運命の人
よろしくお願いします!
追記7/4.21時
誠に申し訳ありませんが、作者のスランプで次の投稿が全然書けていません。
次回の投稿を7/9の日曜日にさせて頂きます。
また、スランプを抜け出すまで、週に一度の日曜日更新にさせて頂こうと思います。
楽しみに読んで下さっている読者様、更新速度が遅くなり大変申し訳ありません。
また更新頻度が上げられる様頑張ります。
これからもよろしくお願いします。
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会場に戻ると魔法の研究発表会が終わった所だった。
先ほどまで座っていた席に戻ると、ハンナとベルが待っていてくれた。
エスタはまだ大使達といるのだろうな。
「ハナさん、凄かったですわね。ミュージカルの一幕みたいでしたわ。」
ハンナが両手を顔の前で握り込んで、興奮している。
「話を聞いたら、もっとお話の中の様な出来事だったわ。彼女は今日が人生で初めての外出で、これから駆け落ちする所ですって。」
「人生初の外出に、駆け落ち?情報量が多すぎるよ。」
ベルが混乱している。
「彼女は生まれつきのあざのせいで、家に閉じ込められていたそうなのよ。ムード伯爵領では、彼女は生まれなかったことになっているらしいの。ただ家庭教師の先生が運命の人で、一緒に駆け落ちしてくれたそうよ。」
「そう言うことか、なんとなくわかったよ。本当に物語みたいだ。駆け落ちなんてやるね。」
「生まれつきのあざのせいで、家に閉じ込められるなんて可哀想すぎますわ。」
涙ぐみ始めるハンナ。
「ハンナ、泣かないで。駆け落ちしてこれから自分の人生を切り開いていく所なのだから、お祝いしてあげましょう。きっとこれから楽しい人生になるのよ。」
「そうだよ。顔のあざもハナの回復魔法で綺麗になったし、元々背筋がきちんと伸びて素晴らしかったから、これからより美しくなるだろうからね。何も悲しくないよ。それにしても、ムード伯爵はこれから大変だろうね。実の娘を監禁して、駆け落ちされるなんて醜聞だからね。」
「監禁に駆け落ち。世間の目が厳しくなるだろうね。」
3人で話していたら、疲れた様子のエスタが帰ってきた。
肩が下に下がって、しょんぼりとした顔をしている。
「3人とも、聞いて欲しいの。私、失恋したわ。」
「え?どう言うこと?」
場の空気が凍った。
「お父様が、ランスロット様はつい先日婚約が決まったばかりだと仰ったのよ……。」
エスタは、私に抱きついて来た。
「それは、ショックね。」
「ええ。ランスロット様は優しいし、対応も紳士的で素敵だし、結婚できたら嬉しいなと思っていたわ。それに、自分の中では、ランスロット様は私の事を意外と好きでいてくれているのかなと勝手に思っていたのよ。」
「私も2人を見ていて、仲が良さそうだなと思っていたわ。」
「ハナにもそう見えていたのね。凄く優しかったわ。でも、婚約が決まっているなら、近くにお父様がいたから私に優しかったんだなと思って、泣けて来ちゃったわ。」
私達4人は、泣き始めたエスタを隠す様に会場を後にした。
「エスタ、他に良い恋を見つけよう。」
「そうですわ。男性なんて星の数ほどいますわ。」
「幸せな2人にそうに言われても……。」
私は、ハンカチで目元を拭うエスタの両肩を掴む。
「エスタ、大丈夫。貴女は可愛いわ。他に良い人が絶対見つかるわよ。ただ、ベルやハンナへの対応は良くないわ。貴女は友達を無くしたいの?」
「いいえ、絶対に嫌よ。2人ともごめんなさい。面倒くさい反応をしてしまったわ。」
「大丈夫、気にしてないよ。」
「ええ。プリンでも食べて気分転換しましょう。」
発表会が終わり、放課後になっていた為、私達は、前に行った学園の敷地内のカフェの個室でプリンを食べた。
エスタはひとしきり泣いて、大分すっきりとした様だった。
「付き合ってくれて、ありがとう。やっぱり友達は最高だわ。」
「いつでも付き合うから言ってね。」
「エスタさんが元気になって良かったですわ。」
「本当に良かったね。」
「2人ともありがとう。本当はフェーン殿下やラルドくんに会いたかったでしょう。付き合わせちゃってごめんね。」
「大丈夫ですわ。また冬休みに会えますもの。」
「そうそう。エスタの方が心配だったからさ。」
「2人とも大好きよ。」
3人が抱きしめ合った。
「ちょっと、私も混ぜてよ。」
4人でぎゅうぎゅうに抱きしめあった。
「やっぱり、持つべきものは優しい友達ね。」
私達は、暗くなるまでそうしていた。
「皆ありがとう。暗くなっちゃったから、そろそろ帰りましょう。私、元気になったから、安心してね。」
「良かったわ。私も落ち込む時が来るかもしれないから、その時はよろしくね。」
「任せて下さい。私の時もよろしくお願いしますね。」
「了解。私もね。」
ナサリーに心配をかける前に寮に帰って、ぐっすりと眠った。
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読んで頂きありがとうございます。
短くてすみません。




