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【RPGの夜明け】アストラルが語る『五体の古の番人』と攻略魂

こんばんは!

前回、アストラルの口から、ついに世界の裏側「邪神」の存在が明らかになりました。そして今回、アストラルから語られるのは、世界の法則を守る『五体の古の番人』の正体です。

まるでRPGのボスキャラのような彼らの情報に、優月ちゃんのゲーマー魂が火を噴きます!

フローラ(優月)は「令嬢を隠れ蓑にした最強の攻略者」として、立ち上がることを決意します。

ジークベルト様とのロマンスも、二人の関係が一段階深まる「内緒の進展」がありますよ!

どうぞ、今回の「攻略会議」と、公爵様との甘いやり取り、お楽しみください!

拝啓 お父さん、お母さん。

優月です。私が転生した世界は、乙女ゲームの令嬢ものじゃない可能性が浮上してきました。もしかするとRPGかもしれません。


って、なんでやねん!!

RPGで伯爵令嬢やら公爵やら従魔が出てくるのか?!聞いたことない!!


『………姫君、古の番人ついて話すぞ。良いな?』


あ、はい。どうぞ話してください

私はジークベルト様の膝の上に座ったまま(ジークベルト様が離してくれないから)、アストラルの話を聞くことになった。


(いにしえ)の番人、世界(フラグ)破片(メント)は我を含め五体存在する。我は世界の均衡の番人の役割を担っている」


「アストラル、世界の均衡っていうと?」


「簡単に言うと、この世界の物理的な法則の安定を維持することだ。我が居なければ法則は崩れてしまう」


「へぇ...」


「神々が眠りについた後、我ら古の番人はそれぞれ役目を果たし世界を元に戻した。全ての力を尽くしてしまい、1万年という長い眠りについてしまったという次第だ。…そして、姫君がエレメンタル・コアを倒した衝撃で我らが目を覚ました」


「えっ、目を覚ましたのはアストラルだけじゃなかったの?」


「我だけではない。他の古の番人も目を覚ましている。我には分かるのだ。かつての仲間が長い眠りから覚めたことが…我はその中で3番目の強さを誇るがな」


「ってことは、これから古の番人たちと戦うことになる?」


「そうだな。……確実にあやつらは姫君を狙ってくるだろう」


「マジですか…」


「……フローラ、大丈夫か?」


と、ジークベルト様が心配そうに聞いてくる


「大丈夫ですわ!私の責任でもありますし、古の番人とはいえ従魔にしてしまえばこちらのものです!」


「フローラは強いな」


その微笑み、可愛い。ジークベルト様って私の前ではずっと微笑んでるよね


『それだけ若造は主に惚れているのだろうな』


レヴィ、そうなの?


『見ていれば分かることだ』


ふーん…?


『好意を自覚したのだろう?さっさと伝えろ』


まだ伝えない!今はまだ言えないの!


『あのわがまま姫に盗られても良いのか?』


盗られないよ!ジークベルト様のことは私が側に居ない時はアストラルが守ってくれるし、仮に盗られたとしてもちゃんと取り返すよ


『……そうか』


『姫君よ、安心してくれ。我が必ず公爵を守ってみせよう』


頼りにしてるね!アストラル!


念話で話していると、不意に強く抱きしめられる


「……フローラ?またレヴィ殿たちと念話しているのか?俺を放っておいて?」


「ジーク様、拗ねてるんですか?」


「………」


これは拗ねてるな。だって何も言わないってことは肯定の証拠だし


「拗ねないでください。…どうすれば機嫌治りますか?」


「フローラからキスしてくれたら…治る」


キ、キス?!何を言い出すんだ、ジークベルト様は!!


『若造に口付けをしろ、主。そうしないと話は進まんぞ』


どこに?!頬?!


『公爵は唇にして欲しそうだがな』


唇ゥ?!な、な、出来るわけないでしょうがァ!!


『若造は目を閉じて待ってるぞ。早くしろ』


うっ…!顔面偏差値が高いから目を閉じててもかっこいいとかずるすぎる!絵になる!!


私は覚悟を決めて、ジークベルト様の唇…ではなく頬にキスをする


「……(目を開け)唇にして欲しかった」


「出来ないです…」


恥ずかしさのあまり、ジークベルト様の胸に顔をうずくめる


「………(顔を赤くしたフローラが可愛いから許すか)」


「若造、主といちゃつくな。話を進めるぞ」


「…申し訳ない、レヴィ殿。話の続きを」


「我より一つ格下、4番目の古の番人から話すぞ。4番目は世界の変遷の番人、ヘイズ。魔力の流れと運命の変化を監視している。属性は風と闇属性で火属性を無効化する能力を持っている」


「ヘイズ…?」


「巨大な蛇と思ってくれ」


「蛇…!!」


「アストラル殿より格下なのに、それでも強いのですね」


「ヘイズは古の番人だからな。其処(そこ)らに居る魔物より遥かに強い」


「アストラル、他の古の番人は?」


「…5番目は世界の情熱の番人、名はイグニス。イグニスは人間の感情や熱意のバランスを監視している。属性は火と闇属性で水属性を無効化する能力を持っている。古の番人として一番下であるために闇属性の力が弱い」


「イグニスかぁ…見た目は?」


「火の化身を想像してみてくれ。熱いやつだ」


「あぁ…」


「我より一つ上の2番目も話そう。世界の記憶の番人、名はリトス。水のように情報を流し、全てを包み込む。大崩壊(カタストロフィ)以前の記憶を知っている。属性は水と闇属性。我と同じく魔法を無効化する」


