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89. 夢の彼方の遠い憧れ
白く滑らかな裸身を
ありのままの我が身を
透明な鏡に映して
ただあなたを想う
真夜中の蒼い静寂に
あなたは今宵も夢の彼方で
遠い声をして私を呼ぶ
それはおぼろげな
でも懐かしい
どこかで見た
確かに聴いた
あなたの逞しい姿
あなたの優しい声
そう、いつの日か必ず
私達の魂は確かな邂逅を果たし
互いの存在を求めあい
遙かな高みで交わるだろう
嗚呼、でも
知っている
わかっている
現世のこの身は
決してあなたには重なり合えない
私達は相見えない
あなたは遠い、遠い憧れのまま
いついつまでも
私の中で




