証拠
予告です。
6/16から祝50話、祝20000pvの為、3日間連続投稿します。
本当は5日間とか7日間とかしたかったのですが、作者の仕事の都合により、断念しました。
その代わり、月末か来月頭にも連続投稿できたらしたいです。
よろしくお願いします!
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「これで、帰りのホームルームは、終わりだ。気をつけて帰れよ。」
ハンレーの一言で、教室が賑やかになる。
あの後、研究の授業が終わっても、何の連絡もなかった。
「結局、放課後になっても、何も返事が来なかったわね。」
「リッツ先生も明日の朝になったらわかると言っていたでしょ?きっと、まだ王宮で対応中なのよ。」
「そうだね。今日はもう帰ろう。」
ショーンやアリッサの方に軽く礼をすると、私達4人は、寮に向かって一緒に帰った。
「ハナさんのおかげで、私の研究はとても進みましたわ。」
「私もよ。ハナがこんなにアドバイスが上手だなんて思わなかったわ。」
「今日だけで研究が完成しそうな程、進んだよ。」
ベルが自分の周りに円状の結界をだす。
1.5秒位だろうか。
張り終わるまでが、少しずつ短くなっている。
「アドバイスが役に立って良かった。私の研究は、まだ進んでいないのよね。何かいい方法がないかしら?」
「回復魔法の研究か。保健室とかで、実際に使ってみるのはどうかな?」
「ラメラ先生なら、協力してくれそうですね。」
「良いと思う。3日間位昼休みに、みんなで行ってみる?」
「ハナには、お世話になったから、勿論行くよ。」
「私もですわ。」
「ありがとう。明日、ラメラ先生に聞いてみるわね。」
寮の入り口に着いた。
「私行くところがあるから、またね。」
「ハナさん、これからどこに行くのですか?」
「ちょっと、グラウンドに用事があるのよ。」
「暗くならないうちに、帰ってきなよ?」
「勿論よ。直ぐに帰るわ。」
ルーンへお土産を渡すために、グラウンドへと向かう。
やっぱり、今日も岩を引っ張っていた。
あれ?
ルーン、少し身体が大きくなった気がする。
筋肉がついてきたんじゃないかな。
「ルーンくん、久しぶりね。」
「先輩、来てくださったんですね。」
「ええ。なんだか、筋肉がついたように見えるわね。」
「本当ですか?嬉しいです。夏休みも頑張った甲斐がありました。」
「成果が出ると嬉しいわよね。今日は蜂蜜檸檬はないのだけれど、お土産を持ってきたわ。檸檬の香りのアロマオイルよ。」
ルーンに紙袋を手渡す。
「ありがとうございます。手紙についているのがそうですか?アロマオイル、いい香りですね。」
ルーンは紙袋を開けると、手紙の匂いを嗅いだ。
「そうなの。小さい容器が新品よ。身体につけてはいけなくて、石や布や紙につけて香りを楽しんでね。」
「わかりました。実は僕からも先輩にお土産があるんです。」
「ありがとう。何のお土産?」
「僕の領地の名物です。また金細工になってしまうのですが、良かったらもらってください。」
ルーンから、リボンのかかった箱を受け取る。
また、高そうなリボンに箱だ。
慎重にリボンを解くと、中から出てきたのは、華奢な金の鎖のついたネックレス。
トップには、恐らくエメラルドの宝石がついている。
鎖に合わせて小ぶりな宝石だが、結構高いと思う。
「こんなに良い物を、お土産で貰っちゃって良いの?」
「良いんです。僕があげたいと思ったので、貰ってください。」
「わかったわ。ありがとう。大事にするわね。」
せっかくだから、その場でネックレスをつける。
華奢だから、重くないしつけやすい。
普段使いのネックレス、これにしようかな。
「似合うかしら?」
「とても似合ってます。」
美少年の微笑みに癒される。
身体が揺れるとネックレスもシャララと動く。
ふと、空を見上げると向こうの空が暗くなってきていた。
「ごめんなさい。暗くならないうちに帰るわね。ルーンくん、気をつけてね。」
「もう少ししたら、僕も帰ります。先輩もお気をつけて。」
「ありがとう。またね。」
「また、会いましょう。」
手を振ると、ルーンもふりかえしてくれた。
かわいいな。
るんるんした気持ちで寮に帰る。
「ただいま、ナサリー。」
「おかえりなさいませ。お嬢様。それで、今朝持って行かれたお土産は、どなたの物だったのですか?」
そういえば、朝に聞かれてたのを忘れてたわ。
ごめんね、ナサリー。
ちょっと誤魔化すわね。
「友達の3人と担任のリッツ先生に差し上げたの。」
「担任の先生ですか。リッツ先生と申しますと、王弟殿下ですね。そうだったのですか。私はてっきり、気になる殿方に差し上げたのかと思っていました。」
ナサリー、鋭いわね。
「アロマオイルは、とても喜んでもらえたわ。」
「それは良かったですわね。」
よし、誤魔化そう。
「ナサリー、今日は大変だったのよ。鑑定魔法の新しい使い方を発見して、2つの犯罪がわかったの。」
「それは大事ですね!」
「今、王宮に問い合わせてるのだけれど、どうなるか心配なのよね。」
「お嬢様が関係しているのですか?」
「そうなの。鑑定魔法の新しい使い方を考えたのが私なのよ。後、ピンククオーツのアクセサリー達が犯罪の決め手になったの。」
「あのナコッタ男爵領で買ったアクセサリーですか?」
「そうよ。」
「とても驚きですわ。何の変哲もないイヤリングとネックレスに見えましたのに。」
「宝石のピンククオーツが問題だったのよ。緘口令がひかれるかもしれないから、詳しくは言えないのだけれどね。」
「そうですか。まさか、ナコッタ男爵領で売られていたアクセサリーが犯罪の証拠になるなんて驚きです。気にはなりますが、十分伝えて頂いたのでナサリーは嬉しいですよ。さあ、湯浴みにしましょう。」
その後は、ゆっくり湯船に浸かって、じっくりマッサージをしてもらった。
久しぶりに疲れた気がする。
マッサージで身体が柔らかく解れて気持ちがいい。
良い夢見れそう。
おやすみなさい。
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