フラグ
毎日投稿4日目です。
祝50話目、祝20000pv。
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「ハナ、ちょっとこっちに来て。」
教室に登校した私は、ハンナとエスタとベルに腕を引かれて、空き教室の椅子に座らされた。
「どうしたの?」
「ハナさん、大変ですの。ついに、ガーベラ様からハナさんをいじめる様に言われてしまったんですわ。」
ハンナがしょんぼりしている。
「どうやら、ハナがシュマロ公爵子息にお土産を渡したところを見ていたらしくて、めちゃくちゃ怒っているらしいわ。」
「ああ。図書室で渡しちゃったから。そう、見られていたのね。」
「ガーベラ様はハンナに、ハナの教科書の3日後位に学ぶページを1枚破って困らせる様に言ったそうよ。」
「嫌がらせに気づくのが遅れるやつね。しかも1枚だけじゃ、気付いたとしてもいじめだと分かりにくいし、ガーベラ様、意外と考えてるのね。」
私は手を叩く。
「ハナ、関心している場合じゃないから。」
「そうよ。侯爵令嬢がハナをいじめようと思っている所が問題なんだから。ガーベラ様がいじめようと思っているなら、伯爵令嬢のアンナ様とウタナ様も追随するでしょうから。」
「そうか。双子のお二人も敵になるのね……。」
「まだアリッサ様とリリア様が味方だから心強いけどね。」
「わかったわ。とりあえず、リッツ先生に相談するわ。」
「担任も味方だったね。」
「私、リッツ先生に怒られてしまうのね……。」
「ハンナはまだ何もしてないでしょ。」
「大丈夫よ。リッツ先生なら、事前に相談すれば、どうにかしてくれるわ。ホームルームの後にでも捕まえて相談してみるわ。」
「それが1番だよね。」
「じゃあ、教室に戻りましょう。」
教室に戻るとすぐにホームルームが始まる。
うわぁ。
露骨にガーベラ様から視線を感じる。
これ、睨まれてるよね。
「以上で、ホームルームを終わりにする。」
私は席を立つと、教室をでたハンレーを追いかけた。
「ハンレー、少し相談したい事があります。」
「空き教室でいいか?」
「ええ。」
先ほどまで、話をしていた空き教室にいく。
「実は、いじめられそうになっていて……。」
「ガーベラか?」
「そうですけれど、なんでわかったんですか?」
ハンレーは腕を組む。
「あれだけ睨んでいれば分かる。教卓からは丸見えだからな。」
「そういう事ですか。ただ問題は、いじめの方法が、友達のハンナに私の教科書を1ページ破らせる様指示した事なんです。」
「ああ。自分の手は汚さず、自分より下の貴族令嬢にいじめを指示したってことか。」
「ええ。ハンナは、ガーベラ様のお父様とハンナのお父様の契約を盾にいじめる様言われたそうです。」
「契約と教科書1ページ破るのを比べたら、いじめに加担するな。今回の場合はいじめをする前に本人に伝えているみたいだが。」
「ハンナは私の友達なので、悩みながらも打ち明けてくれたんです。ただお父様の契約が打ち切られるのも心配していて。随分悩んでいますわ。」
「ハナより、ハンナの方が悩んでそうだな。そうか。ハンナの事も考えながら、いじめをどうにかしたいという事だな。」
「そうですわ。ハンレーに力を貸していただきたいんです。」
「お前らの担任だからな。任せておけ。そうだな。ハンナに数学の教科書を破らせろ。余っている教科書があるから、破られた教科書を乱丁本だと言って俺が新しい教科書と交換する。その後もいじめが続く様なら、俺が責任をもってどうにかしてやる。」
「ありがとうございます。ハンレーに相談して良かったですわ。ちなみにやぶる教科書のページは3日後位に習う場所らしいですわ。」
「3日後だな。わかった。それなら、その授業中に気づいたことにしよう。」
「ありがとうございますわ。」
ハンレーに頭を撫でられた。
「気にするな。いつでも相談しろ。」
ハンレーと一緒に空き教室をでる。
私はハンレーに手を振ると教室へ戻った。
「ハナ、どうだった?」
