特訓の傍らに単独で森の探索をします
こんばんは!
皆さま、いつもありがとうございます!
ジークベルト様と従魔たちが専用技の特訓に励む裏で、フローラは単独で古代遺跡を探索!
そこである魔物と邂逅しちゃいます。
そして、ある魔物を倒したその先に待ち受けていたのは、古代遺跡の最奥で待ち構える巨大な魔物、黒炎を纏うケルベロス!
フローラはどう立ち向かうのでしょうか…?
では、そんな33話をどうぞ!
拝啓 お父さん、お母さん。
これからジークベルト様と私の専用技を生み出したいと思います。無事に習得出来るように祈っててください。
『そんな上手くいくのか?主よ』
多分大丈夫だって。特訓すれば出来るようになるでしょ!レヴィ、アストラル、ヴァイス手伝って
「ジーク様、片手剣を持って構えて」
「…こうか?」
「私はさっき使った双剣を持って…」
レヴィは水魔法、アストラルは土魔法、ヴァイスは風魔法を打ってきて
『『御意』』
従魔たちが放ってきた魔法を私は双剣で相殺する。
「「………」」
「なんでそんなに驚いてるの?双剣で魔法を打ち消しただけじゃん」
「驚かない方が無理あるわ。我らの魔法が双剣だけで打ち消されたのだぞ?主は一体何をしたのだ」
「なにもしてないよ。普通に双剣で魔法を斬っただけ。あれをジーク様にもしてもらおうと思ってて…」
「出来るわけなかろう!!」
「えー…」
「お主が規格外だということをもっと自覚しろ」
「でもジーク様がそれを習得出来たら、私とジーク様の専用技を生み出せるかもしれないのに...」
「分かった、やってみよう」
「本気か若造。怪我をしても知らんぞ」
「構いません。俺はもっと強くならなければならないのです。今のままだと、フローラに追い付けないので」
「……そうか。ならば若造の稽古は我ら従魔でつけてやる。主はどうするのだ」
「んー…じゃあ、この辺を探索してくる!あ、あとこれ。回復薬と魔力回復薬を置いていくから飲んでね~」
「いつの間に...」
「無属性魔法で作ったやつ。効き目は抜群だから。飲みやすいようにレモン水風味にしてるから」
「レモン水?それはなんだ、フローラ」
「レモン水知らない?」
「水は分かるが、レモンは聞いたことないな」
えぇ…?異世界だからレモン無いのかな?何て言えば良いのか。酸っぱい果実なんだけどな…
『酸っぱい果実のことなら、エール・シトロンだな。あの黄色い果実のことだろう?』
そう!ここではエール・シトロンって言うんだ
「公爵、姫君は回復薬と魔力回復薬をエール・シトロン風味にしたらしい」
「なるほど、エール・シトロンのことか。フローラ、レモンはどこで聞いたんだ?」
「え、えっと…」
ここじゃない、日本でなんて言えない。何て言えば...
「若造。そんなことよりも早く稽古を始めるぞ。主の生成した薬で怪我や魔力切れの心配は必要なくなったのだ、存分にやり合おうではないか」
「そうですね。…フローラ、必ず習得してみせるよ。だから待っていてくれ」
「頑張って、ジーク様」
レヴィ、ありがとう助かった!
『今はまだお主が元いた日本とやらの話はまだ話す気はないのだろう?我を褒めるが良い』
レヴィの進化素材がドロップしたら使うからね!
『分かった』
『姫君、気を付けて行ってこい』
うん、分かってるよ
『お嬢、何かあれば呼んでください』
はーい!
