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98. あなたに逢いたい
遠くから微かに聞こえて来る
私を呼ぶ声
それは聞いたことのない
けれど
何度も私を呼ぶ懐かしい声
色も音も言葉もない世界で
私を呼ぶ声
それはきっと
あなたの声……
私を呼ぶ
私だけが知る
あなたの声
いつの日か私達は巡り逢う
きっと遥か彼方の未来
私達は同胞
同じ志、同じ思考で生きる者
必ずやいつの日かあいまみえる
その運命を信じて
巡り逢ったその瞬間
世界は音を取り戻し
セピア色に輝く風景の中
私達は初めての言葉を交わすだろう
ずっと
ずっと
逢いたかった
あなたにずっと逢いたかった……




