ただのかわいいアクセサリー?
よろしくお願いします。
追記。2023/4/19/12:54
大変申し訳ありません。
ナコッタ男爵からの手紙が前半と後半で2回触れられ、さらに出された日付が違うというわけの分からない事態になっていた為、前半の部分を消去しました。
ポンコツな作者で申し訳ありません。
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魔法学園第二学年中間テスト順位
1位 498点 ショーン=レッツェル
2位 495点 ライ=シュマロ
3位 492点 アリッサ=クーヘン
……
12位 472点 エスタロッサ=アンダギー
……
16位 460点 ベル=ラプン
……
23位 456点 ハンナ=エッグ
……
42位 400点 ハナ=ナコッタ
……
「やってしまった……。」
私の手の中には、零点のテスト。
自分の椅子の上で、思わず正座をしてしまった。
どうしてこうなったのかは、数日前に遡る必要がある。
〜約2週間前、文化祭3日後〜
「休みに出かけて正解ね。大分リフレッシュできたわ。今日からまた頑張るわ。」
「流石ですわ、お嬢様。後1週間程でテストもあるようですし、是非頑張って下さいませ。」
「そうだったわ。勉強頑張らないと。ナサリー、行ってきます。」
「いってらっしゃいませ。」
寮をでて学園へと向かう。
クラスにはいると、いつもの3人は教室にいた。
昨日お揃いで買ったリボンをつけている。
私もお揃いにしてきて、良かった。
「ご機嫌よう。」
「「「ご機嫌よう。」」」
「やっぱりハナさんは、青いリボンが似合いますわね。」
「ありがとう。みんなも凄く似合ってるわ。」
「嬉しいな。」
「私も嬉しいわ。ただし、これからはテスト週間の前の勉強期間になるわ。気をつけていきましょう。ハナ、レッツェル王国の有名な砦の名前は?」
「キタコレ砦よ。」
凄い名前の砦だから、覚えやすいわ。
「正解。それじゃあ、リーマム子爵の特産品は?」
「金と金属加工よ。」
ルーンの家の領地だし、実際に金細工ぽいもの貰ったから、これは自信あるわ。
「正解。それじゃあ、辺境騎士団が魔物の撃退をする為、日頃から意識している3箇条は何かしら?」
「知識、魔法、筋トレよ。」
個々の魔法だけではなく、知識や体を鍛えるのは、素晴らしいけれど、最後体力とかじゃなくて筋トレなんだって思ったから、これも正解のはずよ。
「大正解。ハナ、歴史が苦手な筈なのにやるじゃない。これなら、テストも大丈夫かしら。」
「たまたま、知ってる問題が出ただけよ。一緒にテスト勉強して欲しいわ。」
「勿論よ。一緒に頑張りましょう。」
「私も苦手な科目はあるし、エスタに見てもらいたいな。」
「勿論、私もご一緒しますわ。」
始業前から、みんなと賑やかに過ごした。
授業が始まった後、文化祭前と変わらずハンレーは相変わらず私をあてまくった。
でも、そのおかげで、全科目の学力があがっている気がする。
エスタ様、カンペをいつも本当にありがとう。
お昼休みや放課後は、図書室で勉強した。
当然ながら、アンドリューの姿は見かけなかった。
「ナコッタ男爵令嬢。テスト勉強の調子はどうかな?良かったら、おすすめの本があるんだけれど。」
ライに話しかけられた。
腕の中には、本がいくつかある。
「ありがとうございます。ぜひ、お力をお借りしたいですわ。シュマロ侯爵子息様にお借りした本は、とても勉強になりましたから、とても嬉しいです。」
災害の本は役に立ったから嘘は言ってない。
「それなら、良かった。それなら、おすすめをここにおくよ。私はもう読んだから、そのまま図書室に返してくれればいい。」
「わかりましたわ。ありがとうございます!」
ライの満足気な様子と後ろ姿を見送る。
よしよし、好感度あがってきてる気がする。
良かったわ。
置いてある本に目を移す。
『レッツェル王国貴族年鑑』
『領地毎の特産と収穫高』
『魔法教会と魔物』
『魔法騎士団と辺境騎士団の違い〜筋トレ編〜』
待って。
流石に『レッツェル王国貴族年鑑』は、貴族の令嬢として、全部覚えているのだけれど、これは馬鹿にされているのか、それとも貴族になって浅いと知ってて優しさで選んでくれたのか。
……できれば、後者が良いな。
ライは真面目だ。
馬鹿にして送ってくるとしたら、今はいないナムロのはずだ。
それに、『魔法教会と魔物』は、ゴードン先生に教えて貰ったから、内容覚えているのよね。
本の厚みも分厚いし、この本読んでいたら、他のテスト勉強できなくなりそう。
既に学んでて、良かった。
『領地毎の特産と収穫高』と『魔法騎士団と辺境騎士団の違い〜筋トレ編〜』は読んだ事ないし、厚みも薄いし、嬉しい。
早速勉強しよう。
ただ、筋トレ編があるってことは、知識編と魔法編もあるのかな?
「あれ、ハナが『魔法騎士団と辺境騎士団の違い〜筋トレ編〜』を持っていたのね。通りで本棚にないと思ったわ。」
エスタが一人で帰ってきて、隣の椅子に座る。
ベルとハンナはまだ本を探している様だ。
「さっき、シュマロ公爵子息が他の本と一緒に持ってきてくれたの。」
「流石、公爵のご子息ね。その本達だけで、80点はとれるわね。」
この4冊そんなに凄かったのね。
「そうなの?」
「ええ。特に『〜筋トレ編〜』は、テストを作る先生の大好きな本らしくて、毎年20点位配点されるらしいわ。」
なるほど。
先生の大好きな本ね。
そんな事知らなかったわ。
ライは流石ね。
「凄いわね。」
「そうなのよ。私は兄から聞いて探してたのだけれど、まさかハナに先を越されると思わなかったわ。次、貸してね。」
「勿論よ。この本から勉強するわ。」
歴史が80点取れるなら、勉強するしかないでしょう。
「所でハナ。もしかしてだけれど、貴族年鑑まだ覚えられてないの?」
おそるおそるといった感じで、エスタが聞いてくる。
「いいえ。しっかり覚えているわ。」
「そうよね。学園入学前に覚えてくるわよね。そこに置いてあったから、てっきりって思っちゃったわ。」
エスタが、ほっとした顔をしている。
「……それも、シュマロ公爵子息が持ってきてくれたの。」
「……重いけれど、一度持って帰って、明日返しにいきましょう。本運ぶの手伝うわ。」
「ありがとう。大好きよ。」
その様な形で、必死にテスト勉強をしてきた。
毎日遊ぶ暇もなく勉強したから、自信あり。
テスト頑張るぞ。
それから、テスト週間が始まる前日にお父様から手紙が来た。
婚約は誰ともしていない。
ただし、ブレスレットは大事にするようにと書いてあった。
良かった。
婚約が決まったわけじゃなかったんだ。
鎖なんかじゃなくて良かった。
ただのかわいいアクセサリーであるなら、大歓迎だ。
銀と青の配色も素晴らしく好きだ。
これからも毎日つけよう。
さあ、明日からのテスト頑張ろう。
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読んで頂き、ありがとうございます。
最近の作者は、すぐお亡くなりになってしまう吸血鬼にどハマりしておりまして、大笑いしています。
ギャグって面白いですよね。
でも、自分で書くのは凄く難しいです。
ギャグがかける方を凄く尊敬します。
これからもよろしくお願いします。




