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【ギャグ満載の本格推理】瀬川歩の事件簿  作者: 瀬川歩
【休憩編】高校時代のエピソード
61/125

超ショートコメディ 香助、いとこにアドバイスをする

~登場人物紹介~

瀬川(せがわ) (あゆむ):高校一年生。将棋が好き

土橋(どばし) 香助(こうすけ):高校一年生。元不良。喧嘩っ早い

桜井(さくらい) (かつら):高校一年生。キザなイケメン

葉月(はづき) 珠姫(たまき):高校二年生。歩の幼馴染。容姿端麗な生徒会長


将棋探究部という、将棋について探究するという一風変わった部活に所属している。

※本エピソードは高校時代の話です。




香助「桂、歩。一つ頼みがある。小学生のいとこが今度空手大会に参加するんだがよ。以前は本人は空手にやる気があったんだが、大会で勝てずに、心が折れ、最近では辞めたいと言っている。今度の空手の大会でなんとか勝たせて自信を付けさせてやりたいんだ、何か作戦を考えてくれないか? 俺が替え玉として出場すると言ったら本人が嫌がってな。俺は小学生用の空手着を着る覚悟満々だったんだが……」


歩「いや武術の大会で替え玉はさすがにきついでしょ……。服パツンパツンで明らかに目立っちゃうよ。それに本人の力で勝たせないと意味がないよ。本人に気づかれずにアシストして勝たせることが理想だね。桂、何かいいアイデアない?」


桂「そうだな……、その子の対戦相手に試合前に『おい、聞いたか。お前の次の相手は数百年続く一子相伝の暗殺拳の伝承者らしいぜ。この前、数十人の不良が秘孔を突かれて弾け死ぬのを見た。お前も気をつけろよ』とささやくのはどうだろうか。対戦相手はもう殺されるんじゃないかと言う恐怖で試合どころではないだろう」


香助「お前天才だな!」


珠姫「いや不良が弾け死んだら警察沙汰でしょ。あんたの頭の中の小学生めちゃめちゃ単純な考えね」


歩「確かに相手が暗殺拳を信じるとは限らないね。疑う相手にはやり方を変えよう。相手が疑ったら、香助が試合中に観客席から『あの技だけは決して使うなよーーー』と大声で叫び続けるのはどうかな。もう対戦相手は『こいつ……何か切り札を抱えているな』と深読みしてしまい、動きが鈍くなると思うんだ」


桂「いいアイデアだ。だが、試合後に対戦相手に『あの技って何ですか……?』と聞かれたらなんて答えるんだ? 大層な技名を言って使えなかったら詐欺だなんだ言われるぞ」


歩「『早口言葉だ……』と意味深に答えてもらって、その後で『生麦生米生卵』とか言ってもらえばいいよ。そうすれば対戦相手は何も言わずに去っていくと思う」


珠姫「その技試合で使ったら面白かったかもね」


香助「ありがとう、桂、歩。他にあるか?」


桂「あとはそうだな……。先程の派生だが、香助が観客席から『お前がこの試合で負けたら妹がーーー』と叫ぶのはどうだろうか。人質を取られている感を醸し出し、対戦相手に勝ってはいけないというプレッシャーを与えるんだ」


歩「ちなみに負けたら妹はどうなるの?」


桂「『妹が晩御飯にお前のいとこのコロッケを奪う』」


珠姫「何という家庭の事情……」


香助「お前ら……ありがとな! これでいとこも勝てるぜ!」



その後、大会で香助はアドバイスを忠実に実行し、いとこはなんと優勝し、自信を取り戻すことはできた。

しかし、香助は大会を出禁になったらしい……。

明日から新章「深夜の行進」を連載します! 歩と桂の高校生時代のエピソードです。

「密室ダイビング」よりもコメディ要素が多めでお送りします。

それでは、また明日からよろしくお願いします。

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