「行ってきまーす!」
「行ってしまったな…。若造、我の水球をまずはその剣で斬ってみろ!」
「はい!」
………
……
「久しぶりに一人になった気がする…。とりあえず森の探索しようっと!魔物、何がいるかな…」
ジークベルト様には特訓を頑張ってもらわないとね。私がいるとまた卑下しちゃうかもだし、いない方が捗るでしょ
森を探索していると、古代遺跡らしい物が見えた。
「苔とかツタで覆われてるけど、いかにもファンタジーっぽい!こんな古代遺跡なんて、海外にしか無かったしテンション上がる!いざ、探検だ!」
古代遺跡の入り口を覗くと下に階段が続いていて、降りていくタイプの遺跡だった
「このタイプか…。よし、進もう!」
階段を降り、遺跡の中に入る。
「おぉ…中は意外と広い。遺跡の中なら魔法打っても良いよね。魔物狩り開始だー!」
意気揚々と私は魔物を見つけ次第、魔法を放った。ギ○デ○ン3回、メ○ゾー○4回、ヒャ○ル○3回。どれも手応えは無く、アイテムもそんなにドロップしなかった。
「もっと手応えのある魔物いないのかな…あ、階段だ。もっと下の階層にレアな魔物がいるかも!」
── 一方その頃…
「若造、もう一度行くぞ!水球!」
「はぁっ!!」
レヴィの放った水球を半分に斬るジークベルト。
「公爵、出来たな」
「おめでとうございます、公爵」
「この短時間で習得するとは、貴様も中々やるではないか」
「ありがとうございます。…ですが、これでもフローラの足元にも及びません。もっと、強くならなければ…」
「……若造、無理をするな。おそらく主も望んでおらん。今の若造は我の知る限りでは十分に強い」
「……レヴィ殿」
「レヴィの言う通りだ、公爵。そんなに強くなってどうするのだ?」
「…フローラの、彼女の隣に居ても恥ずかしくないようにしたいのです。彼女は能力を隠していますが、それを守れるくらいに強くならなければ守れませんから」
「……では、そんな公爵に私たちから技を伝授しましょう。それでも構いませんよね?」
「…っ!お願いします!」
………
……
「レアドロップ、キター!!」
時は20分前に遡る。
私は下の階層に降りて探索をしていたら、パンドラボックス・亜種に遭遇した。宝箱を見つけたら誰だって開けたくなる衝動に名前をつけて欲しい。
開ける前に鑑定をした。鑑定は大事。
パンドラボックス・亜種
属性 闇属性
スキル 擬態・即死の息
そ、即死の息?!効果は…その息を微量でも吸い込むとその者の息の根が止まるってヤバすぎ…吸い込まないように気を付けなきゃ
「パンドラボックス・亜種!レアドロップアイテムを頂戴する!覚悟!!」
双剣を持ち、パンドラボックス・亜種に攻撃を仕掛ける。
「風と光属性の混合魔法!光速結界!からの、風属性魔法発動!疾風神速!そして灼炎の円舞!!」
くぅ~!効かないのか!即死の息を結界で防げるなら、他の攻撃を試してみようっと!
「闇属性なら…こっちの片手剣で試す!!」
光属性のある雷帝鯨の素材を使った片手剣…とりあえず雷鳴の剣とか適当に呼んでおこう。剣の名前はまだ考えてないから後で考えるとして、パンドラボックス・亜種を倒さなければ!
「これでも喰らえ!ギ○ブレイ○!!」
雷を纏った剣でパンドラボックス・亜種を斬り付ける。ダメージが通ったようで、魔物の猛攻が止まる。
「今が好機!止めは光属性魔法発動!神滅天雷!!」
ギ○デ○ンがパンドラボックス・亜種に直撃する。どうやら倒せたようだ。
「煙になって消えた…って!ドロップアイテムだ!!」
パンドラボックス・亜種がいた場所まで駆け足で行き、ドロップアイテムを拾う。
「鑑定!虚空の仕立て糸っ?!何々…織り込まれた物質に亜空間収納機能と即時転送機能を付与する…?!」
それって、チートなのでは…?!
だってまず亜空間収納機能は、この糸を少量縫い込んだドレスとかポーチは容量無制限のアイテムボックスとして機能して、即時転送機能は糸で縫った服を着てる間、登録したアイテムをどこでも瞬時に取り出すことが出来るってことでしょ?!
「流石、パンドラボックス・亜種…」
ハッ!このアイテムでポーチとか収納を作って、ジークベルト様とお揃いにすれば敵襲にも即座に対応できるしアイテムボックスを開く手間が無くなるのでは…?
「よし!そうしよう!あとはこの遺跡のボスがいれば倒してから皆のところに戻ろうかな」
と思っていると、この部屋の奥に扉があるのに気付いた。
「パンドラボックス・亜種が大きすぎて見えなかったのか。ボスが居るかも!蹴飛ばしてしまえ!!」
風属性魔法発動!疾風神速!
魔法で加速し、重厚な扉を蹴飛ばし中に入る
「……でっかい、ケロベロス…?!」
次回!黒炎を纏いしケロベロス!対抗する蒼渦の円舞曲!
ど、どうしよう。私一人しかいない。
レヴィたちにも見て欲しかった…!
ま、倒して従魔にしてからでも遅くないよね!
ケロベロスを倒せるなんてテンション上がってきたー!!
第33話、お読みいただきありがとうございました!
ジークベルト様の献身的な特訓と、フローラの天真爛漫な遺跡探索が並行して描かれ、物語が急加速しましたね!
フローラは『アビス・スレッド』という恐ろしいほど便利なチートアイテムを手に入れましたが、その直後に、ついケルベロスと単独で遭遇!
フローラは、ケルベロスを「大物のボス魔物」としてテンションが上がっています。
次話では、フローラvsケロベロスによる激しいバトルが展開します!
火と闇の黒炎を纏うケロベロスに対し、フローラの放つ水魔法の円舞「蒼渦の円舞曲」は通用するのか?そして、ケルベロスを従魔にするためには、その闇をどう打ち破るのか…
次回、第34話をお楽しみに!




