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王太子と仲良くなるには

よろしくお願いします。

.


それから、二ヶ月がたった。

相変わらずハンレーは、私を当てるし、ダンスの授業の見本も毎回私だ。

ハンレーに聞いたら、ダンスの授業を私と踊りたくて、他の授業でも私を指しているらしい。

先生とダンスだけをずっと踊っていたら、贔屓と呼ばれるかも知れないが、他の授業で指され続けてるからだろうか、むしろ同情されてる。


「俺の中では、狙い通りだ。ハナと踊るのが、俺は好きだ。ハナは嫌か?」


「その聞き方はずるいと思います。私もハンレーと踊るのか好きです。」


「良かったよ。後、これはこの間の礼だ。ちゃんとした形で渡したくてな。」


ダンスの見本を見せる前。

閉じられた扉の前で、ドレス姿の私の首にネックレスと、耳にはイヤリングがつけられる。

桜の物は外されて、新しい物が入っていた箱に仕舞われた。


「これ、ローズクォーツだろ?この色もいいが、俺はこっちの方がハナに似合うと思う。」


前の物とデザインは、殆ど同じ物だった。


「ピンクダイアモンドだ。俺が貰った領地でとれる宝石なんだ。このピンク色がハナには似合うと思ってな。」


私の宝飾品は、攻略者達によって変えられていく。

エメラルドのブローチ。

金の小鳥の髪飾り。

今回のピンクダイアモンドのイヤリングとネックレス。


「ハンレー、ありがとう。とても嬉しいわ。」


攻略が順調な証だろう。

うきうきしながら、その後ダンスを踊った。

ハンレーには、かなり好かれていると思う。

他の攻略者達だが、ライもルーンも順調だ。

ライは、歴史の参考書について、質問をしたり、地理の参考書を新たに教えてもらったり、仲の良い友達になってる気がする。


「わからない事があったら、いつでも聞いてくださいね。」


「わかりましたわ。早速なのですが、以前勧めて頂いた災害の本ですが、こちらの数字の意味がよく分からず、お聞きしたいです。」


「ああ。この数字は、この領地の穀物の備蓄だけではなく、国からの救援物資の穀物の量も入っているのです。その為、この数字になります。確かに、知らないと分かりづらいことですね。」


「教えて頂き、ありがとうございます。」


「いいえ。ナコッタ男爵令嬢は、勤勉ですから教えがいがあります。」


「こちらこそ、シュマロ公爵子息のお答えが分かりやすくて、ついつい聞いてしまいますわ。」


「良かったです。因みにですが、この本に王国の非常時の各領地への対応方法が詳しく乗っていますよ。」


「ありがとうございます。是非、読ませていただきますわ。」


ライのおすすめの本を読んで、分からないことを聞き、その参考資料になる本をまた勧めてもらうといったループができている。

ライとはコツコツ仲良くなっているし、授業もどんどんわかる様になってきた。

ハンレーの容赦のない授業とライのおすすめの本でかなり知識が付いてきた。

私が、ハンナやベルに教えることも増えてきた。

まだ、エスタには全然敵わないけどね。

ルーンとは、放課後に差し入れを持って時々会いに行っている。

やっぱり筋肉はついていないが、汗だくの美少年の微笑みに癒されている。


「ナコッタ男爵令嬢、また来てくださったんですね。差し入れ、いつもありがとうございます。」


「今日は、冷たい蜂蜜檸檬ソーダよ。」


「炭酸ですね。シュワシュワと甘酸っぱさが良いですね。冷えているのが嬉しいです。」


ルーンの首にかかったタオルで、顔や首の汗をそっと拭く。


「喜んで貰えて良かったわ。後、食べられたらなのだけれど、甘いオレンジを向いてきたの。いかがかしら?」


「頂きます。本当だ。甘みが強いですね。」


「うちの自慢のオレンジよ。」


「ありがとうございます。」


ルーンとは、順調に仲良くなっている。

この間は、クッキーを差し入れたら、ルーンに運動の最中なので持ち帰って食べますねと言われたから、今日は飲み物とオレンジにした。

オレンジは食べてくれて良かった。

ハンレーとライとルーンの三人はいい。

どんどん仲良くなっているから。

それに、アンドリューとも仲良くなっている。

図書館で一人になる度によく出会って話しかけられる。


「今日もきてくれたの?本当に勉強頑張ってるね。」


「ありがとうございます。まだまだ、勉強が足りなくて、本を片手に課題を終わらせてますの。図書館は参考図書があって、勉強しやすいですわ。」


「何のレポート?あぁ、それか。ハンレーは、その分野が好きらしくていつもテストにでるから、ちゃんと覚えていた方がいいね。」


「そうなのですか?」


「ああ。僕の担任もハンレーだったからね。良かったら、テストの山はってあげようか?」


「助かりますわ。」


「正直な子は好きだよ。それとそれとそこ。線引っ張っといてあげる。えっと、ちょっと待ってて。」


アンドリューは、どこかにいなくなった。

そして、本を片手に直ぐ帰ってきた。


「これ、テストによく出る部分の参考書。」


「貴方は神様ですか?」


「あっはっは。僕が神なんて、面白い子だな。」


頭を撫でられた。

攻略対象者ではないが、確実に仲良くなっている。

ただ攻略対象者であるはずのショーンとは、まったく仲良くなってない。

最初のダンスの授業の前に、お礼を言われた後から話してもいない。

どうして?

私が話しかけようと近づくと、大体違う人と話し始めたり、別の場所に行ってしまう。

逆に、婚約者のアリッサの方が、度々声をかけてくれる位だ。

攻略者より、婚約者の令嬢の方が仲が良いってどういうことだ。

同じ婚約者でもガーベラは、私がライと話す度に鋭い目を向けてくる。

ただ、アリッサが親しく話しかけてくるから、私には何も言えないと言った所だろうか。

怖い。

とりあえず、それはおいておいて。

どうやったら、ショーンと仲良くなれるだろうか。


「ハナさん、そろそろ学園祭が近いですわね。」


そうだった!


.

読んでいただき、ありがとうございます。

次回から、学園祭編スタートです。

また、話の途中で出てきた、ベルのおじいちゃんとおばあちゃんが主役の物語、『愛する猫の恋物語』を短編投稿しました。

サクッと読めるハッピーエンドのお話となっております。

そちらもよろしければ、お読みくださいませ。

感想や評価をお待ちしています。

よろしくお願いします。

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