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90. 影を慕いて



あなたの影が段々薄くなる

あなたが私から離れてゆく


冷たいさやかな一陣の風が

この街にも吹き始め

季節がひとつ過ぎてゆく頃


あなたは次第に何も語らず

淋しい目をして愛おしく

私の瞳を見つめながら

繰り返す


"愛しているよ"


それは寄せては返す

静かな波のまにまのように


嗚呼、

知っている

わかってる


何かがあなたを駆り立てる

あなたの本能を目覚めさせ

あなたを狩人へと導きゆく


それがわかっていながら私には

あなたを引き留める術がない


あなたはあのひとの影を慕いて

あのひとの行く道を追い求めてゆくだろう


そう、きっと初雪が降る頃

あなたはこの街にはもういない



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― 新着の感想 ―
[良い点] 影を慕いているのは 彼なのか、それとも? 繰り返す“愛しているよ”のところがたまりませんわん♡ [一言] 返信はお気になさらずにご自愛くださいませ。 早く回復されますように。(人´∀`)…
[良い点] 愛していると それなのに離れていく なんとも複雑な思いが表れてますね…… 彼が何者かはわかりませんが、昔の男は結構こういうところある気がします。
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