番外編・レヴィの主
こんばんは!今日も番外編を更新です。
今回はレヴィことシャドウ・リヴァイアサン。
伝説の魔物であるレヴィがなぜ、洞窟にいたのか明らかになります。
フローラの初めての従魔契約の話も含んでいますので、どうぞ、お読みください!
我の名前はシャドウ・リヴァイアサン。1000年以上生きる長命種であり、伝説の海龍。
ヒエラルキーでは我は頂点に君臨するほど、他の魔物より強い自信があった。二年程前にラゼボの海で戦った若造は我の足元にも及ばず、暗黒波動で奴の急所を狙い瀕死に追い詰める一歩手前で攻撃を止めた。
気の迷いでも、慈悲でもない。
無意味に人間を殺すことをしないと初めから決めていたからだ。
そんなことを考えていると若造は気を失ったようだった。……人間は脆い生き物だな
暫くはラゼボの海で過ごしていたが、洞窟で身を潜めようと思い立ち我はサコヴィナの森深くにある洞窟に移動した。後に後悔することになる。
洞窟で身を潜めている我の目の前に一人の令嬢が現れたのだ。その日は洞窟内が騒がしく、眠ることが出来なかった。
『何者だ。我の眠りを妨げる愚か者は…』
「リヴァイアサンが喋ったァ?!」
『……我の鑑定が効かないだと?貴様、何をした?』
この令嬢、只者ではないと我の全身が訴えている。大抵は鑑定出来る我でも鑑定出来ないのは、この人間が初めてだ。
「え?ただ空位の器で隠蔽してるだけですけど」
『空位の器、だと...?初めて聞く名だが貴様の持つ隠蔽スキルか?』
「そうですけど」
『我の鑑定が効かんとは誤算だが、まさに僥倖。貴様を喰らいつくして我の糧にしてやる!』
面白い。この者なら我を楽しませてくれるかもしれん。そう思い、我は水球を人間に放つ。
「ギャー!!いきなり水球を放ってくるなんてずるでしょうが!!躱せたから良かったものの」
『貴様のような人間に我が負けるわけなかろう。ずるでも何でもないわ!』
我の攻撃を躱した…?もう一発喰らわせてやる
「ひぃぃぃ!!そう言いながら一方的にまた撃ってるじゃん!!こういうのはターン制じゃないの?!フリースタイルなの?!」
『何を訳の分からんことを言っている?逃げるばかりだとつまらんだろうが』
何度打っても掠りもしない。これならどうだ?
「あっぶな…鼻先に水球がカスった、怖いよぉ…」
ようやく少しだけ当たったか。…だが、手応えを感じんな。我の勘は杞憂に過ぎなかったのか
『所詮、ただお飾りな令嬢か。我の期待外れだったようだ。これで終いにしてやる…!』
我は人間に大技を放つ
『深淵に沈め!下等な生物よ、暗黒波動!』
しかし、我の攻撃は効かなかった。正確に言えば結界で防御をしたのだ。
「風と光属性の混合魔法!光速結界!」
『なっ…?!貴様、なんだその硬い結界は!我の暗黒波動を防ぐ防御魔法などあるはずがない…!』
「ふふん。私のゲーム知識を持ってすれば防ぐことなんて簡単だ。油断している今が好機!シャドウ・リヴァイアサン、私の従魔契約の実験台になって!!」
『誰が貴様のような得体の知れない人間と
従魔契約をするか…!』
「もう遅い!対象はシャドウ・リヴァイアサン!我の従魔となれ!無属性魔法、無限の誓約!!」
…こうして我はこの者、フローラ=サージェントの従魔となった。この我が人間に従うなど初めてだ。おまけにレヴィなどと名付けられ、屈辱的だ。
契約して分かったことだが、主は規格外の力を持っていた。ちーと級のスキルを隠蔽するのは平穏に過ごしたいらしい。
主はあの時戦った若造の婚約者となり、好意を寄せている若造が哀れに思えるくらい、我の主は無自覚だ。
早く夫婦となれ。そうすれば我が主と若造の二人のことを祝福してやらんでもない。
お読みいただき、ありがとうございました!
伝説の魔物だからそこのプライドがありますよね…でもこれからもレヴィにはフローラのツッコミ役をお願いします(笑)フローラとレヴィの掛け合い楽しいので。
明日の更新分で番外編は一旦終わります!
5人目の番外編は誰になるのか、楽しみにお待ちください!それでは!




