表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/51

いたずらを仕掛けるのは甘い一時を過ごしたいから

拝啓 お父さん、お母さん。

ジークベルト様にいたずらを仕掛けようと思います。だって、こんな可愛いのを見ちゃったらいたずらしたくなるよね!!


「ジーク様、ベッドに横になって!」


「フローラは横にならないのか?」


「私はジーク様の上に乗るから大丈夫」


「そ、そうか…(今日のフローラは積極的だな)」


ジーク様がベッドに横になったのを確認し、私はその上に乗る


「ジーク様、重くない?」


「全然。むしろ軽いから心配になるな」


「心配?」


「あぁ、フローラはもっと食べないといけないな」


「食べてるよ。それより、えいっ!」


「っ?!フ、フローラ、待ってくれ…!」


私はジーク様をくすぐり始めた。脇を攻める


「ジーク様、ここ弱いんだね?」


「ははっ、いや、待て、…っ!くすぐった、」


途切れてるや。こんなに笑うとは意外な一面だなぁ…


「じゃあ脇腹は?」


「ちょ、くくっ、止めてくれ…!」


「………」


私は一旦手を止める


「…はぁ。いきなりくすぐってくるなんて、何をしたかったんだ?」


「ジーク様の反応を見たくて」


「見ても何もないだろ?」


「意外な一面見れたよ。それが嬉しい」


「……だが、もうくすぐらないでくれ。我慢してるって言っただろ?」


「えー…」


そう言いながら脇腹を触ろうとすると、ジークベルト様が脇腹を手でガードする


「フローラ?その手を止めなさい」


「じゃあ、脇腹は止めて足裏をくすぐるね」


「は?」


私はジークベルト様の足裏を爪で触り始めた


「フローラ、やめっ、…っ!」


あ、くすぐったいんだ。声を押さえてるけど、肩が揺れてるし


両足をくすぐる


「フローラ待った、ストップ」


ジークベルト様は後ろから抱きしめてくる


「くすぐったかった?」


「見たら分かるだろ。笑い疲れるからもう止めてくれ」


「…分かった」


「……焦らなくていい。俺たちは俺たちのペースで進めばいいんだ」


「でも、邪神倒すまで触ってくれないなんて...」


「俺なりのけじめなんだ。フローラのことを大切にしたいから」


「……分かってる、けど…」


「…抱きしめるだけじゃ、足りない?」


「…………うん」


「…本当は俺もフローラに触れたい。だが、フローラを傷付けなくないんだ」


「私が好きっていう前は口にしてほしかったとか言ってたのに...?」


「それは…」


「それに、私からはキスしたけどジーク様からキスされたことないもん」


「………(大切にしたいと、理由を作って逃げているのは俺の方だよな。こんなにも、フローラは想ってくれてるのに...情けないよな)分かった」


「え?……」


目を閉じたジークベルト様が近付き、一瞬だけお互いの唇が重なる。私は驚いて目を開けたままだった


「…もう一度していいか?」


「………聞くのはずるい。……確認とらなくていいよ」


「…ありがとう、フローラ」


また唇が重なる。さっきよりは長めに。

何度か唇を重ねた後、いつの間にかジークベルト様にベッドに押さえつけられていた


「……我慢出来なくなった?」


「………俺が好きな人と過ごしていたらそうなるのは自然な事だろ。……ここで止めておかないといけないな」


「…我慢しなくていいのに」


「煽らないでくれ、フローラ。俺たちはまだ婚約関係だ。夫婦にならないとそれ以上は出来ない決まりだということは知っているだろう?」


「初耳…」


「…そうか。この世界では婚約関係であっても夫婦でない限りそれ以上は出来ない。…今から夫婦にもなれない。夫婦になるには俺がフローラにプロポーズをして受け入れてくれないとな」


「今だったら受け入れるのに…」


「一生に一度の一大イベントなんだ。ちゃんと準備してからプロポーズさせてくれ。……世界が平穏になったら、言うから」


「……それだと邪神を早く倒さなきゃいけないじゃん。今すぐ倒しに行きたい」


「いくらフローラが強くても、古の番人が五体揃わないといけないだろ?…もう少し待っててくれ」


「…じゃあ、キスして?」


「仕方ないな…」


ジークベルト様がキスをしようと顔が近付いてきた次の瞬間、レヴィたちが窓から帰って来たようで思わず私はジークベルト様を突き飛ばした


「なんだ?邪魔をしたか?」


「全然!お帰り、レヴィたち!」


「………(良いタイミングで邪魔をされてしまった)」


『主よ、若造と何をしておったのだ?』


何でわざわざ念話で聞くの?


