でそんなどうでもいいことを思う体に感じるのは……、……鑢のような魔力。
「……聖職者が夜這いかニャ?」
「致し方なし、肉叢の徒であるならば。
人にそれは難い故、理を説くために理から外れんとも。
……逆、我はそもそも人ではない」
シャラン。
皮膚どころか肉や骨、血管さえも削るようなそれには似合わない、涼しげな錫杖の音と難解な文句と共に部屋に入ってきたのは、テンジン。
それこそ人の血を常食している、2年前に私が召喚した魔人。
「あの……」
「そこに置いといてくれればいいニャー」
「は、はい。……失礼します」
おずおずとトレイを持ってきた七番の少女は、その姿を見て困惑する。
視線で指したテーブルに伸びる少女の手は小刻みに震え、皿がカタカタと音を立てていた。
「報せが一つ、『強者』の件で」
「……食べながらでいいかニャー」
「構わぬ」
少女にもテンジンにも言いたいことはあったけれど、今は何よりもまず栄養が先。
全身に【創重】を受けているような緩慢な動作でベッドの端に腰掛けた私は、まだ波紋の残っているスープ皿を引き寄せる。
肉がゴロゴロと浮かぶその表面には、記憶の中の母上よりも老いたような、不健康そうな自分の顔が映っていた。
それをかき回して、肉片をすくい上げる。
採血用の太い管が入っていた右腕には、残響のような痺れ。
……怠い。
スプーンを持ち上げるのも、口を開けるのも今は怠い。
「あれがまた喰らった、エルダロンの虜囚を」
「……」
そこまで努力して口に入れたものを、吐き出したくなるような話題だった。
目と耳を封印でもするかのように、黒い布が幾重にも横断している顔。
長く垂れた布の切れ端が横や後ろから垂れる下には、首から下を隙間なく覆う黒色の細い布、その上から羽織られた白いコロモと黒い袖のない服。
一見した立ち居振る舞いは右手の黒い錫杖と同じで、ひどくまっすぐではある。
「其れだけである」
だけど、その言葉と発される魔力はひどく歪んでいた。
「また、チーチャかニャ……。……なんとかできんのかニャー」
「無理だ」
ただ、それでもチーチャ。
あの傷だらけで赤一色の少女よりは、はるかにマシだった。
何しろ、テンジンとはこうして意思疎通ができる。
「我よりも強い者」とテンジンが召喚したあの魔人は、それすら成立しないのだから。
味方を襲うな。
プランセルから出るな。
呪導を使うな。
召喚者であり、同族であり、既知であり。
そして、既に土の大精霊である私と同じ程度の強さを得たはずのテンジンをもってしても、それだけを守らせるのが精一杯。
胡散臭いテンジンが協力的に、得体の知れないミレイユが常識人だったと思えるほどの、文字通りの魔性。
一番や四番が苦労して捕まえてきた情報源を気のままに喰い殺すチーチャの制御は、『大獣』内でももう半ば諦められつつある。
「逆、『強者』とはああいうものである。
故、理することなどできる由もなし、『弱者』たる我や貴様らに」
「……」
そんな危険物を紹介した張本人は、だけど、それがどうしたと言わんばかりに微笑んでいた。
……それは、悟りというか開き直りだろう。
喉元まで出かかったそんな言葉を脂っぽいスープで飲み下しながら、よく焼かれた丸パンに爪を立てる。
「捨つることが、殺むることが、諦むることが……。
即ち、狂うことができる者である、『強者』とは」
「……」
布越しにそれを見つめながら、引き裂かれた生地から昇る白い湯気の向こうで、自称『弱者』は唇を曲げた。
「『愚者』との同一化のみ也、あれの望みは。
其れ以外の全てがあれにとっては些事であり、遊戯でしかない
我の望みも、貴様らの望みも、人の望みも、世の理も」
憧憬と、侮蔑。
畏怖と、嫌悪。
相反しつつも両存する感情を押し固めながら、テンジンの声は続く。
「故、『強者』は『強者』たり得る。
拾い、助け、希う……。
それを無意味と嗤えるからこそ、『強者』が『強者』たるは」
諦むるな。
契約に際してそれを条件に挙げた男の声は、ほんの少しだけやわらかい。
「理を壊し、道を築く。
其れが成るは、『強者』の狂気があってこそ。
……成、人よ、『弱者』よ、肉叢の徒よ。
貴様らは諦むるな、理を曲げ道を外れ、乞い願おうとも。
人のままで死ねばよい、人として生まれたならば」
認めたくはない。
「人は、狂わず生きるべきである」
だけど、テンジンは確かに『強者』が何たるか。
そして、『弱者』のことを理解できていた。
むしろ、それが足りなかったのは私の方なのだろう。
