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何度倒してもタイムリープして強くなって舞い戻ってくる勇者怖い  作者: 崖淵
第5部 終わりの始まり

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第68話 攻略!要塞エルグレア

第25周回4月 要塞エルグレア前 アドラブル


目の前には難攻不落と言われる要塞エルグレアが悠然と佇んでいる。

魔王軍の大軍勢を何度も跳ね返しただけあって圧巻の一言であり、そして歴戦の雰囲気を漂わせている。

まぁ尤も城砦が歴戦の雰囲気を漂わせているという事は、色々と戦闘の傷跡が残っているという事でもあるのだが。

最前線の要塞の割りには思ったよりも荒れている印象を受ける。しかもこれだけ巨大な要塞であるにも関わらず要塞内の兵数は少ないと聞く。これだけ巨大だと守るのにも結構兵数が必要なんだけどな。勇者が帝国内の反乱鎮圧を優先させて、そちらに兵を割いた結果だな。しかしそれでも今までは精鋭である重騎士隊がいた。が、今は不在にしている。これならもしかしたら小細工無しの力押しでもいけるかもしれない。とはいえ、被害が大きくて良い事は何も無いから、作戦はあるんだけどね。


そしてその噂の勇者率いる帝国軍は北東攻防戦で勝利を収めるべく北東街道を進軍中だろう。ふふふ、今からこちらに向かっても絶対に間に合わないと言える。


要塞エルグレアの攻略法だが、攻城兵器が無いので土嚢を城壁の高さまで積んで乗り越える事とした。五万の兵が一人一つの土嚢を積み上げていければ、城壁の高さまでスロープを作る事ができるだろう。そうなれば城壁などあって無きが如しだ。

袋に土を詰めて城壁前に放り投げるくらいであれば、ゴブリン兵でも問題無く出来る。しかも夜陰に乗じてやらせるつもりだ。幸いゴブリンどもは夜目が効く。日中に実行して弓矢に狙われてハリネズミになるよりも夜中の方がいいだろう。


飛竜部隊は夜間飛行とか危な過ぎるので待機だな。

土嚢作戦前のこれからの時間で固定式弩弓バリスタの射程範囲外で陽動として多少ちょっかいをかけるくらいか。

こちらの狙いは飛竜部隊の運用で攻略を狙ってると思わせられればいいな。


さて、時間との勝負でもある。早速始めようか。

小手調べとばかりに二万の兵に盾を持たせて要塞前に歩を進めさせる。

この間、残りの五万の兵で後方に天幕を張らせるなど陣を作らせる振りをしながら、袋に土を詰めさせている。


さて、我が軍の兵が城壁からの矢が届く距離まで進むと、パラパラと矢が降ってくる。ほとんどの矢は盾に突き刺さりほぼ被害は無い。たまに運悪く並べた盾の隙間に矢が降ってきて、やられてしまう兵もいるがそれは仕方が無い。


しかし、本当にあまり守備兵がいないのだな。降ってくる矢は雨霰あめあられという感じではなく、あくまでもパラパラといった感じだ。だからといって盾が無ければ無視できる被害というではないが。本気で要塞を攻める気は無いので、そろそろと慎重に兵を進ませる。が、そこでブウンッという音と共に明らかに太い矢がゴブリンの持つ盾を弾き飛ばして魔王軍の真っ只中に着弾する。一本の矢で数人のゴブリン兵が一度に倒される。

固定式弩弓バリスタか。


これは脅威だな。そんなに数は無いので、普通の矢の方が被害自体は大きいのだが、盾が意味を為さないのでゴブリン兵が怯えてしまっている。

そして、飛竜の鱗も貫通する飛竜部隊の天敵とも言える武器だ。ただ、旋回等の取り回し性能は良くないので、下を向けて狙っている今なら飛竜部隊の攻撃チャンスかもしれない。


とはいえ、まだ4月で飛竜部隊の練度も高くはないから、矢を避けながら攻撃といった高度な事は出来ない。飛竜部隊の運用知識は周回を重ねるごとに蓄積されるが、隊員一人一人の訓練度自体は1月の時点では完全な素人に戻ってしまうからな。

高速で戦場や要塞上を突っ切って要塞の後ろ側に回り込んで固定式弩弓バリスタの目を引き付けるくらいで上々かな。

飛竜部隊にそのように指示を出した。


飛竜部隊は上手くやってくれ思惑通りに進み、固定式弩弓バリスタの照準が地上のゴブリン部隊に向く事はほとんど無くなった。そのため魔王軍は城壁近くまで進軍する事が出来た。しかし盾をもっただけのゴブリン兵が要塞エルグレアの高い城壁に対して何かが出来るわけでもなく、夕方になったこともあり兵を退かせた。

要塞エルグレアに対して為す術も無くゴブリン兵が撤退していったので、城壁上からは凱歌があがっているのが聞こえる。

魔王軍の主力であるゴブリン兵が城壁に対して無力である事、そんな中で要塞の城壁を無視できる飛竜部隊の存在を敵の目に焼き付かせた。

明日からは飛竜部隊を軸に何らか攻撃してくると十分に思わせられただろう。


そして日が落ちて、辺りはすっかり暗くなった。城壁上にはいくつか篝火が炊かれており、夜襲の警戒をしているようだ。

しかし元々の守備兵が少ないせいかその数は少ない。

それはそうだろう。この魔王軍の大軍を何日も…場合によっては最長で1カ月程度はここにいる兵だけで防がなくてはならないのだ。休ませられる時に休ませておかねばとてももたない。

しかし、ここは一気に行かせてもらおう。


昼間攻撃に出たゴブリン兵二万は休ませ、残りの五万余のゴブリン兵に余さず土嚢を持たせた。そして夜陰に紛れて静かに要塞へ移動させる。


篝火の数も少なく当直の兵も少ないのか、かなり近づいてもまだ気付かれていないようだ。だが、ここから先は流石に気付かれるだろう。事前の作戦通りここから一気に要塞の城壁まで土嚢を積み上げる!


「いけっ!」


短く静かに指示を出す。

数万のゴブリンが土嚢をもって次々に要塞に近づき城壁前に土嚢を投げ積み上げていく。

その時点で要塞側も気付いたのか笛やら鐘やら鳴り物が立て続けに鳴り響く。それに構わずどんどんと土嚢を積み上げていく。やっと迎撃態勢が整ったのか、ぱらぱらと矢が降ってくるがその数は少ない。構わず土嚢を積み上げさせる。


それなりに時間はかかったし防衛側の矢などでそれなりに被害は出たが、15m余りある城壁の高さまで土嚢が積みあがり、多少足場は悪いが城壁までの土嚢のスロープが出来た。

よし、後はもう数で押すだけだ。


「全軍、突撃だ!」


―――うおおおおおおっ!


深夜に兵達の叫びが轟く。

土嚢のスロープを数万のゴブリンが駆け上がり、要塞内に雪崩れ込む。


衆寡敵せず、その夜の内に難攻不落を誇った要塞エルグレアは陥落した。

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