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異世界帰りのおっさんは、父性スキルでファザコン娘達をトロトロに  作者: タカハシ ヒロ
第八章 光営業

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フォークボールは罪の味


 そんなことを考えているうちに、パチャパチャと水音が鳴り始めた。

 今頃どこ洗ってんのかな、いやそんなもん想像しない方がいいな、と頭の中によぎった映像を振り払っていると、ろくでもない事実に気付く。


 そういや俺、あの子の着替え用意してないな。

 かといって失禁で汚れた服をまた着せるわけにはいかないし……。


 しょうがない、ホテルを出る時はノーパンかつノースカートになってもらおう。

 替えの服を買うまでは、痴女スタイルで我慢して頂くとする。


 幸い俺には隠蔽魔法があるのだし、これを使って周囲から見えないようにしてやればいい。

 あとは真乃ちゃんの羞恥心さえなんとかすればいいのだが、これが一番のネックだと思われる。

 そもそも魔法の存在を信じ込ませるのに手間取りそうだし。


「……めんどくせえな」


 どうする?

 なら真乃ちゃんが恥ずかしがらないように、俺が股間に手を当てた状態で歩けばいいんだろうか? 

 下半身丸出しの少女を紳士にエスコートするには、成人男子の大きな手で隠してあげるのが一番……。


 ってアンジェリカ達ならこれで大喜びだろうが、それ以外の相手だと普通にドン引きされるに決まってるだろ。

 何考えてんだお前は、と俺の中の冷静な部分が突っ込みを入れてくる。


 最近の俺は十代女子に好かれすぎて、一般的な未成年はおっさんを気味悪がる、ということを忘れかけていた。

 やれやれ、危ないところだったぜ。

 

 ……一般的な未成年。

 そうだよな、相手はごくは普通の女の子なんだよな。

 これといって特徴のないJCなんてどうせ恋に盲目だろうし、俺に惚れさせたら扱いやすくなるかもしれない。

 それが一番手っ取り早いんじゃね?


「思考がどんどん淫行野郎になってるじゃないか!」

「……終わりました」


 自分で自分の思考に驚いていると、バスルームのドアが開く音が聞こえた。

 少し遅れて、ひたひたと濡れた足音がやってくる。


「淫行野郎なんですか」


 真乃ちゃんは俺の隣に腰かけると、ぐすんと鼻を鳴らした。

 髪はまだ乾き切っておらず、毛先はしんなりと湿っている。

 そして恐ろしいことに――体はバスタオルのみを巻き付けた状態だ。


 この布の下にあるのは、穢れなき十四歳の裸。

 

 大事なところは全部隠れているとはいえ、あまり熱心に見つめると逮捕されそうな気がする。

 なので最低限の情報を得るに留めておく。


 そう、ここからは必要最低限の観察なのだが……真乃ちゃんは中々均整の取れた体の持ち主だった。

 身長は高く見積もっても155センチ程度だろうが、小顔で手足が長いため、すらりとした印象を受ける。


 肌は白く、さきほどまでお湯を浴びていたせいかほんのりと赤い。きっと触れればもちもちとした若さを堪能できることだろう。

 くっきりと浮かび上がった鎖骨には玉のような水滴が貼りついていて、年齢にそぐわない艶めかしさを感じる。ここを見てるとなんだか変な気分になってくるので、やむを得ず視線を下げてみる。


 すると無防備な胸元を直視することとなった。

 薄布に覆われた膨らみは小さいながらも位置が高く、いかにも張りがありそうだ。Bの77前後か? タオル越しなので断言はできないが、この形状からすると半熟といったところ。バストトップ周辺の肉が盛り上がり、それが横方向に広がる段階までは成長を終えている。至って平均的なJC2の乳であり、所詮は育ちかけに過ぎない。即ち、揉んで肉の感触を楽しめるようなサイズではないということだ。どうしてもこの乳で遊びたかったら、色と味を楽しむしかあるまい。


 腰は……体格の割に大きい方かもしれない。いわゆる安産型で、赤ちゃんを産む準備ならできてます、と健気に雌をアピールしている。

 太もものむちむち具合も素晴らしく、下半身は完全に「女」のそれだった。今から尻肉ともも肉を揉みまくってやれば、そこに溜まってる女性ホルモンが上の方に流れて、胸の発育を手伝ってやれるかもしれない。そう思わせるほど女っぽいラインをしている。


 要するにとっても猥褻な体つきの女の子なのだが、顔は甘めの童顔というギャップが罪深い。薄めの眉毛と顎のホクロが、なんとも薄幸そうな空気を醸し出している。おかっぱ頭なのも相まって、どことなくレトロな雰囲気の幼顔だ。

 かといって首から上は色気がないのかというと、全然そんなことはない。素朴さの中に一握りの、いや二握りのエロスを感じる。

 和風な顔立ちなのに、唇が少々厚めだからかもしれない。てらてらとピンク色に光る下唇は、吸い付けば確実に美味い。俺は経験上わかるのである。ああいう色をした十八歳未満の唇は、しゃぶり甲斐がある。アンジェリカとリオと綾子ちゃんのおかげでよく知っている。


「めちゃくちゃ視姦してますね……やっぱりロリコンさんだったんですね」

「気にしないでくれ。俺にとって未成年の少女を観察するのはただの癖で、君個人に欲情してるわけじゃないんだ」

「癖になってる時点で条例違反だと思います」


 しょうがねえじゃん。

 家も職場も若い女の子だらけなんだから、今日は誰の機嫌が悪いのか、誰がムラムラしてるのか、誰がアレの日なのかを見分けるのが死活問題になってくるし。

 

 おかげで十代の少女が視界に入ったら、舐め回すように見るのが習慣になってしまったのである。

 俺のせいじゃないのである。

 

 同居少女達の日常的な性暴力によって性癖・及び視覚能力を歪められたのだから、俺は哀れな犠牲者と言っていいだろう。

 元は人妻大好きマンだったのに、今じゃどこに見せても恥ずかしいティーンエイジャー大好きおじさんになっちまった。


 ったく、どう責任取ってくれんだよアンジェリカ達は? 

