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49. 求める証
あなたの匂いがする
白く広いベッドの上で
私の濡れた髪の雫が
あなたの胸に伝い落ち
それは私の流せない涙のように
あなたの躰を濡らしていた
あなたの胸はとても温かく
震える私をそっと包み込み
私達は貪るように
互いの存在を確かめ合った
私はあなたを愛していた
あなたは私を愛してくれた
あなたの存在そのものが
私の生きる意味だった
あれから半年の月日が過ぎ
あなたの姿はなく
私はひとり取り残されたまま
あなたの名前を呟く声は
とてもか細く乾いている
それはあなたをまだ求め
忘れられない証のように




