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クール・エール  作者: 砂押 司
第4部 嵐

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アナザー・エール 地を駆る者たち 前編

「ニャハハ……、全てはこのエレニアの作戦通りなのニャ!」


「おのれ、『道化士どうけし』め!

逃がしてなるものか!」


サリガシアの3分の1を支配する『爪』、その本拠地であるコトロード。

その王であるエル家の本宮プランセル、さらにその中心に近い位置にある豪奢な部屋の中では、壮大な大捕物が繰り広げられていた。


「あ、ジェシカ、今ここには100人の兵が集まってるんだからね」


「わかりましたニャ、殿下」


とはいえ、それは殿下、すなわちエル家の第5王子たるソリオン=エル=エリオット様の居室で行われている、架空のものにすぎないけれど。

両手を広げ立っているのが6歳児であることを無視しても、巨大なベッドの上。

そこで「100人の兵」がいる位置を指し示す殿下の前で、私はその追っ手たちを幻視しようと金色の瞳を凝らす。


今、殿下の勉強机の上で一瞬真顔に戻った口元を必死につり上げるのは、決して12歳のジェシカ=シィ=ケットではない。

サリガシア全土を股にかけるヘッポコ傭兵にしてポンコツ冒険者、『道化士』エレニア=ダン=ドンキーなのだ。


「だーかーらー、今のは殿下じゃなくて、エレニアを追う『冒険王』ゼンタ!

語尾だけエレニアにしたって、今のは完全にジェシカだったじゃないか」


「も……、……私が悪かったニャ!」


「惜しい! エレニアなら『私』じゃなくて『ウチ』だし、そもそも何もつけずに『すまなかったニャ!』が正解だから」


いや、どっちなのだろう?

だいたい、先にゼンタから戻ってウ……私をジェシカと呼んだのは、殿下の方だ。

そして、今私の前で得意気に鼻を鳴らしているのは、絶対にゼンタではない。

挿絵を見る限りゼンタはダンディズムあふれる老兵で、そもそも一人称は「それがし」なのだから。


……いや、それこそ、これを真面目に考察することにあまり意味はないか。

殿下はエル家の人間であり、私はシィ家の人間。

血筋の近い分家であり、さらにその中でも年が近いということで誉れ高くも学友の身分を預かっている私が、殿下の演技力に疑問を覚えるなど不敬もいいところなのだから。


「ニャハハ、ゼンタよ。その程度の少兵で、このエレニア様を捕まえられるのかニャ?」





「誰に向かって口を開いているのです、ジェシカ?」





「「!?」」


そもそも、6歳の子供の空想にそこまでの整合性を求めるのも倍も年上の人間としていかがなものか。

そう判断して机の上でポーズを決めた私に、だけど応じたのはゼンタの台詞でも殿下の歓声でもなく、扉を貫いて鼓膜に届いた刃のような声だった。


「は、母上……」


「私はゼンタという名前ではありませんし、そもそもエレニアという名の娘を産んだ覚えもないのですが?」


エンジュ=エル=リシュオン……というか、私の母上。

扉を開きながら、思わず漏れた小声に律儀に反応する母上の赤銅色の瞳は、声の通りに私を斬り殺そうとしている。


「エ、エンジュ叔母上、これは余がジェシカに頼んだことであって……」


「当然でございましょう、殿下。

それ以外の理由であれば、私は声をかけるより先にこの愚女の首を斬り落としております。

……ですが、殿下もご自覚をお持ちくださいますよう。

ジェシカは、殿下のご『学』友としてここにおりますので」


「う、うむ……」


若干耳がたたまれた殿下に向けられる声には、さすがに鞘にしまった程度の丸みが戻っていた。

ただ、それでも殴られれば死ぬ程度の硬度はある。

現『爪の王』たるエリオット=エル=リシュオン陛下。

その異母妹の1人であり正真正銘の王族の1人である母上の視線は、次世代の王弟である甥に対しても一切の揺らぎを見せなかった。


「……さて、この場でのお小言はここまでです。

ジェシカ、すぐに出立の支度をなさい。装備は第3種、督戦するだけですので食糧は2日分あればいいでしょう。

セルクスは既に準備してあります」


その赤銅色の瞳は殿下の足下に投げ出されている『エレニアの大冒険6』の表紙を一瞬だけ睨んだ後、私の頬を伝う冷や汗を追う。


「殿下のご学友たるための、お勉強の時間です。……では、行動開始!」


「殿下、失礼いたしますっっっっ!」


机から飛び降り、殿下に一礼し、扉をくぐり、自分の部屋に全力疾走する。


……お小言の続きは、その後にしましょう。


わずか5秒間の中でやけにゆっくり聞こえたその声を、私は幻聴だと思うことにした。

















「……さて、ではここまでを踏まえて、この場の意味は?」


「陽動部隊に対する、特攻による足止め……です」


コトロードからナゴンへ転移し、そこから半日ほど南南西へ進んだジリ平原……が見渡せる、小高い丘。

手勢の20騎を引き連れそこに布陣した母上からの問いに、私は最も合理的と思われる答えを返した。

雪に吹かれセルクスの背で揺られながらも丁寧かつ簡潔に説明された、現在の『牙』の動きとそれに対する『爪』の動き。

王族であり、私の母上でもあり、同時に『二重にじゅう』の名を冠せられる『爪』の将軍の1人でもある母上の言葉で紡がれたそれは、ほぼ白色だけの私の視界の中に小さなサリガシア大陸を幻視させている。





