51.　ホワイト・アニバーサリー

それはふとした偶然で

あなたの存在を知ってから

もう三年の月日（とき）が経つ

あなたは遠い異国にいて　

手を触れることすら叶わない

そんなもどかしい関係だったけれど

私達は文学を、音楽を、芸術を

様々な対話を交わし

互いを深く理解して

いつしか退くことのできない

運命の恋に堕ちていた

見たこともないあなたは

真実の愛の言葉の魔法で

私の躰の奥底に楔を打ち　

私の心の中に棲んでいた

いつか逢う日だけを夢見て

今日この日まで生きてきた

そして私達は、今

初めて互いの素顔を肌を知る

夢にまで見ていたあなた

優しく理知的で穏やかな

理想のままだったあなた

"愛してる"

あなたの心からのプロポーズに

今日という特別な記念日を知る

春一番の吹くホワイト・デー　

それは

あなたと初めて重なりあう日