「手応えありそうだね」


「リトスは魔物ではなく水の精霊だ。姫君でも従魔にすることは叶わないだろう」


「………(まぁ、出来なくはないと思うけど)そうだね」


「残念そうにしてるな、主よ」


「でも必ず従魔にしてみせるから」


「主らしいな」


「最後の古の番人は我らの中でも最強と謳われる、世界の時の番人、クロノスだ」


「時の番人?!最強?!ちょ、アストラルkwsk」


「………(主のてんしょんが上がってしまった)」


「……(フローラ、急にテンションが高くなったな)」


「クロノスは光の精霊であり、時の流れそのものを司る。光と闇属性で打撃・魔法を無効化する。姫君でも敵わんだろう」


「…………(最強ポジションの古の番人、キター!!攻略を練らねば!)」


「……やれやれ。アストラルよ、主はてんしょんが高いままだぞ。これはおそらく従魔にしてしまうだろうな」


「……姫君ならあり得るかもしれんな」


「確かに、フローラなら成し遂げてしまいそうですね」


「姫君」


「………(ぶつぶつ)」


「聞こえてないようだな」


『姫君!!』


「っ、はいっ!!」


「ここから先、姫君は古の番人と戦うことになる。そして、どうか我の仲間である古の番人を救ってくれ」


「……救う?なんで?」


「長く眠りについてしまったせいか、エレメンタル・コアを倒した者を敵と見なし排除しようと攻撃をしてしまうのだ。姫君が従魔契約をしてくれなければ、我は闇属性の力を制御出来ないまま、使ってしまい命を堕としていただろう」


「……つまり、私の魔力が流し込まれたおかげでアストラルは助かったと?」


「その通りだ。他の古の番人も自我を無くし、姫君に襲いかかり排除するだろう。……どうか我の仲間を姫君の魔力で救ってくれ」


「アストラル…」


「………不可能だと言うことは重々に分かって」


「優月ちゃんに任せて!ゲームの知識を駆使して何とかしてみせるから!」


「優月ちゃん…?げーむ?」


あ、ヤヴェ…ジークベルト様が居るんだった!


『若造を忘れていたのか?』


いやいやいや!忘れてないって!


『そうは見えんが』


「フローラ、さっき言った言葉は一体…もしかして君の中に居る人の名前か?」


「ごほごほ。んんっ(咳払い)…ジーク様、私はフローラ=サージェントですわ。さっき聞こえた言葉は忘れてください、ね?」


ジークベルト様が子犬のような目で見てくる


「フローラ、…どうしても教えてくれないのか?」


グハッ…そんな目で見てこないで…罪悪感半端ないないから


「い、いつか言いますから!」


「………分かった。それまでは忘れておく」


「ホッ...」


『主、本音が駄々漏れだ』


「んんっ!(咳払い)とにかく!古の番人たちを私の従魔にしたらいいんでしょ、アストラル?」


「そうだが、不可能では…」


「100%不可能ってわけではないよ。ジーク様にレヴィ、アストラルが居るから大丈夫!」


「フローラ…(俺を頼ってくれるのか…嬉しいな)」


「あ、でも古の番人ってどこに居るの?」


「場所の見当はある程度あるから安心してくれ、姫君」


「それなら良いんだけど…」


「……(フローラのこの喋り方、俺にもそう話して欲しいなんてわがままだろうか)」


「主」


「なに、レヴィ」


『若造が居ると言うのに、砕けた喋り方をしているのだな』


「あっ?!」


私は思わず口を右手で押さえる。

た、大変だ…失言をしたというのに、この喋り方だとフローラじゃなくて優月ちゃんになっちゃってた!


「…レヴィ殿にはお見通しだったとは。フローラ、俺にもその喋り方で接して欲しい」


「えっ?!」


「もちろん、公の場では今まで通り令嬢として振る舞ってくれ。だが、二人きりの時や俺とレヴィ殿たちと話してる時はその砕けた喋り方で話して欲しい。その方がもっとフローラのことを知れるから」


「で、でもぉ…」


あ~…また子犬のような目でジークベルト様が見てきてるよ。もう仕方ない!今更だ!


『開き直ったな』


レヴィ、しっ!!


「分かり…じゃなくて、分かっ、た…」


「可愛いな、フローラ」


嬉しそうにジークベルト様が抱きしめてくる。

なんだろう…何だかんだ言ってジークベルト様に弱いかもしれない…歳上としての威厳が...!


次回!フローラ、二体目の古の番人を探しに行く!


次の相手は誰になるかな~??


『楽しそうだな、主よ』


そりゃあ!ね!強い敵と戦えるなんて嬉しいから!


『…こんなに魔物にてんしょんが高くなるなど、お主が初めてだな』


第24話、お読みいただきありがとうございました!

ついに判明しましたね!この世界は、どうやら「令嬢ロマンス」というより「邪神討伐RPG:伯爵令嬢編」のようです(笑)優月ちゃんのテンションが上がってしまっているのを見て、読者の皆さまもワクワクしていただけたなら嬉しいです。

そして、ジークベルト様との関係性にも大きな変化が訪れました!優月ちゃんの素の口調を許し、「もっと知りたい」と望む公爵様の愛の重さ、さすがです。この二人のいちゃいちゃが、今後の旅の癒やしになると良いのですが…。

さて、優月ちゃんに襲いかかってくるのはどの古の番人なのでしょうか…?どの古の番人が刺客として来るか予想してみてください!

どうぞ次回もお楽しみに!それでは!

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