【変遷の番人】ヘイズの攻略開始。チート能力VS即死の毒!
こんばんは!
前回、ダンジョンの最下層でまさかの『変遷の番人』ヘイズと遭遇したフローラ。
ヘイズが持つ「火属性無効化」と、触れれば即死の「猛毒ブレス」は、フローラの最強のチート能力をもってしても、手ごわい強敵です。
今回のエピソードでは、優月がゲーマー魂を爆発させ、チート能力を"戦術的に"進化させます!
「魔法が効かなければ、剣を作ればいい!」
『物質成形:即時細工!』で錬成した剣と、『疾風神速』による光速移動で、規格外のボス攻略が始まります!
そしてもちろん、勝利の先にあるのは新たな従魔契約!
ジークベルト様や従魔たちを再び唖然とさせた、優月の剣技もお見逃しなく。
白熱のヘイズ戦、どうぞお楽しみください!
拝啓 お父さん、お母さん。
巨大な黒い蛇との戦いが始まりました!
テンションが高くなってます。いかにも異世界って感じで!
ヘイズは霧状に放出してる…魔力かな
『その通りだ、姫君。我より一つ格下であるヘイズは常に魔力を放出していないといけないのだ』
なるほどね。ねぇアストラル、ヘイズに火属性は効かないんだよね?
『火属性を無効化するからな』
よし!じゃあ試すね!
『は?』
無詠唱で唱えられるけど、私は絶対口に出して魔法を使いたい派だからね!
「火属性魔法発動!灼煌焔滅!」
私はヘイズにギ○グレ○ド級の火魔法を放った。灼熱煉獄より威力は強いよ!
完全に無効化してないな。所々に黒い煙が出てる…やったね!
「…凄まじい威力だな、フローラの魔法は」
ヘイズは負けじと毒の息を吐いてくる
即死効果があるんだよね。後ろにはジークベルト様にレヴィとアストラルが居るから私が避けたら、皆に毒の息が当たっちゃうから風魔法で押し返すしかない!
「風属性魔法発動!風旋壁!」
高速で風を回転させ、物理的に毒の息を跳ね返す。
「毒の息を風魔法で跳ね返すとは…流石は主だ」
……毒の息を吐いてくる限り、ヘイズには迂闊に近づけないんだよね。近距離で毒を喰らったら即死してしまうし…しかも蛇だから動きが速い。こんなにも速かったっけ?ってなるくらいに
「主、避けろ!」
「わっ!ありがとう、レヴィ!」
もう少しで噛みつきを喰らいそうになった。
危ない危ない…
考えてる暇は無いみたい。とりあえず魔法を喰らわせよう。数撃てばアストラルのように動きが止まるでしょ
『姫君、まさかあの時のように撃ちまくるのか?』
うん!アストラルが居るからジークベルト様とレヴィには影響無いし!私の能力打ち明けたから!
『……程々にな』
大丈夫だって!4番目に強い古の番人がどれほど魔法に耐えられるか気になるし!
『我の時も試していたのか…?』
試したね。魔法無効化ってどんなもんなのかなって
『………』
『…アストラル、主は我と出会った頃からこうだからな。諦めろ』
レヴィ、酷い!誰だって無効化するなら試したくなるものでしょ?!
『そうはならんだろう…』
少なくとも私は試したくなるんですー!もはやゲーマーとしての性だよね。無効化されるのは分かってるけど、威力を最大限にしたらどうなるのかなって
『そうなるのはお主だけだからな』
まぁ、そこで見ててよ!
「ヘイズ!どれだけ耐えられるか、試させてもらう!まずは火属性魔法発動!灼熱煉獄!」
火柱がヘイズを包むが、この魔法は無効化されたみたいだった。
「やっぱ、灼煌焔滅じゃないとダメージ通らないか…。次!水属性魔法発動!絶対氷葬!」
空中で出来た氷の刃がヘイズを狙い、突き刺さる。
「動きが止まった、次だ次!これでも喰らえ!光属性魔法発動!神滅天雷!」
ギ○デ○ンがヘイズに直撃する。
しかし、ヘイズは耐えてみせた。
「ひゅー♪」
私は口笛を吹く。
中々やるじゃないの
「………(最下層に来るまでに何度も見た魔法だが、連発で発動するとは…フローラは本当に規格外の強さだ)」
「……(この魔法らを見ても尚、若造は主のことを受け入れているのか)若造、これが主の真骨頂だ」
「…そのようですね。この様子なら二体目の古の番人も容易く従魔にしそうですね」
「主のような婚約者で良いのか?」
「……俺はフローラ以外考えられませんから。彼女でいいのではなく、彼女がいいんです」
「ほう…その言葉、嘘ではないな」
「えぇ。逞しい婚約者で心強いですよ」
私はヘイズの攻撃を避けながら好機を狙っていた。3人の会話、全部聞こえてますけど。
『主、若造が婚約者で良かったな』
どういう意味かな?レヴィくん??
『そのままの意味よ』
私の能力を打ち明けても、理解を示してくれたもんね…心が広いよ、ジークベルト様は。
「しかし尻尾の攻撃が厄介だな…切り落とすか」
「…(普段の姫君の声より低い声が出たな)」
尻尾を確実に切り落とすなら、魔法より剣とかで物理的に切るほうが確実か…。
風属性魔法で自身の速さを強化して、瞬時に剣で切り落とそう。よし!