「……っ、…………」
廃墟どころか、灰と化したウィンダム。
体を動かすどころか、呼吸するのも精一杯だった。
作戦通り、テンジンの名を使ってミレイユをウォルから引き離し。
作戦通り、それを利用してソーマをエルダロンへおびき寄せ。
作戦通り、エルダロンに奇襲を仕掛け。
作戦通り、フリーダとソーマを削りにかかり。
作戦通り、ネハン様とナガラ様、テンジンとチーチャがフリーダを討ち。
作戦通り、ヤルググとアレキサンドラ、私でソーマに致命傷を負わせ……。
だけど、【創大獣】をソーマに破られ。
そして、それごとを「何か」に吹き飛ばされ。
ミレイユが、テンジンが、チーチャが現れ。
チーチャに……心臓を貫かれ。
ミレイユが、ソーマを貫き。
……だけど、私たちはなぜか生かされていて。
「……みんな、久しぶり」
光が、弾けて。
テンジンが、チーチャが、ミレイユが消えて。
後には、あの魔人だけが残されて。
「状況は!?」
「西1区、およびその周囲が完全焼失!」
「ソーマ、エレニア様は戦闘不能!」
「エレニア様、聞こえますか!?」
「ミレイユ、テンジン、チーチャは……確認できず!」
「魔人……1人を確認。……誰だ?」
「ヒエン、ヤルググは西4区から移動中!」
「連絡隊の一部が焼失! 復旧急げ!」
「木の上位精霊たちは確認できず!」
「『死森兵』の掃討急げ!」
「エレニア様!」
「……ネハン陛下、ナガラ陛下のご遺体が!?!?」
「ルル様より、総員西1区の周囲へ展開せよとのこと!」
「……こ、『声姫』を確認! 生きてるぞ!?」
「魔人たちが裏切った!」
「……ルル様、ポプラ様より総員へ! 西1区へ移動し、エレニア様を確保せよ!」
「……いらん、世……話……ニャ」
耳鳴りの中で錯綜する戦支たちの声に応えながら、私はようやく現状を理解する。
端的に言えば、獣人は魔人の踏み台にされたのだろう。
つまり、私は、サリガシアはまた負けたのだ。
「『浄火』……」
カイランで4万人を前にしたときでさえ笑っていたソーマの、震える声。
「へぇ、550年経っても有名なんだね」
対する少年、ライズの笑い声が、焼けつきそうな意識の中でそれを肯定する。
【異時空間転移】による、『浄火』の召喚。
どこからかはわからないけれど、それがテンジンの、魔人たちの目的。
サリガシアがどうとか。
フリーダがどうとか。
ソーマがどうとか。
そういうことではなく、世界が……滅ぶ。
「……」
全てを諦められてこそ、『強者』。
それができぬからこそ、『弱者』。
狂えるがゆえに、『魔』。
狂わぬがゆえに、『人』。
ここに至ってようやく、私は朧気に理解する。
テンジンが私に、人に、そしてテンジン自身に何を望んでいたのか。
ただ、それはもう失われた可能性の話でしかない。
横倒しになったままの世界には、既に何もない。
残酷すぎて、泣きそうだった。
……強さ。
土の大精霊にまでなれたというのに、徹頭徹尾、私にはそれが足りなかったのだろう。
どこまでも、弱く小さな人間にすぎなかったのだろう。
狂いきることすらできない、それこそポンコツの道化だったのだろう。
「じゃあ、とりあえず……死んでみてよ?」
「……ごめん、アリス」
光が溢れ灼熱の魔力が膨れ上がる中で、ソーマの声が聞こえる。
魔人と。
ソーマと。
フリーダと。
「申し訳ありません……、……母上」
母上と。
私は、何が違ったのだろうか。
何を諦めれば、よかったんだろうか……。
……だけど、もう…………。
「起きろ、バカネコ」
「……ニ゛ャ!!!?」
喉、圧ぱ、く!?
服の襟首を掴まれて強引に引き上げられ……そのまま、窒息から逃れようと、慌てて体を支える。
同時に、前方では……火柱!!!!
「ニャ、……は、……え…………?」
「氷」越しにそれを見て、しかし状況を理解できないままの私が見上げた先には、黒い瞳。
「説明は後でする。
とりあえずここで死ぬな、迷惑だから」
いや……、……えぇー…………。
「お前もだ、戦犯。
死ぬなら、責任とってからにしろ」
「……いや、確かに反論はできないんだけどね。
……ただ、容赦なさすぎないかい?」
その先の空には、白い鳥たちが浮かんでいる。
……いや、何が起こった、……起こっている?
なぜか魔力の回復しているソーマに……。
「ニャへぶ!」
……地面に、投げ捨てられながら!
何も理解できないポンコツの私でも、とりあえずこれだけは思い出せた。
『魔王』。
ソーマ=カンナルコが、そう呼ばれていたことを。




