番外編・アシェルの葛藤と苦悩
こんばんは。いかがお過ごしでしょうか?
今日から2章再開までの間、番外編を更新していきます!フローラ以外のキャラ視点なので、この時そう思ってたんだ!となると思います
この番外編では2章の内容を少しだけ先出ししてます。
それでも問題なければお読みください!
まずはアシェルお兄さんの番外編からです!
どうぞ!
「誰か!お嬢様が記憶を失われて!誰かー!!」
というメイドの一言から大騒ぎになり家族総出でフローラ部屋に向かうと、フローラには変わりなかったけど、どこか雰囲気が違っていた。
俺たち妹のフローラが、今までの記憶を失った。父上のことも母上のことも分からないらしい。当然、兄である俺たちのことも
「あの、私の名前って…?」
「……すまない。取り乱してしまったね。君はフローラ=サージェント。伯爵家の長女だよ」
「フローラ=サージェント…」
名前を言ってもしっくり来てないみたいだな…
「そして僕たちは君の双子の兄だよ。僕が長男のアシェル。アシェル=サージェント」
俺がそう告げるとレーヴィも続けてフローラに告げた
「僕はレーヴィ=サージェント。アシェルの弟になるね」
「思い出せた?」
「…ごめんなさい」
「無理に思い出そうとしなくていいよ。ゆっくりでいいから、ね?」
「ありがとうございます、レーヴィお兄様」
「っ!フローラの笑顔可愛い!」
フローラが微笑んだ…?表情を面に出さなかったあのフローラが…レーヴィが羨ましい!
「フローラ、僕には笑ってくれないのか?」
「え?」
そうフローラに言うと、フローラは戸惑いながらも微笑んでくれた。ぎこちなかったけどそこも可愛い。
「…こう、ですか?」
「っ!!」
思わずガッツポーズをする。またフローラが笑うようになった。これはいい兆しだ
フローラは俺たち双子に呆れた顔をしていた
「「呆れた顔のフローラも可愛い…!」」
目の前にいるフローラは今までのフローラじゃないかもしれない。けれど俺たちにとって大切な妹であることは変わらない。
これからのフローラの成長が楽しみだな
…フローラが記憶を失って、変わったことと言えば俺たちの大切な妹に婚約者が出来たこと。
あれはこの国の第一王子からフローラが舞踏会に招待された時だ。国王陛下への挨拶が完璧だったフローラを心の中で褒めていたら、第一王子が妹に公の場で婚約を迫ったのだ。
「ところで、サージェント嬢。私はどうやら君に一目惚れをしてしまったみたいなんだ。私の婚約者になる気はないかな?」
俺は思わず護衛という役目を放棄しそうになったが何とか抑え、第一王子に目で訴えた。
「返事を聞かせてもらえないだろうか...?」
と馬鹿王子がフローラに聞く。
『貴様如きが、可愛いフローラに婚約を迫るなど言語道断。王子だろうがその行動は非常識にもほどがある。ふざけるなよ、塵芥が』
と思っているとフローラが発言する
「…大変光栄ですが、家族と相談してもよろしいでしょうか?」
ナイスだ、フローラ!よく空気を読んだ!
とここまでは良かった。
隣国のラゼボ王国の公爵、ジークベルト=アーチャーがフローラに求婚してきたのだ。
可愛いフローラに一目惚れをする気持ちは分からなくはないが、簡単にそういくと思うな!
…月日が流れるにつれ、初めは恋愛感情の無かったフローラもジークベルト殿のことを好きになっていっているのが分かった。
大切な妹を渡したくない。ずっと俺たちの妹でいて欲しい。と葛藤した。
俺はジークベルト殿に勝負を持ちかけた。
どちらが先に魔物の素材をフローラに持ってこられるか、勝敗は言うまでもなくジークベルト殿の勝ちだった。
「………フローラに嫌われるのは不本意だからな。……ジークベルト殿、フローラのことを泣かせるようなことがあったらすぐにでも婚約破棄させてもらう」
「そのようなことは天地がひっくり返ろうがあり得ませんが、フローラ嬢を大切にします。アシェル殿」
「ということは、アシェルお兄様…婚約を認めてくれるのですか?」
「…認めるよ。でも万が一フローラが泣いていたら俺はジークベルト殿のことを許さないから」
「ありがとうございます、アシェルお兄様」
フローラの気持ちを否定したくない。むしろ肯定してやりたい。嫌われたくない。
だから、応援するよ。恋をしたフローラは一番可愛い。せめてフローラの恋を見守らせてくれ。
あぁ!微笑んだフローラが今日も可愛い!!
お読みいただきありがとうございます!
本編よりは短いかもしれませんが、番外編ということで短くしてます。
キャラの思想とかそれぞれ色を出せていけたならなと考えて書いてます…。
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本編再開まで、次の番外編でお会いしましょう!では!




