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78. あなたのいない夏
あなたのことを想うと泣きたくなる
あなたのことを思い出すと
胸が締め付けられる
桜の木はもうその花びらを落とし
青々とした葉を風に揺らしている
春はもうそろそろ終わりを告げて
陽射し眩しい初夏へと
移り変わろうとしていて
五度目の夏が巡り来る
あなたはいないけど
私の心はあなたのもので
あなたの気持ちを信じている
あなたの美しい女は
今もあなたの心の中にいますか
あなたの心を占めていますか?
あなたのいない夏に私は
ただあなたの無事を信じ
あなたの幸せを祈ってる
どうかあなたが健やかで
心安らかにありますように
ただそれだけを祈っている
五度目の夏は遥か遠くて……




