海底遺跡で初めての精霊契約
更新が遅れました。
年の瀬で不定期の更新になるかもしれませんが、よろしくお願いします。
拝啓 お父さん、お母さん。
優月は、海底遺跡に来ています。今はパンドラボックスを倒そうとしているところです!
「この宝箱の蓋を開けようとしたら、戦闘が始まるんだよね…いざ!」
宝箱を開けようとしたら、パンドラボックスが襲いかかって来た
「主、避けろ!」
「言われなくても分かってる!」
パンドラボックスの攻撃を避け、距離を図る
ここは魔法で動きを止めよう
水属性の魔法発動!絶対氷葬!!
パンドラボックスにマ○ャド○ス級の氷が降り注ぎ、運良く凍った
「フローラ、今だ!」
「これで止めだ、次五界雷!!」
片手剣を両手で持ち、剣先を地面に突き立てると紫がかった巨大な魔法陣がパンドラボックスの真下に発動する。
お察しの通り、ジ○ス○ークだ
天を衝くほどの極太の黒紫色の雷柱が激突。
轟音と共に、パンドラボックスの叫び声すら聞こえないほどの衝撃波が部屋を満たす。
雷が止むと、そこにはパンドラボックスの影も形もなく、焦げた石畳が残っているだけだった
「「………」」
「ふぅ…やっぱりこの雷鳴剣だと出来るんだなぁ…」
「…(主の今の攻撃を受けてしまえば、跡形もなく消し去ってしまう。容易く発動してしまうとは…凄まじい力だ)」
「アイテムがドロップしてる!!」
ひゃっほう!
パンドラボックスがいた辺りに小走りする
鑑定!四次元の収納布
収納アイテムでパンドラボックスの中身が無限という特性を浄化して抽出したマジックバッグ。
……アイテムボックス持ってるから、必要ないかも…
『待て、主よ。よく見てみろ』
え?…なになに…生き物(従魔)を時間停止状態で収納できる超希少品…?!
『これがあればアストラルたちが留守番することもなくなるぞ』
それは便利すぎる!これは画期的なレアアイテムだ!
『四次元の収納布があれば、どこでも我らが姫君に着いていくことが出来るのだな。…そしていかなる時も呼び出すことが出来ると』
そうだね。これで、私が一人で古の番人を倒す時が来てもいけそうだね
『お嬢は一人でも簡単に従魔にしてしまうじゃないですか』
それは心外〜。私は純粋に戦闘を楽しんでるだけであって、一人で簡単になんてしてないから
『無自覚だな、主君。だからこそ強いのだろうけどな』
「フローラ、いいアイテムだった?」
「うん!あ、階段だ。アストラル、最下層まで駆け下りよう。魔物が出てもみんなの魔法で倒せばいいし」
「………そうしよう。だが、魔法は我らだけにしてくれ。姫君が魔法を発動してしまえば我とて防ぎ切れるか分からん」
「分かった」
再びアストラルの背中に乗り、最下層まで降りた
海底遺跡の最下層は、ボス部屋まで一直線で周りに水路が多くあった
「……ここが、ボス部屋」
部屋は壁の横から水が流れていて、神秘的な場所だった
「…姫君、来るぞ」
「!」
『………侵入者を発見。排除します』
姿を現したのは、影のように暗く女性の形に型をとった全身が水で覆われた魔物だ
「お嬢、あれがリトスです。気をつけてください」
「……アストラル、みんなのことお願い。私一人で戦う。リトスは水属性と闇属性持ちで魔法無効化するんだよね?」
「あぁ、その通りだ。…姫君、いけるのか?」
「……大丈夫。魔法を試すから離れてて」
「承知した。皆、我の後ろに下がれ!姫君の指示に従うぞ」
『……貴女は異端者、ですね。ここで排除させてもらいます』
言葉を喋るなんて、闇属性に自我を奪われてる割に知能が高いってことなのかな。
いや、それよりも精霊契約までに持ち込まなきゃ
「できるものならやってみろ、リトス!こちらは本気で行かせてもらう。光属性魔法発動!神滅天雷!」
ギ○デ○ン級の雷がリトスを直撃する、が効かなかった
『無駄です。こちらには一切魔法は通じません。これでも喰らいなさい!』
リトスが強力な水魔法を放ってくるが、私は避けていく
「次だ、水属性の魔法発動!絶対氷葬!!」
『無駄と言ったでしょう?そのまま魔力切れを起こせばいい』
容赦ない攻撃が私を襲ってくる。無属性結界:絶対防御で防いでいるけど、リトスの攻撃の手を止めないと契約まで持っていくことができない。……どうすれば
「いちか、ばちかやるしかない!!」
火属性魔法発動!灼熱煉獄!そのまま続けて光属性魔法発動!虚無崩落!
