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何度倒してもタイムリープして強くなって舞い戻ってくる勇者怖い  作者: 崖淵
第6部 終章

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第87話 最終決戦四日目後半

最終周回 エルデネサントの野 勇者


「くっ…こうまで誘いに乗ってこないとは。作戦が看破されているのか?」


そうタスクに話し掛けた。


「そうかもしれないな。さて、どうする。作戦を継続するか、止めるか。」


悩ましい。野営地まで引き込んでしまえば、魔王軍を火の海に叩き込む事が出来るのに…まぁ実行役の要が魔法使い《メルウェル》ってのに一抹の不安はあるが、あいつもやる時はやる女だ。


…本当か?


やった結果、どっかの塔が崩れて全員生き埋めになった記憶が蘇る。自軍の壊滅覚悟で一発逆転用にあの魔導書持ってくるべきだったんだろうか。いや、復活できない今、あれを繰り返す可能性もあるんだ。しかもこの地までもたずにそこらで再現されても困る。ここまで努力を重ねた25周回の終わりが、アレになるのは何が何でも嫌過ぎる。


さて、現実逃避は止めて、決断を下さねばな。

こうしている間も魔王軍は勇者軍に対してつかず離れずで攻撃を加えている。作戦は看破されていると見なさねばならないだろう。


「撤退だ。今日のところは撤退しろ!魔王軍はそれ以上追ってこないはずだ。」


そう。今日一日で魔王軍は十分な戦果を挙げた。このままいけば魔王軍の勝利は動かない程に。勇者軍は撤退したが、罠があるかもしれないこの場所に、のこのこと危険を冒して飛び込む必要が魔王軍には無かった。


「さて、苦しくなったな。今日一日で余計に。」


勇者オレは大きくため息をついた。タスクも同様だ。

どうすれば勝てるのか、むしろ勝ち目は残っているのか。


「どうにかして戦場でアドラブルを討ち取る…それしかないか。」


「だが、今日一日で兵も減り、士気も下がった。左右軍の兵を合わせねば、あの中央の防御陣は突破できないぞ?もちろん左右軍の兵を中央に集めれば、敵の左右軍がフリーで攻めてきて、こちらは三方向から攻撃を受ける事になる。それは勝負にならないだろう。」


「そうだな…。」


「それに、戦場で勝つのもなかなか難しそうだ。一昨日、アドラブルとやったんだろう?魔法使い《メルウェル》込みでやっと互角だったとか。俺かマミアか…三対一以上にもっていかないと正直キツそうだな。」


「そうなんだ。皆の協力を得て、何とか俺だけがアドラブルの下に辿り着くことが出来たとしても、敵兵に囲まれたアドラブルを倒すのは至難…いや、ほぼ不可能だろうな。」


「そうだな、これは言ってはいけない事かもしれないが、既に詰んでいるのかもしれない。…ところで、敵兵がいなくて純粋な一騎打ちをアドラブルとしたら勝率はどれくらいある?」


「ん?そんな仮定に意味はあるのか?まぁ10回に1回…いや、20回に1回かな。こっちには魔族特効の聖剣があるんだ。そのラッキーパンチが当たればあるいは…といったところかな。」


「そうか…勇者フミヒロももう詰んでいると思うなら、一つダメ元でやってみてもいいかなという提案がある。」


「なんだ?」


「敵に…魔王軍総司令官アドラブルに、勇者として一騎打ちを申し込むんだ。その勝敗で全ての決着をつけようとな。」

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