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18 S級冒険者VS魔王軍9

「そうら、焼き尽くしてやるよ!」


 ベティが笑う。


 既にその全身は炎に包まれ、肉が焼け溶けかけている。


 火力を極限まで上げた代償なんだろう。


 遠からず、彼女は精神も肉体も焼き尽くされて死ぬ――。


 それを承知でティアを巻き込み、自爆するつもりだろう。


 ティアは距離を取ろうとしているが、ベティの方が速い。


 追い詰められ、ティアのドレスの裾が焼ける。


 髪の一部も焦げている。


 それでもなお――ティアは冷ややかにベティを見据えていた。


「おいおい、どうした? 怖くて声も出ねぇか?」


 ベティは楽しげだ。


「人間にもそれなりの者がいるんだな」


 ティアが告げた。


「少し侮っていたのかもしれない」

「ははははは! 侮ったせいで、お前は自爆に巻き込まれて死ぬんだ! 残念だったなぁ!」


 勝ち誇ったように笑うベティ。

 が、


「うぬぼれるな。それでも――所詮は人間だ」


 静かに告げた、次の瞬間。




 ごおおおっ……!




 ベティの全身から立ち上る炎が一気に火勢を上げ、彼女はあっという間に消滅した。


「な、なんだ……ベティが……!?」

「魔族を追い詰めていたはずじゃ……?」


 残る二人のS級冒険者が呆然とした顔になっていた。


 ――なるほど。


 俺はすぐに状況を悟る。


 おそらく、ここまですべてティアの手の内だったんだろう。


 彼女の幻術を破り、炎ですべてを焼き尽くし、ティアを巻き込んで自爆する――。


 ベティが操った火炎がそこまでの威力を発揮していること自体、ティアが生み出した幻覚だったのだ。


 ベティはそれを現実だと信じ込み、己の火力を際限なく上げて――。


 やがて、自らの限界を超えて己の体を焼き尽くしてしまった。


「よくやった、ティア。下がって休め」

「不覚にも体の一部を燃やされました」


 ティアは淡々としている。


 が、その声には少しだけ悔しさがにじんでいるようだった。


「人間ごときにも、ここまでの炎を操る者がいるとは。私も認識をあらためます」


 実際には、ほとんど完勝だったとはいえ、彼女に慢心はない――。


「残るは二人、か。もういいだろう」


 俺は一歩踏み出した。


「【水流魔導】のグラット。【剣仙】ガールヴ。お前たちを殺し、このまま突き進むとしよう」

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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