65.　ラブレター

あなたからの便りを待つ日々は

とても長くて切なくて

愛おしくて

あなたがお気に入りの万年筆で書く

その静謐な青い文字は

とても柔らかく几帳面で

その哲学的で深遠な内容を

私はよく理解できないけれど

あなたの私に対する深い愛情は

確かに伝わってきて

私の心を打ってやまない

あなたはいつも

私に逢えて良かったと

私の存在に感謝していると

その美しい青いインクの文字で

そう認（したた）める

繰り返し繰り返し　

寄せる波のように

あなたの言葉は私の胸に届いて

その魔法の文字は

私を幸せに誘（いざな）うから

私はあなたの真実の愛を信じる

感謝しているのは私

あなたを愛しているのは私

だからお願い

また何度でも私に手紙を下さい

私はあなたの便りをいつでも

いつまでも待っているから