発端は、『爪』の北部都市チョウミンと、その西に接する『毒』のヨルトゴの間で散発した小競り合いだった。

それが、それぞれ数千ずつを率いて睨み合う膠着状態、またの名を年中行事に発展したところで、チョウミンの隊を率いていたフィールダー=チー=ファンダル将軍は見慣れない、しかし知識としては忘れたことのない旗印を『毒』側に見つけた。

ほぼ止むことのない北部の吹雪の中ですら白に塗れない鮮やかな紫色と、それを右上へと横断する黒い直線。


すなわち、『毒』の陣営でも最強の1人と名高い気鋭の女将軍、『紫電』ウルスラ=ファン=オムレット。


コトロードと接する『毒』の第2都市、クキから原則として動かないはずの彼女の旗印が大陸のほぼ最北端に翻っているとの知らせは、本宮プランセルで地図の前に座る『描戦びょうせん』、ルル=フォン=ティティの眉間に深いしわを刻むには十二分だった。


が、同時に大陸のほぼ対角線上、『牙』の港湾都市バルナバから『大槍おおやり』サマー=ワイ=ハッセオン率いる1万5千の兵が西進し、『爪』の最南端であるコモス、その東域を守護するベオ領を目指しているとの知らせがルルの元に届けられる。

それに続くように、ロメオからナゴンへ、ベストラからコトロードまでと広い範囲で国境に迫る数千ずつの『牙』の軍勢。

これが『画場がじょう』ことポプラ=ポー=フィリップス、『毒』から『爪』に繰り出される奇策を何らかの手段で察知した『牙』の大軍師による悪辣な妙手だと看破した瞬間、そして一手でも対応を誤れば『爪』の領土の東半分に壊滅的な被害が出る局面だと理解した瞬間に、ルルはさらに非情な強手をエリオット陛下に献策した。


すなわち、『爪』の東側の軍、大陸の北端から南端までに至るほぼ全ての軍を中央に集め、一気にベストラ、『牙』の本拠地を陥落させるという鬼手。

ルル本人の故郷でもあるはずの北のナゴンや南部で長年に渡り『牙』からコモスを守ってきたベオ家を見捨て、代わりに『牙』そのものを滅ぼすという諸刃の策。


……しかし、その実は相手にそう思わせる進軍をすることで『牙』の全ての軍を一旦ベストラまで退かせようという、あまりに大胆なフェイント。

異様な動きを見せる『毒』への対応に早く全力を注ぐための、逆王手に見せかけた防衛策。

大陸の半分を使ったその化かし合い作戦を陛下は大笑いで聞かれ、北と南に配置する死兵の将は自らが任命することでそれを受け入れられた。





そして、ここはその死地の1つ、北のナゴン近辺。

南部奪取の陽動として『牙』から派遣された3千と、それに対する盾となる800の『爪』の兵が向かい合う戦場だ。


「特攻による足止め……、……まぁ、間違いではありませんね」


「……」


若干不満そうに目を閉じる母上の横顔を見上げながら、私はもう1度自分の記憶を検索する。


『牙』から見ての第1目標は南部のベオ領ないしその先のコモスであり、実際その主軍は今回動員されている中でも最大の1万5千。

さらに、率いているのはあの『大槍』。

だとすれば、それ以外の場所の、しかも主軍の数分の一しかない隊は全てが陽動に過ぎない。

が、だからといって数千人の敵兵を完全に放置すれば、待っているのは地獄絵図。


一方で、対する『爪』の主攻はコトロードからベストラに向けられた1万8千。

よって『牙』の北と南への陽動にはそれ以外の兵で当たるしかないものの、実際には西の『毒』に対する備えは動かせない。

必然、これに当てられるのはごく少数。

ただ、戦争というのは自軍の数が多いほど有利になり、少ないほど不利になるのが基本原則。

そして、撃退どころか膠着させることすらも期待できず、それでも敵部隊の遅滞のために送り出さなければならない防御要員を、人は俗に「足止め」と呼ぶ。


ただ、普通ならばその足止めは籠城戦という形で行われる。

にもかかわらず、籠城するはずの防衛側が平原に布陣し野戦を挑む恰好になっているのは、この『牙』の北侵部隊が国境の砦どころかナゴンすらも素通りする姿勢を見せたから。

その先にあるのはチョウミン、すなわち『毒』のウルスラと対峙しているフィールダー将軍の背後……。

やむを得ず、ジャン=エマ=テンカ将軍率いる『爪』の800騎はナゴンを出て北侵部隊の前に立ち塞がり、圧倒的に数で勝る相手に野戦を挑むという無謀な特攻を仕掛けるしかなくなっていた……。


