2章完結!Crazy for you.
こんばんは!
皆さま、いつもありがとうございます!
わがまま姫への怒りの鉄槌と、ジークベルト様の奪還劇を終え、ようやくサージェント家に帰宅したフローラ。
レヴィがフローラを強制的に二人きりの状況に追い込み、ついに読者が待ち望んだジークベルト様への告白が実現します!
フローラの真っ直ぐな想いに、ジークベルト様からも愛の言葉が。そして、その愛の囁きと共に、彼の「誰も知らなかった意外な真実」が明かされます。この事実は、あなたの想像を超えるでしょう……!
二人の絆が深まり、物語が新たな局面に突入する、第2章完結編。フローラとジークベルト様が選ぶ「未来の決意」を、ぜひ最後まで見届けてください!
拝啓 お父さん、お母さん。
わがまま姫の既成事実(結婚式)を無事回避することが出来ました。私はジークベルト様をお姫様抱っこをして家に帰ってきたところです。
「…誰もいないや」
『人の気配はあるぞ』
「え?」
「フローラ?!帰ってきたのか?!」
なんかカイトパパの声が階段の上から聞こえた
…数分後にカイトパパが焦った顔で階段を掛け降りてくる
「…ただいま戻りました、お父様」
「フローラ、この状況は…?!」
「えっと、実は話すと長くなるので短めにで言います。……ラゼボ王国の王女殿下がジークベルト様と結婚式を挙げようとしてました」
「は?!」
「安心してください、阻止しましたから」
「フローラが、か?」
「いえ、従魔たちの力を借りてですわ」
「……そうか。ともあれ無事で良かった」
「お兄様方とお母様は?」
「………アーチャー公爵家に向かった。アルフォンスから先ほど、連絡を受けて一目散に飛び出して行ったんだ」
「私が帰ってきた時にはもう出て行った後だったのですね」
「あぁ…。彼からフローラが従魔を連れて結婚式場に現れたまでは覚えていると話していた。目を覚ましたらいつの間にか家に帰っていたとね」
「…そうですか」
「……フローラはもう休みなさい。3人には言っておくから」
「ありがとうございます、お父様」
「後で聞きたいことがあるから、また話そうか」
「……分かりましたわ」
多分、ヴァイスのことだよね…。帰ってきたら従魔が増えてるなんておかしいって思うよ
『お主が可愛いからとまた言うのではないのか?』
そうなるかな?
『なるだろう、おそらくな』
まぁとりあえず、部屋に戻ってジークベルト様をベッドに運ばないと
『寝ている若造をきすで起こさないのか?』
「っ?!もう!!」
「フローラ、?急に声を出してどうした?」
「何でもありませんわ。私は部屋に戻りますね」
自室に戻り、ジークベルト様をベッドに寝かせた
「レヴィがあんなこと言うから...」
「主が声を出すのが悪い」
「酷くない?私はレヴィの主だよね?この状況を楽しんでるでしょ」
「早く夫婦になれとは思っているな」
「えー…」
「それは我も同意だ。姫君、公爵に伝えないのか?」
「伝えるって?」
「もちろん姫君の気持ちだ。公爵は貴女から好きと言ってくれるのを待っているのだぞ?」
「……そうだよね」
「若造をわがまま姫に取られまいと、瞬間移動の魔法を使ったではないか。お主自身、何故行動に移したか分かってると思うが?」
「………」
レヴィの言う通りだ。私は、ジークベルト様のことを誰にも奪われたくなくて、わがまま姫のしたことに対して怒って、乗り込んで助けたんだ。……この人しか居ないって思えた
「……その気持ちがお嬢の答えなのですね」
「…うん。いつの間にか私は、ジークベルト様に夢中になってたみたい」
「答えが出たのなら早いな。寝ている若造にきすをすれば良い」
「なんでそうなるの?!」
「あの時、若造を助けるためにきすをしていたではないか」
「あれは緊急だったし、勢いと言いますか...」
「言い訳をするでない、主。……アストラル、ヴァイス。主と若造の二人きりにするぞ。そうしないと話が進まん」
「え?」
「そうしましょう。お嬢、公爵にキスするのですよ」
「姫君、我らは狩りにでも行ってくる。その間に告白でもしてくれ」
「待って?え?」
「主、アイテムボックスを共有してくれ」
「レヴィたちにアイテムボックスを共有、いやまっ」
私が言い切る前にレヴィたちは出掛けてしまい、ジークベルト様と二人きりになってしまった
き、気まずい…。いや、寝てるから良いんだけど…どうしたらいいんですか?!教えてください!!
「………っ」
キスするしかないのか?こんな顔面偏差値が高くて無防備なジークベルト様に?!やっぱこの異世界、RPGじゃなくて乙女ゲームなのでは?!RPGにこんなシーンない、いやあったっけ...あったような、なかったような
もうするしかない!迷うなら行動に移さなきゃ!
私はジークベルト様の上に乗り、ベッドに両手を付いて彼の唇にキスをした
恥ずかしい…!軽く触れただけでも無理!
