表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/144

76. いつかまた逢う日まで

 


肩先の髪をとかす風が頬を優しく撫でる午後

ふと思い出すのはあなたのこと……


あなたへ別れの手紙を書いた

二年前の早春

そんな私に相聞歌をしたためて

真実を吐露してくれたあなた


私達は絆を契り

誰よりも互いを深く感じていたのに

訪れた初夏

あなたは忽然と私の前から姿を消した


私は

探して

探して

探して


あなたが帰ってくる日を狂うほど待って


夏が過ぎ

冬が来て

春が去り

また夏を迎えた頃

或る日、あなたはようやく

私の許へ帰ってきてくれた


けれど

歓びの涙を流したのも束の間に

あなたは再び私の前から姿を消した


あなたと出逢ってから迎える

四度目の浅い春に

私の胸を去来するものは諦念


あなたが誰と何処にいて

私をまだ想っているのか

知る術もなくて

私は唯、あなたの無事を祈るだけ


あなたがどうか健やかでありますように

あなたといつかまた逢う日が訪れるまで



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 待つ愛は辛さがありますよね。 でも、その分募った思いは大きそう。 いつかそれが解放できる日が来ることを祈ります。
[良い点] なんで消えてしまったの!?(๑˃̵ᴗ˂̵) やむにやまれぬ事情、というかまだ何かあったときに相手の関係者から連絡がくるほど親しい間柄ではなく、事故や病気で倒れていたり……? と、謎が深まる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