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何度倒してもタイムリープして強くなって舞い戻ってくる勇者怖い  作者: 崖淵
第5部 終わりの始まり

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第75話 俺達の戦いはこれからだ!

第25周回 五月 大都市ゴブラン 勇者


しばし無言になるが、その静寂を破ったのはタスクだった。


「頭をあげてくれよ、勇者フミヒロ。」


恐る恐る頭をあげる俺。


「少なくとも俺は勇者フミヒロの指示に不満を持った事は無かったぜ。今回の開始時も今まで24周回分の割と詳細なレポートを出してくれてたしな。その周回の目標や要点は何で何を目指していたのか、結果的には何が敗因だったのか、よくまとめられていて分かり易かった。そして、それを踏まえて今回どうしたいかが書かれていた。まぁそういうの勇者フミヒロは好きなんだろうけどさ。でも俺達は今回の一回分しか知らないけど、毎回毎回俺達に分からせるためにああいうの書いてくれていたんだろう?あれ、結構大変だと思うけどな。少なくとも俺ならあんなレポート作成やりたくない。」


と言って笑った。だから少なくとも俺には不満は無かったぜとマミアを見るタスク。それに対して『余計な事を言わないの!』と秒でタスクの背中を平手で思いっきり張るマミア。ばちーんという良い音がしている。重戦士vs聖女と近接戦闘能力差は歴然だが、それでもあれは痛かったのではないだろうか。


―――痛ッ!


やっぱり痛かったようだ。


「私は色々言いたい性質たちだから、私たちのリーダーとは言え全部決められていて議論の余地があまりなかった事にモヤモヤとした物が無かったとは言わないけど、方針内容自体に不満があった訳ではないわ。しかもこれからはより相談して決めていきたいというなら、歓迎こそすれどそれを拒絶する必要性は全く感じないわ。」


ありがとう。ありがとう。


「ふふふ、やっとこのメルウェルの偉大さが分かって、頼りたくなったのデスネ。仕方ありませんね。大人の女性としての有り余る色気と包容力で受け止めてあげましょう。」


手を広げて俺を迎え入れる態勢をとる包容力の欠片も無いメルウェル。

ああ…ここだけは別にいいかな。見なかった事にして話を進める。マミアも同様だったようで、ちらっと横目にみたがそれには触れずに話を進めてきた。


「でも今後どうするべきか、ちょっとくらいは考えたんでしょ?」


「ああ、まず魔王軍の方針がこのまま帝都を落とす気なのか、撤退するのかでまた変わってくるが…まずは帝国内から魔王軍を追い払いたいと思っている。」


「倒すのではなく、追い払うのか?」


「ああ、そうだ。帝国に侵入した魔王軍の数は当初の想定よりは少ないみたいだが、それでも我が軍の倍以上いる。勝って追い払うのすら簡単な事ではないと思うが、これを更に正面切って全滅させるのは厳しいというか無理だ。」


「敵軍を全滅させる必要性があるのか?」


「ああ、出来るならば本当は地の利のあるここでアドラブルを討ち取りたい。だけどそのためには俺ら自体は北東攻防戦を経て大幅にレべルアップしたが、まだまだアドラブルと普通に戦って勝てるレベルには無い、まだ聖剣も無いしな。そうなるとアドラブルを討ち取れる可能性としては、軍団で押し包んで数の暴力で倒すしかなく、それには敵の軍を壊滅させる必要があるだろうということだ。でも、それは難しいと判断している。」


「そうね。それと相手には飛竜部隊がいるわよ。本当に危なくなったら、あれで逃げるかもしれないわ。それも考えるとここで討ち取ることは本当に難しいわね。だから絶対に討ち取らないといけないと大勝利か大敗北かといったギャンブル染みた策は最終的に逃げられる恐れもあるから割に合わないと思うわ。」


「そういえば、そんなのもいたな。で、勇者フミヒロ。追い払ったらどうする?というかその後の帝国内外の状況はどう動くと想定しているんだ?」


「正直分からない。魔王軍に深く侵入を許した事により人族の未来に危機感を感じて協力態勢になってくれるかもしれないし、魔王軍に帝都まで押し寄せた帝国恐れるに足らずと思われて、反乱軍は益々勢いづくかもしれない。…どっちかというと後者な気がするな。

そしてこのまま魔王軍を押し返せたとしても帝国北部から帝都にかけて、だいぶ魔王軍に荒らされてしまった。これら地域は復興が中心となり、戦力の供出は難しくなるだろう。北東部と北西部からは少しは期待できそうだが、そちらは元々豊かではないから、差引はマイナスだろうな。いつもよりも厳しい最終決戦になりそうだ。だから本当に切実に地の利があるここ帝国領内でアドラブルを討ち取りたいが、現状それは無理だとの結論に既に至っている。」


はぁ、と誰ともなく溜め息が漏れる。

そして無言になる個室内。みな事態の深刻さが分かっているのだろう。しかももうやり直しは効かないのだ。


「だからここでまず一戦して帝国内から魔王軍を追い払う必要があるのはもちろんだが、追い払った魔王軍はそのまま最終決戦に出てくる敵戦力となるわけだから、それを限りなく削る必要がある。理想はそれこそこちらが無傷で相手は全滅という話になる。それは無理にしろそれに近い結果を求められているのは間違いない。」


「厳しいわね。」


「ああ、未だ聖剣も無い。聖杖も無い。聖騎士の盾も無い。レベルも足りない。兵力も足りない。無い無いづくしだ。

それでも、俺と一緒に戦ってくれるか?」


「もちろんだ。」


「当然よ。」


「万事、このメルウェルに任せるですぅ。」


ありがとう。本当にありがとう。


この後、今後の戦略を決める話し合いは深夜にまで及んだ。

今日が新たな一歩。新生勇者一行の誕生だ!


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俺達の戦いはここからだ!

崖淵先生の次回作にご期待下さい。


とはなりませんので、ご安心を。

ということで第五部終了です。

とりあえず第六部で完結になると思います。多分。


大体ここまでが書き始める時に想定した大筋の部分ですね。

という事はここから先は…あれ?無い?汗

あれ?それなら、俺たちの戦いはこれからだENDでも良かったのか?(だめだろ


ということでちょっとだけ間が空くかもしれませんが、楽しみにお待ちください。

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