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40. 秋来りなば星巡りくる
秋の夜更けに
天頂近く輝くペガススを
唯、じっと見つめながら
壊れた躰で哀しみに暮れ
傷ついた心を癒している
あなたを想う
かなしく想う
私があなたの手を離した
あなたの存在から逃げた
その罪はきっと地獄の業火でも
燃え尽きることはないだろう
あなたは今、何処にいるの
誰と一緒に眠っているの……
何も応えてはくれない
あなたは私を許さない
その現実を見つめ
その悪夢に魘され
明日もまた私は夜空を見上げて
やがて輝くシリウスを
あなたが好きだったその星を
唯、じっと見つめるだろう
冬がまた巡り来る