私は連続でメ○ガ○アー級の魔法とイ○グラ○デ級の爆発をリトスに放った
『……っ?!』
「これでも喰らえ!!ギ○ブレ○ク!!」
魔法を放ったあと、すぐにアイテムボックスから雷鳴剣を取り出してリトスに雷攻撃をした
「主、契約しろ!」
「言われなくても!!我の願いに応え、共に行こう。──無限の聖域!」
手を差し出すと、足元から黄金の光が広がり、海底の闇を塗り替えていく。無属性の膨大な魔力が聖域となり、リトスの全身を優しく包み込んだ。
『──お見事です、フローラ』
そう言い放ったリトスの額に、フローラの瞳と同じ色の紋章が一瞬浮かび、消える。
闇のように暗かった水が透き通った綺麗な青色の水になっていた。
「…成功した?」
『えぇ、フローラの精霊契約は成功しました。僕はこれより貴女を主様と認め、生涯仕えましょう』
ぼ、僕……ってことは男の子?
『いえ、正確に言えば古の番人である僕とクロノスには性別という概念はありません。他の精霊…、精霊王や上級の精霊ならば性別は存在します。中級や下級は魔力が少なく、性別は決まっていません』
「リトスの強さは精霊王とかと互角ってこと?」
『……どうでしょうか。僕は神々により創造した古の番人です。精霊王よりかは優れているとだけ言っておきましょう』
精霊王って強いのかな…
「…姫君よ、念の為に言っておくが精霊王の強さは一国を数秒で沈める力を持っているのだぞ?熾天使ともやり合えてしまう強さだ」
「でもそれより優れてるリトスを従魔にしたけど?」
「それは……」
『主様の魔力が闇に囚われた僕を救ってくれたのです。本来であれば契約など出来ません』
「精霊契約って出来ないの?」
「当たり前だ!お主は如何に規格外であるか自覚を持て!!伝説の魔物である我を従魔契約しておいて、自覚しとらんのか?!」
「え、だって普通に契約出来たし…そりゃ魔力が∞だから出来たことは分かってるけど…精霊や魔物は認めた相手に契約とかしないの?」
「せんな。例え認めても契約するわけが無い。契約というのは、契約者の生涯終えるまで仕えなければならないのだ。こちら側に得がない」
「へぇ、そうなんだ」
『主様、契約にあたって僕の名前を付けてください。アストラルやヴァイスのように』
「リトスじゃ駄目なの?」
『主様から名前を貰いたいのです。…僕の今の姿は主様が望めば好きな形になれます』
「……猫の姿とかも?」
『もちろんです』
そう言うとリトスは女性らしい姿から可愛らしい猫の姿へと変わった。透き通った水なのは変わらないけど
「アティはどう?アクアから崩してみたんだけど」
『アティ……ありがとうございます、主様。気に入りました』
「良かった。これからよろしくね、アティ」
『もちろんです』
「フローラ、おめでとう」
「ありがとう、ジーク様」
「俺は何も役に立てなかったけどな」
「そんなことない!ジーク様と海底遺跡に来れて嬉しいの!…ジーク様が見つけてくれたんだよ?十分役に立ってるって」
「フローラ……」
『……これは』
『アティ、主とこの若造は婚約者なのだ。所謂、両想いというやつだな』
『そうでしたか。それで僕たちの存在を忘れて甘い雰囲気になっているのですね』
『そうだ。2人きりの空気にしてやってくれ。主がそろそろ突っ込む頃だからな』
「ちょっと!好き勝手言わないでよ、レヴィ!!」
『言っただろう?』
『レヴィは主様と仲が良いのですね』
『我が主の初めての従魔だからな。この中では一番付き合いが長い』
『待て、レヴィ。我は姫君にとって初めての古の番人だぞ?付き合いもそれなりに長い』
『アストラルがそう言うなら、僕は主様にとって初めての精霊ですね』
なんかまた言い始めた…。
なんで張り合うんだろうね?
次回!世界の記憶の番人、アティから語られる世界の歴史!
「…収拾ついてない。どうしよう」
「フローラ、暇なら俺と話さないか?」
「ジーク様…!そうだね、何を話す?」
「……フローラの好きなものとか教えてくれないか?」
「好きなもの?……ジーク様かな」
「っ、……そうか」
あ、ジークベルト様が照れた
可愛いなぁ