私はアイテムボックスから海に行った際に倒した雷帝鯨の素材である雷帝の超硬軟骨と魔雷結晶核の二つを取り出し手のひらの上に乗せあの魔法を使う
「物質成形:即時細工!」
チーン!と効果音と共に片手剣が出来る。
やー…便利な魔法だよねホントに。
雷帝の超硬軟骨は剣の本体(硬度と柔軟性)を成形し、魔雷結晶核は剣に雷の切断力を役割を担っている。
「……フローラは剣まで作ってしまうのか」
「…(主は侮れんな)」
「ヘイズ、その尻尾を頂戴する!」
剣を振るったことなんてないけど、ゲームで親の顔よりも見た剣の扱いを見よう見まねで試す、ぶっつけ本番だ!
風属性魔法発動!疾風神速!
疾風と神の速さを掛け合わせた、チート級の加速魔法!自身の肉体を光の速さに近付ける。
魔法だから肉体の負担はない。
そのまま私はヘイズの尻尾を切り落とした。
「「………」」
3人とも唖然としてるね。そりゃそうなるか。
剣をアイテムボックスに入れる。
ヘイズは尻尾を切り落とされその痛みから、暴れ始めた
「これで残るは毒の息のみ!だけどここで従魔契約に持っていく!」
加速魔法の効果が切れる前に私はヘイズに近づき唱える
「対象はヘイズ!我の従魔となれ!無属性魔法、無限の誓約!」
私の魔力がヘイズの魔力を塗りつぶしていく
「し、白い蛇になった…」
ヘイズは私に近付いてきて喋り始める
『貴女を私の契約者と認めます。助けてくれてありがとう、お嬢』
「お嬢?!やっぱ蛇も喋るんだね!!」
『長命種であれば話せることが多いです。古の番人は1万年以上生きてますので』
そう言いながらヘイズは私の首回りに巻き付いてきた
「あ、3人ともー!もうこっち来ていいよ!」
レヴィが一番早く私の近くに飛んできて、その次にアストラルとジークベルト様が一緒に来た
「…フローラは剣の扱いも出来たんだな」
「いやあれは見よう見まねで…初めて剣持ったし…」
「「初めて?!」」
私以外の4人の声が重なった
そんなに驚く?
「主よ、本当に初めてだったのか?あの剣裁き、見事だったが」
「だから初めてだって。もう一度言うけど剣を持ったことすらないし」
「私の尻尾を確実に狙ってきたじゃないですか…今はお嬢の魔力のお陰で、尻尾は元に戻りましたけど」
「手練れの冒険者でもフローラのように扱える人間は少ない。俺でも敵うかどうか…」
「いやいやいや…そんなわけ…」
「姫君もう一度、剣裁きを見せてくれぬか?」
「んー…まぁいいけど。ヘイズ、危ないから降りて」
「分かりました」
ヘイズが首から降りたのを確認して、アイテムボックスから剣を取り出し構える
双剣だったら舞ったりしたい所だけど、片手剣だしなぁ…。あ!ゲームお馴染みの片手剣での特技を使ってみるのもありかも!
『姫君、何もしなくてい』
よし!あれで行こう!
「ギ○スラッ○ュ!!」
皆がいる側とは反対側に技を放つ。
やっぱり!雷の力を宿してる剣だし、出来ると思ったんだよね!勇者の剣じゃなくても出来るんだぁ…
「「…………」」
あらら。またみんな唖然としちゃった
口が開いたままですよ
「……主、今の攻撃はなんだ?」
「え?ギ○スラッ○ュだけど」
「姫君は剣でもちーと級なのだな…」
「フローラに勝てない気がしてきた(そんなフローラも好きだが)」
「さっきのが普通の攻撃で良かった…(お嬢怖い)」
一言ずつ感想言わないでよ。反応に困るわ
ヘイズがまた私の首に巻き付いてくる
「あ!ヘイズ、ニックネーム付けなきゃね!私の従魔になったわけだし」
「お嬢が付けてくれるならなんでもいいですよ」
「蛇、蛇……白い…ヴァイスはどう?白って意味なんだけど」
「ヴァイス……ではそれでお願いします」
「よろしくね、ヴァイス」
「……お嬢、私からお伝えしたいことがあります」
「え?」
次回!ヴァイスが語る邪神。ラスボスは邪神で確定する?!
これは盛り上がって参りましたよ!
『……』
レヴィ、呆れてない?
『邪神と聞いただけでてんしょんが上がるのは後にも先にもお主だけよ』
そんなことないって。レヴィは邪神のこと知ってるの?
『知ってはいる。が我よりは古の番人が知っているだろう』
邪神ってどんな感じかな~
第26話、お読みいただきありがとうございました!
ヘイズの猛毒を『風旋壁』で押し返し、『疾風神速』で間合いを詰め、『雷鳴軟骨』の剣で尻尾を切断!優月が、ただの魔法使いではなく、「全知全能の攻略者」であることを証明するバトルでしたね。
そして、無事に契約完了!優月が名付けた新しい従魔の名前は「ヴァイス」に決定しました。白蛇のイメージと、優月のセンスが光る名前になったと思います!
これで優月のパーティは、レヴィ(水と闇)、アストラル(土と闇)、ヴァイス(風と闇)という最強の布陣に!
しかし、契約が完了した直後、ヴァイスから衝撃の事実が語られます。
ヴァイスの役目である「運命と魔力の流れの監視」は、その邪神とどう関係しているのか?
次回、ヴァイスが語る邪神の真実にご期待ください!