上半身を起こす
「…………ん?」
「……(あ、起きた)」
「………フローラ、?」
彼は上半身を起こして私を抱きしめた後、私の頬に手を添えた
「…おはようございます、ジーク様」
「……ここは、君の部屋か?……教会にいたはずじゃ…まさかフローラが魔法を使って?」
「…正解です。ジーク様には眠ってもらいました」
「……そうか。………すまなかった、フローラ」
「え?なんで謝って…」
「俺が不甲斐ないばかりに、エステル様の思惑通りになってしまったんだ。アストラル殿の魔法無効化が無ければ、抵抗することなく操られていた…いや操られた事実は変わらないか」
「…そんなこと無い。ジーク様は最後まで抗ったんでしょ?アストラルからそう聞いた。ジーク様は悪くないよ」
「フローラ、だが...」
私はジーク様の両頬を手でむにむにする
「これ以上、自分のことを卑下しないで。…私の大切な人の悲しそうな顔なんてみたくない」
「………」
「ジーク様のことが、好きだよ…だから、私の好きな人の卑下なんて聞きたくない」
「フローラ、今……好きって言ったのか?」
「…………言った」
私はジークベルト様から目線を逸らす
「………本当に?」
「……うん。ジーク様のことが、好き」
「…っ、フローラ!」
ジークベルト様は強く抱きしめてきた
「く、苦しい…」
「ごめん、フローラ。嬉しくてつい…」
そう言ってジークベルト様は緩めることはなかったけど、苦しくなくなった
「そんなに…?」
「当たり前だ。フローラから好きだと言ってくれるのを待ってたんだ。……嬉しいに決まってる」
「………そっか」
「……俺もフローラのことが好きだ。いや、愛してるの方が正しいかな。……フローラ、もう一度聞かせて欲しい」
「…なら目を閉じて」
「……分かった」
ジークベルト様が目を閉じたのを確認して、私は彼の唇にキスをする
「………ジーク様、耳赤くなってるね?」
「…キスをされるとは思ってたけど、想像以上に堪えたんだ…」
「……」
「それに、俺にとって初めてのキスだったから...」
「………え、?初めて…?」
「初恋も、初めてのキスも、フローラが初めてだよ」
「…………」
「フローラ?どうした?」
はっ!やばい、宇宙猫になってた。このイケメンがチェリーボーイだと?!嘘だと言って!!こんな優良物件を世間は放っていたのか?否、放っておくはずがない!!
「ジーク様って今、何歳でしたっけ…」
「22歳だ。それがどうかしたか?」
「いや…」
「フローラと出会うまで、他人に興味が無かったんだ。お見合いも何度か申し込まれたが全て断っていた。もちろんエステル様の婚約もな」
「…そうだったんだ」
「……俺はフローラしか興味が無い。君に夢中なんだ、フローラ」
「………」
そんな真っ直ぐに目を見て伝えてくるなんて、ずるい…
「…キスも嬉しいが、言葉で教えて欲しい。俺のことをどう思ってる?」
「………私もジーク様のことが、s」
「今帰ったぞ、主よ!」
「ぐっ、レヴィ、勢いつけすぎ…」
レヴィは私の頭に勢い良く乗ってきた
「若造とどうなったのだ?したのか?」
「……したけど」
「………レヴィ殿」
「なんだ若造、残念そうな顔をしてるではないか」
「レヴィが空気を読まないからだろう」
「何を言うか、アストラル!」
「そうですよ、レヴィはもう少し空気を読まないと」
「ヴァイスまで言うのか?!」
「……まぁ、お帰り。ジーク様、続きはまた今度ってことで!」
「……あぁ。(肝心なところで邪魔をされてしまった)」
次回!3章開幕!三体目の古の番人の元へ、新たな国に行く?!
サコヴィナ王国とラゼボ王国以外に行くの初めてだ!
『主よ、結局若造とどうなったのだ?』
え?好きって言ったよ。でもレヴィたちが良いところで帰ってきたから、ジーク様は落ち込んでたよね
『我が悪いと言うのか?』
んー、タイミングが悪かったね
『主と若造は夫婦にならんのか?』
まだまだ先ですね
『何、だと…?!』
第30話、そして第2章完結まで、お読みいただきありがとうございました!
無事、フローラとジークベルト様が愛を確かめ合うことができ、作者としても感無量です。特にジークベルト様の「まさかの秘密」には、驚きと喜びの声を上げた読者の方も多かったのではないでしょうか。
そして、ここで皆様に感謝です!
おかげさまで、この作品の累計PV数が5,000PVを突破しました! これは、ひとえにフローラの活躍を熱心に応援してくださる読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
次回より、第3章が開幕です!
舞台は、サコヴィナ王国やラゼボ王国とは異なる、異文化の国へ。フローラは三体目の古の番人を探すため、ジークベルト様と共に未知の王国へと旅立ちます。
新たな土地で出会う番人はどんな性格なのか?フローラのチート魔法が巻き起こす騒動は?
次回、第3章をお楽しみに!