 こんなんどこに助けを求めればいいんだ? 弁護士か? 


 十八歳未満のメスガキどもが乳を揉ませたりベロチューしたりしてきて、俺のストライクゾーンを下方向に矯正しようとしてくるんです! これって人権侵害ですよね!? と訴えれば裁判で勝てるかもしれない。だが世論に押されて死刑判決という展開も大いにありうる。

 何よりそんな裁判を起こした時点で社会的に死ぬので、実質自殺である。


「あの、するんですよね、私達」

「どうすんだよ俺のストライクゾーン……下に広がりすぎてフォークボールしか打てない打者みたいになってんじゃねーか。家に帰ったらフィリアで遊んで上方向に調整した方がいいなこれ」

「あ、あの! 今からするんですよね! えっちを!」


 ブツブツと性癖野球を実況していると、真乃ちゃんが真っ赤な顔で肉体関係を持ちかけてきた。

 世も末だと思った。

 俺はそっと真乃ちゃんの頭を撫でると、穏やかな声で言った。


「しないよ」

「……嘘」

「するわけないだろ。だって俺は、警察の協力者なんだからな」

「……けーさつ……?」

 

 俺は自分の声帯から出せる、もっとも優し気な声で語り始めた。


 真乃ちゃんを助けに来たこと。これは警察の囮捜査の一貫であること。

 今から君を解放し、自由の身にしてあげる。お父さんも捕まるだろうが、そのうち会えるようになるさ。

 真心を込め、真っすぐに目を見つめて話してみたが、全く信じてもらえなかった。


「私のおっぱいと太ももをガン見してた人を、信用できるわけないじゃないですか」


 ぐうの音も出ない正論だった。


「確かに俺は女の子の体を視線でなぞる悪癖があるけど、それと正義感は全く別のものなんだ! 信じてくれ!」


 どうすればいいんだろう。


 この前繁華街で、強姦未遂をやらかしてた大学生をブン殴りながら説教したのだが、その時撮った写真でも見せればいいんだろうか? 

 ほーら俺は正義の味方なんだよー、と返り血まみれの俺と胸から肋骨がはみ出ちゃってる若者のツーショット写メを見せれば、俺が町の平和を守るために戦ってると理解してもらえるかなーと思ったけど、うんやっぱこれはねえわ。

 余計怖がらせるだけだな。


 あとこの一件はもろに殺人未遂だが、ちゃんと魔法で治したから(多分)無罪だと思う。隣にいた杉谷さんもヘラヘラ笑ってたし。

 

「俺はあくまで君が心配なだけであって、いやらしい目で見てたとかじゃないんだ。マジだって」

「……信じられない。男の人って皆ケダモノだもん」


 父親がジュニアアイドルの際どいの映像で生計を立てていたくらいなのだ、男の性欲は嫌というほど見てきたのだろう。

 真乃ちゃんが男性不信になるのも無理はない。この子が悪いわけじゃない。

 頭を抱え、どうすれば信じてもらえるんだ……と俺は唸り出す。


「俺は本当に君を助けたいだけなんだが」

「……嘘」

「嘘じゃないって。大体、おかしいと思わないのか? 体目的ならとっくに押し倒してるはずだろ?」

「それはそうかもしれないけど」

「目の前にこんな極上の御馳走があるってのに、手を付けないロリコンがいるかよって話だ。これこそ俺がロリコンじゃない証左だ」

「なんか表現がいやらしい。やっぱり児童性愛者なんでしょ」

「違うっての! 今のは客観的に君が美少女に入るってだけの話! まあ俺は中学生には興味ないから手を出さないけど!」

「ふ、ふーん」

「とにかくさっさと服を……あーっと下は濡れてるだろうから、上着だけ着て待機してくれないか。俺は今からここ抜け出して替えのパンツ買って来る」


 そのまま立ち上がろうとすると、俺を制止するかのように白い手が伸びてきた。


「真乃ちゃん?」

「中元さんが本当は買春おじさんじゃなくて、おまわりさんと組んで私を助けに来たっていうなら……それを証明すればいいと思うんです」

「なるほど。どうすればいいんだ?」

「こうする」


 真乃ちゃんは俺の手を掴み上げると、迷うことなく自身の胸元に押し当てた。

 

「……!?」


 柔らかく、それでいて確かな弾性を感じさせる感触が、手のひらから伝わってくる。

 

「私が誘惑しても、中元さんの体が反応しなかったら……ロリコンじゃないってことになりません?」


 真乃ちゃんの視線は、俺のヘソの下付近に向けられていた。

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