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何度倒してもタイムリープして強くなって舞い戻ってくる勇者怖い  作者: 崖淵
第6部 終章

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第83話 最終決戦初日

最終周回 12月末 エルデネサントの野 勇者


魔王軍に遅れる事数日、勇者軍はエルデネサントの野に到着すると陣地を設営していく。既に魔王軍は防衛陣地を築いているようで、勇者はタスクらと共にその様子を遠目に確認していた。


「んー?魔王軍がそれなりに防衛陣地を築いているな。勇者フミヒロ、今までの周回でこんなことってあったのか?」


「いや、無いな。本陣こそ小高い丘の上にあって門扉とかもあったが、それ以外は宿営地としての簡易的な陣のみだった。」


「ふーむ、どんな心境の変化かね?」


「魔王軍からしてみれば、ゴブリン兵の弱さを考えれば、うちとの兵力差は倍くらい欲しいだろう。今までの周回ではそうだったが、今回うちらは14万もいる。逆に魔王軍は20万を切っているだろう。魔王軍の方が数こそまだうちらより多いが、この兵力差ならうちらの方が有利と見る事も出来る。ということで魔王軍としては防衛陣地を築いてその差を少しでも埋めようとしているんだろう。」


「なるほどな。でもゴブリンどもに防衛陣地を上手く活用できるかな?」


「ははは、でも無いよりはマシだろうよ。」


「そうだな。とはいえ油断して、半年前の魔王軍の二の舞になる訳にもいかない。それに14万もの兵士に無駄飯を食わせられるほど、我が軍の兵糧に余裕は無いし、補給線も魔王軍に比べて長い。宿営地を設営したら早速攻撃を仕掛けようか。」


翌日、勇者軍は全軍で魔王軍に対して攻撃を仕掛けた。防衛陣地はそれなりに効果があるようで、場所によっては勇者軍は窮屈そうに攻める事になったが、守るゴブリン兵が有効に使えてないのか、全体的にはそこまでの影響は無かった。ただ一か所を除いては。


「勇者、あれは厄介だな。」


元々小高い丘上にある魔王軍本陣はそれだけで防御力があったが、そこに防衛陣地が築かれ、しかもそこにはただのゴブリン兵と違い防衛陣地を有効活用できる魔王軍精鋭部隊が詰めていた。下手に魔王軍本陣を攻撃すると手痛い被害を被りそうだった。

とはいえ、魔王軍本陣は勇者軍にとっての最終目標であるアドラブルがいる。無視するという選択肢は無かった。


「とりあえず中央は放置して左右を攻めるか?」


「いや、それはまずい。中央を無視して左右を攻めれば、フリーになった敵中央が左右を攻める我が軍の側面を攻撃できてしまう。それこそ半年前の魔王軍の二の舞だろう。」


「まぁ、そうだよなぁ…。今のところは中央を攻める振りだけしながら、敵左右を壊滅させて、最終的には三方向から本陣を攻めるというところか。」


「よし、とりあえず中央への攻撃は控えめにさせよう。あの状況ではこのまま攻めてもうちの被害が無視できないし、中央を落とせる雰囲気も今のところ無い。そして明日は敵左右への攻撃を更に加速させよう。」


「ああ、了解した。では、俺は前線に出てそのように指示してくる。そのまま今日は俺が前線に立って指揮をとろう。控えめにする分、俺が陣頭に立って士気を上げるのと効率を上げて、魔王軍にそうと悟られないようにしなければな。」


「ああ、頼んだ。」


「じゃあ、行ってくる。」


初日はそのような形で一日を終えた。

勇者軍は中央を薄くしその分左右の厚みを増して魔王軍の左右軍を突破するべく、夜のうちに兵の再配置を終えた。


そして翌日、早朝から勇者軍は左右軍を中心に魔王軍に激しい攻勢を仕掛けるのだった。

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