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67. その恋の炎は
好きになるわけにはいかない
好きになっては断じていけない
好きになっては
もし、このまま好きになったら
待っているのは恐怖と破滅
幸せは音を立て崩れ
何もかも全てが瓦解する
わかっている
知っている
この恋の行く末は
不幸でしかないことを
諦めよう
忘れよう
何度自分にそう言い聞かせただろう
嗚呼、だけどでも
恋の炎の火種は燻り
本能という風に煽られ
辺り一面をそこもかしこも
完膚なきまでに焼き尽くす
その恋はきっと地獄の業火で
いつの日か私を滅ぼすだろう
わかっている
知っている
嗚呼、だけどでも
誰が止めても
何が私を阻もうとも
私は彼を愛している……




