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75. 朝まで遠い聖なる夜は
肌に触れる空気が射すような十二月
街は華やいでいて
明るいイルミネーションで彩られ
クリスマスソングが奏でられる中
私はひとり
遠い街にいるあなたを想う
あなたは誰と一緒に
この聖なる夜を過ごすの
どうやってこの長い夜を潜り抜けるの
私はひとり
唯、あなたを想って
想って、想って……
あなたの笑顔を思い浮かべる
それは記憶の彼方に紛れて
どこか遠くで
一人歩きしている
ただあなたを想う
聖なる夜は更けゆきて
ただあなたを想う
私だけが存在して
この暗い時の静寂に
見えないあなたの幻が浮かび
聞こえないあなたの声が木霊する
そんな夜は朝まで遠い……




