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33. 虚ろな夢



あの人の夢を見た


それは長く、愛おしく

セピア色した懐かしさ


あの人は両手を掲げて

じっと青空を見つめて

嗚呼、自分もあの空へ

高く昇って行きたいと


翼を折られ、地上に縛られた

我が身を嘆いていた


天上には私が待っていると

唯、それだけを信じて……


そんなことはない

そんなことはないのと

私は必死であの人に

語りかけるけど

あの人は気づかない


私であって私ではない

虚ろな偶像を胸に

涙を流して

唯、青空に向かって

私への愛をつぶやく


そんなあの人の夢を見た



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