……やはり、間違いない。


局地的に考えて、ジャン隊が置かれている状況はほぼ最悪。

待っているのは、足止めにすらならないかもしれない蹂躙劇だ。


……いや、私が憂うべきは、あるいはこうした釣り出しすらも見据えてナゴンを素通りさせようとした『画場』の。

そして、どちらにせよ起こる『爪』と『牙』との消耗を睨んでの『金色』、『毒』の天才オーランド=モン=ルキルザーの深謀か。


ただ複雑になっていく頭の中の盤面上で、いずれにせよ私が確かに言い切れるのは、やはりこれからジャン将軍以下800騎が押し潰されるだろうという予想だけだった。


「……?」


だけど、現実はそれすらも上回って展開していく。

餌に食いついた小魚を一息に飲み込もうと、1つの巨大な方陣を組み始めたおよそ4倍の敵。

それを前にして、ジャン隊は全員がセルクスに騎乗したまま、それぞれ200ずつの4隊に別れ始めたからだ。

まさか、この圧倒的な戦力差の中で相手を囲もうとしているのか……?


限界まで見開いた私の瞳の中で次の動作を起こしたのは、だけど。


「『足止め』の中に、『撃退』も含めているならの話ですが」


「!!」


私の隣で【創構グラクト】を発動させた、母上だった。

雪の下、大地の黒をそのままに宿して伸び上がってくるのは、ゆらりと反った刃を備えるサーベル刀。

90センチ近いその刃には、それより鋭利な母上の視線が映る。


「大いなる……」


速く、小さく、だけど一切途切れない契約詠唱。

切っ先に集中するのは、5万を軽く超える巨大な魔力。

ジャン隊の内の右端にいた1つが吶喊とっかんする光景の中で、それは剣舞のように緩く振りかぶられる。


黒く、一閃!。


同時に、巨大な方陣の角が、欠ける。

『牙』の方陣の最も手前の角を構成する数十人ほどの盾兵が、後ろにではなく斜め前へと吹き飛んだのだ。


土属性高位魔導【月爪弾クローサー】は、普通なら直線方向に撃ち出すだけの石弾にさらに別方向の重力をかけその軌道を変化させる、恐ろしくトリッキーかつテクニカルな射撃魔導だ。

が、その効果は射撃される相手にとって絶大で、通常あり得ない方向から弧、ひどければ円軌道を描いて迫る弾丸は、防御どころか知覚することすら困難を極める。

自分の前方にいる相手が放った石弾が、左や右、どころか下や後方から頭を狙ってくるという異常事態。

その結果に見合う異常な量の魔力を消費するという欠点に目をつぶれば、美しくすらある殺人魔導と言えた。


だけど、今回撃ち込まれたのは石などという決して可愛らしいものではなく、もはや岩と呼ばれるべきレベルの特大【月爪弾クローサー】だ。

獣人ビーストどころか人族全体で見ても高位に位置する、母上のほぼ全魔力。

それを込められ250メートル先から放たれた岩塊は、カタパルトによる攻城弾とほとんど変わらない速度のまま、半円に近い軌道を描いて方陣の最前列に右後方から着弾。

半身を隠す程度の盾など完全に無意味にするその曲線射撃は、前からの突撃に備え姿勢を固めていた盾兵を。

逆に言えば、正面からでは突破が困難だった方陣の最前列を、一瞬で挽肉に変えたのだ。


「……!」


直後、その場所に襲いかかるのは白い濁流。

トップスピードで方陣に突撃した200騎はまるで【月爪弾クローサー】の軌道を追いかけるように弧を描きつつ、その勢いのままそれぞれの得物を一閃。

雪煙と血飛沫でまだらになったまま棒立ちになっている『牙』の兵を薙ぎ払う『爪』の突撃部隊は、

砕けた方陣の角をさらに引き剥がすように手近な盾兵を踏み潰し、あっさりと離脱した。


それを眺めつつ、母上が魔力切れの疲労感で若干重たくなった口を開く。


「あの『道化士』のものまねに費やす時間があるなら、あなたはコーリーに頭を下げてもう1度エマ家のことを学び直しておきなさい。

サリガシア2千年の戦史において、あれほど多勢との戦いに強い一族など他にいません。

数が離れあるいは兵糧を断たれ、追い詰められ包囲されるほどに強くなる……。

今の3王での支配が完成するまでの間で、エル家の兵を最も殺しているのはエマの将たちなのですよ?