「リッツ先生に相談したら、数学の教科書なら余りがあるから、乱丁本として交換するって。その後もいじめが続く様なら、どうにかするって言ってくれたわ。」
「リッツ先生頼もしいな。」
「ハンナ、良かったわね。」
「先に相談して本当に良かったですわ。」
「ハンナ、泣かないで。ガーベラ様に怪しまれちゃうわ。」
「そうですわね。気をつけますわ。」
ハンナの顔を隠すために、エスタが抱きついた。
「そうだわ。今日から3日間、昼休みに保健室の助手になるのだけれど、みんな一緒に来てくれる?」
「ああ、一緒に行くよ。」
「私もですわ。」
「勿論、私もよ。」
「じゃあ、お昼を食べた後ハンナがお手洗いに行くふりをして、教科書を破ってから、保健室に来るのはどうかな?」
「流れが自然で良いわね。」
「今日のお昼を食べた後ですわね。分かりましたわ。」
「昼休みなら、教室に人もほとんどいないだろうし、それでいいと思う。」
「じゃあ、それで行きましょう。」
作戦開始だ。
まずは、お昼休みまで普通に授業を受ける。
変わらず、ガーベラから視線を感じる。
「つまり魔法には想像が欠かせないという事だ。ここまではわかるな。それでは、想像力を高めるには毎日何をすればいい?ガーベラわかるか?」
「え?」
「え?じゃない。授業中だ。質問に答えろ。」
「……瞑想をするですわ。」
「正解だ。ちゃんと授業を聞いていた様だな。他の奴らも授業を上の空で聞かない様に気をつけろ。では、次の内容だが。」
ハンレーが久しぶりに私以外の人を当てた。
クラスの他の人達も結構驚いている様だ。
ちらちらとガーベラの方に視線をやっている。
ガーベラが赤くなった。
その後は、いつも通りに私が全部指された。
「これで4時間目を終了とする。」
ハンレーは教室から出ていった。
ガーベラに鋭い目で見られるが、赤い顔では威力は半減だ。
「よし、お昼ご飯を食べに行こう。今日のメニューはなんだろうね?」
「お肉と魚の2コースでしょうけれど、メニューがいつも違うからわからないわね。」
「前食べた海老の揚げ物が美味しかったからまた食べたいな。」
「食堂の方にリクエストをすれば、聞いてもらえるみたいですわよ。」
「そうなの?知らなかったわ。」
「海老の揚げ物って海老フライの事だよね。コエド料理の1つだよ。私も食べたいから、いってみよう。」
食堂でランチを食べる。
「相変わらず美味しいよね。」
「本当に学園にきて良かったですわ。」
「じゃあ、食堂の人に聞いてみるかな。」
器を片付ける人に声をかける。
「どうされましたか?」
「あの前に食べた海老フライが美味しくて、また食べられたらなとおもっているのですが……。」
「ありがとうございます。シェフに伝えておきますね。」
笑顔で言われると綺麗なお辞儀をして、去っていった。
「シェフに伝えてくれるって。海老フライでるといいな。」
「気長に待ちましょう。」
私達は食堂をでる。
校舎に着くと、保健室の前で立ち止まる。
「ハンナ頑張ってね。」
「ええ、いってきますわ。」
「誰にも見られない様にね。誰かいたら、自分の机からハンカチを取るふりをして帰ってくれば良いから。」
「わかりましたわ。」
ハンナと別れると、3人で保健室にはいる。
「ラメラ先生、こんにちは。お約束通り助手になりに来ましたわ。」
「聖女ちゃん、待っていたわ。お友達も一緒なのね。こちらに来て座って。コーヒーでも一緒に飲みましょう。」
ラメラ先生は私達にコーヒーを入れてくれた。
「「「ありがとうございます。」」」
「良いのよ。聖女ちゃんが助手をやってくれるなんて。こんな機会滅多にないのだから。むしろ、お給料が払えない分、コーヒーが出てると思ってね。保健室にほとんど怪我人は来ないから、多分暇でお話ししてるだけになっちゃうと思うんだけれど。」
ラメラ先生が話し終わった後、保健室の扉が勢いよく開いた。
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