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36. グレイな一日の過ごし方
朝からなんだか優れなくて
珈琲マグ片手に朝刊もうわの空
窓から眺める景色は
秋の長雨に濡れそぼっているから
テーブルの上の花瓶に目を遣って
薔薇の花びらの数を数えたりする
なんだか少し肌寒く感じるから
そろそろ長袖のカーデを
羽織らなきゃなんて考えて
クローゼットを開けても
お気に入りの色が見つからなくて
溜め息をついて
気の置けない女友達とLINEをしても
どこか虚しく空回りするだけ
だから
お気に入りの紅茶を淹れて
ベルガモットの香りを一人楽しむの
そんなついてないグレイな一日も
あなたが帰ってくれば
満面の笑みがこぼれる
「お帰りなさい」の言葉と共に