……老いたとはいえ、ジャン殿もその1人。

私ですら兵を率いて相対したくない名将をあなたごときが悲観するなど、笑止千万です」


それとほぼ同じタイミングで、次の200騎が同じ角へと突撃した。

いきなり最前線の盾兵がいなくなり、さらにその後ろに控えていた者まで急襲され大混乱に陥っていた兵たちは、セルクスの強靱な足に蹴散らされ、あるいは騎上の兵が放つ魔導や刃によって吹き飛ばされる。

最初の200よりも深くまで方陣を削った『爪』の兵たちは、その人数を若干減らしながらもやはり突撃の勢いのまま弧を描いて脱出していった。

気づけば、方陣はその2割程度が粉砕されたように欠落している。


「とはいえ、それでも尋常ではない被害を出しながら、それこそ死兵どころか死人になりながらの特攻になるのは事実ですからね。

それを少しでも防ぐためのきっかけを作るのが、陛下から私に下されたご命令だったわけです……。

…………わかっていたとは思いますが、あなたの見学はあくまでもついでだったのですからね?」


「も、もち……!」


驚きの表情を浮かべかけた私に向けられる少し剣呑な視線に取り繕う間もなく、3番目の200騎がやはり同じ、そして少しだけ深い軌道で方陣をえぐっていく。

徐々に大きくなっている半円の軌道の後半、すなわち『爪』の脱出経路にいる『牙』の兵からすれば、いきなり後方から騎兵の突進を受けるという異常事態。

全体からすれば一部でしかない場所に騎兵隊の全力突進を食らい続けた結果、方陣の崩壊はその中心近くにまで進んでいた。

そこを、ジャン将軍本人率いる最後の200騎が爆走していく。


「……まぁ、いいでしょう。今はこれをよく見ておきなさい」


ただ、その軌道はこれまでの3隊とは異なり、槍を突き出したような直線だ。

さらに、前方や外側を走る全員が【万珠車解マーダーラ】を発動。

高速周回する岩石で敵を轢き飛ばしながら、砕ける途中のような方陣を一気に貫いていく。

石結弓ストローン】などの魔導の応射を受けながらも、それは方陣の最後方まで走破。

数を半分近くまで減らしながらも、銀の槍が象られた旗印が翻る『牙』の本陣についに到達した。


「さすがはジャン殿といったところですね。

立ち止まれば討たれる、ならば動き続ける。

敵将まで届かない、ならば届くように道を作る……。

としては当然のことでも、それを実現させる、しかも少兵でそれを成し得るのは日々の練兵と将の人徳あってこそでしょうから。

ジェシカ、よく覚えておきなさい。

当然のことを当然に行えるということは、何よりもまず優秀な将である条件の1つなのです」


それに向かって断末魔のように振るわれた巨大な鉄槍も、術者が死んで【拡構エクスト】が解けたらしく、あっさりと崩れ落ちる。

小さな旗が引き倒された直後、奥から小さく、それに呼応して手前で爆発するのは『爪』の勝ち鬨の咆吼。

その地震のような歓声と泣き声の中でも、ほぼ真っ二つに割れた方陣の1点、比較的形の残っているその辺りを眺めている母上の声はよく通った。


……! ……!


それぞれの軍に決着と即時停戦を知らせる2発の【花火弾フライアー】の音すら届かない私の耳に、なぜかこの声だけは届かない気がしない。


「蹂躙するつもりだった寡兵を相手に2割近い被害を出し、それどころか将であるワイ家の血族まで討ち取られた……。

ジャン殿も…………、…………壮健のようですね。

ふむ、まずはやれやれといったところですか」


「お、終わった……」


その声が終戦を告げるのを聞いて、ようやく私の全身からは力が抜ける。

よかった、……勝った。


「いいえ、何も終わっていませんが?」


だけど、そんな私の脊髄に石柱を再挿入するのは、やっぱり刃の鋭さを帯びている母上の視線だ。


「ジェシカ、その言葉はプランセルに戻って中央と南部の状況を確認してからのもののはずでしょう」


「……はい」


正論過ぎる正論は、それ以外の言葉を私に許さない。





護衛が準備していた魔方陣から即座にコトロードに転移した後、プランセルに走りナゴン戦の詳細を報告するまでの間。


「そもそも、あなたは日頃からもっと……」


「……ニャー…………」


「……そんなにあのポンコツの真似をしたいなら、物理的に手伝ってあげましょうか?」


私は、そんな正論に人を涙目にする程度の硬度があることと。

どうやら、母上が『道化士』エレニアをあまり好きではないらしいことを、新しく学ぶことができた。

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