『若造に聞かせたくないだろう。我なりの配慮だ』


ジークベルト様には聞こえなくてもアストラルたちには筒抜けじゃん…


『姫君、気にするな。我らも気になってはいるからレヴィが率先して聞いているまでよ』


気になってはいるんだ…

んー、特に何もなかったよ。ジークベルト様をくすぐっただけだし


『お主は余裕そうだな』


だって、ジークベルト様が奥手なんだもん


『公爵が奥手?手慣れているのではないのか、姫君』


ううん。私が初恋だって言ってたし、付き合うのも何もかも初めてだって


『…そうだったのか』


チェリーボーイだよチェリーボーイ!


『『チェリーボーイ?』』


従魔たちの声が揃った…。聞き慣れない言葉なの?


『初めて聞いたな。主君の言うチェリーボーイはどういう意味だ?』


童貞のことだよ。私が初めてってことはそういうことになるって


『……いかにも女慣れしてそうな顔をしているのに、童貞なのですか。公爵は』


ヴァイス、しっ!!ジークベルト様に失礼だよ!来るもの拒まずって感じな顔をしてるけど、あのわがまま姫を拒否してたからね


『そういえばそうでしたね。ところでお嬢、わがまま姫の声は元に戻したのですか?』


戻すわけないじゃん。全く反省してないし、王様が説得してるみたいだけど私は悪くないって一点張りだとか


『………厄介ですね』


そのまま暫く、声を出せない生活を送ればいいよ。いつか不便だって感じる時が来るから


『姫君、話は変わるが我らの進化を見たくはないか?』


え、進化って?


『お主が我らの進化あいてむを使えば、今以上に強くなるということだ。今の見た目は変わらんが元の姿に戻った際に強力な技を放てる』


アストラルはともかく、レヴィやヴァイス、イグは元の姿に戻れるの?


『我はお主の命令があれば元の姿に戻ることは出来る。ヴァイスとイグもそうだろう?』


『そうですね。お嬢が私に命令してくれれば戻れます』


『俺も主君の命令で戻れるぞ』


し、知らなかったんですけど…。そもそも、それぞれ進化するんだね


『姫君の力があってこそ成り立つことだ。逆に言えば姫君以外は仮に進化あいてむをドロップしても使い道がない』


じゃあ、進化アイテムをドロップすればいいの?


『いや。先ほど我らで取ってきてあるのだ』


用意周到すぎ!!3分クッキングも驚きの早さだよ...


『3分クッキング…?』


知らない?3分で料理する番組


『知るわけないだろう…。お主の世界は色々あるのだな』


従魔たちと念話していると、後ろから抱きしめられる。


「……また俺を放ってレヴィ殿たちと話しているのか?フローラ」


「…ゴメンナサイ」


「今度は何を話していたんだ?」


「……レヴィたちが進化するって話。アイテムも取ってきてあるって聞いて、3分クッキングも驚きの早さだよって言ってたの」


「3分クッキング…?」


あ、ジークベルト様も知らないんだ。首をかしげちゃった、可愛い…


「とにかく!明日試してみようよ!みんなの進化見てみたいし」


「明日が楽しみだな、フローラ」


次回!進化アイテムで新たに得た技でも無属性の前では意味を成さない…?!


みんな、強くなるんだったら手合わせとかしてみる?


『……強くなったとてお主に敵うわけないだろう』


え、ちょっとだけ!ちょっとだけ手合わせしようよ!


『…少しだけだからな?』


うん!レヴィたちは元の姿に戻ってもらってから、手合わせするからね!


『は?』


楽しみだな~!


『待て、主!我の声を無視するでない!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