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56. 0時半のシンデレラ
0時半に目が覚めた未だ真夜中の蒼い時
昨夜、あなたからのメールを読みながら
うっすらとした意識の中で微睡んでいた
私は
私はこれ以上、彼を裏切りたくない
私の幸せは彼との恋の四年間にある
でも、あなたに惹かれてしまった
あなたも私に
言葉の海で抱きしめて欲しいと
そう望んだ
私達はもう別れた方がいいんだろうか
これ以上の過ちを犯さない為に
でも
あなたを失ってしまうのは哀しい
それはいけない
許されないことだとわかっているのに
けれど……
私は彼をこれ以上裏切りたくない
あなたを想う自分が許せない
それなのにどうして……
あなたの気持ちもわからない
私はそんな器用な女じゃない
私は自分自身が許せない
彼を裏切っている自分が許せない
日々、良心の呵責が募りながら
あなたへの想いもまた募る……
いつか0時の鐘が鳴って
灰かぶりへと戻った時に
私の胸に去来するものは
自分自身を糾弾する心の声か
それとも
変わらないあなたへの思慕か
それはあってはならないこと
私は彼の許へと帰り
あなたを想うこともなくなる
そんな日々が早く来て欲しい
涙に濡れながらそう希い願う
0時半のシンデレラ……




